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世界RX、2020年に現行車と電気自動車をミックスしたプロジェクトEでフル電動化へのシフトを開始

©FIAWorldrallycross.com

世界ラリークロス選手権のプロモーターを務めるIMGモータースポーツは、2020シーズンのヨーロッパ数戦で、これまでの世界RXスーパーカー部門と同じスケジュールで電気自動車を参加させる「プロジェクトE」を展開することを発表した。

プロジェクトEが掲げる目標の根底にあるのは、先日のFIAモータースポーツカウンシルで批准された世界ラリークロス選手権のフル電化のロードマップに従って、電気自動車のレースカーを世界ラリークロス選手権の環境で評価することにある。

プロジェクトEは、IMGと、マンフレッド・ストール率いるオーストリア拠点のSTARD(Stohl Advanced Research and Development)が共同で進めていくという。STARDとの協力関係は、2021年から世界RXで段階的に導入される電動化への準備として、プロジェクトEのレースマシンにおける電動化技術や充電、安全システムの開発に焦点が置かれる。

「我々はここ何ヶ月も、世界ラリークロスの将来の電力化に向けてSTARDと作業を行ってきた。そして、ラリークロス、特にプロジェクトEにおける電動化のソリューションの開発に着手するという重要な段階に到達したところだ」とIMGの世界RXマネージング・ディレクター、トルベン・オールセンは語る。

「プロジェクトEのマシンに関する技術詳細を見れば、来年、革新的なデモンストレーションシリーズを同時展開する世界RX戦が、ますます盛り上がることが分かるだろう」

プロジェクトEで採用するSTARDの「REVelution」EVパワートレーンシステムは、複合発電で450kW(600bhp)を発生し、瞬間トルクは1100Nm、トップスピードは時速240km/hに到達する。

計画は、STARDのフォード・フィエスタのような現行の世界RXマシンのシャシー技術にこのシステムを使用するというもの。このコンセプトにより、現行マシンをコンバートしたり、現行規定のシャシーにREVelutionのドライブトレーンを使って新たにマシンを製作できるようになる。

大掛かりなR&Dプログラムを経て、プロジェクトEレースカーのテストは来月にも始まる予定となっており、公式なお披露目は9月の上旬に計画しているという。

6月14日のワールドモータースポーツカウンシルでは、2021年の世界RXの電動化について、修正された計画が承認された。ここでは、既存のプライベーターチームと、現行のスーパーカーの使用に焦点が当てられている。段階的に導入することで、電気自動車と現行マシンを最低1年(2021年)ミックスさせる。同一スペックのパワートレーンとバッテリーキットを4年サイクルで導入し、400〜500kWを発生する2つのモーターと組み合わせる。

また、FIAの進める電化をさらに多様化させるため、Arrive&Driveフォーマットを基本としたFIAジュニアeRX選手権を2021年に創設し、約250kWを発生する4WDマシンを使用する。

今後は、現行のスーパーカーの電化改良キット、ジュニアeRX選手権マシンとオペレーター、電気世界選手権とジュニアeRX、両選手権の充電インフラについて、入札が行われるという。それぞれ4年単位で担当し、サプライヤー候補は複数の入札に参加することができる。

ヨーロッパ選手権については、既存のスーパーカー部門とS1600部門で継続されることになった。



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