WRCラリーGB:緊迫のタイトル争い、デイ途中に設定されるパワーステージにも注目 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCラリーGB:緊迫のタイトル争い、デイ途中に設定されるパワーステージにも注目

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英国の季節が夏から秋へと移り変わろうとしている中、WRC第11戦ウェールズ・ラリーGBは、今年も何が起きても不思議ではない展開が予想されている。会期が昨年よりも3週間早くなるが、このイベントは常に予測不可能で不安定な天気の中で開催されてきた。グラベルステージは、これ以上ないというほどマディになることもあり、グリップレベルは常に変化。初開催は1932年と長い歴史を誇る、ラリー界屈指の名門イベントだ。

林道ステージは1960年のラリーから採用されてきたが、ルート構成は時とともに姿を変えて現在の形になった。さらに今年は新たな節目を迎え、国内法規が改定されたことで公道を閉鎖することが可能となり、伝統的に使われてきた林道を短い舗装区間でつなげ、距離を延ばしてさらに過酷なステージを設定できるようになった。

ウェールズ・ラリーGBは例年、チームに厳しい試練を与え、エキサイティングな走りと落ち葉が散らばる林道ステージを舞台に、白熱した選手権争いが繰り広げられる。現在、タイトル争いは三つ巴の戦いに発展している。ティエリー・ヌービルは依然として選手権首位に立っているが、ここ3戦を連勝で飾ったオィット・タナックが猛烈な勢いで追い上げを見せ、現WRCチャンピオンのセバスチャン・オジエを選手権3番手に引きずり下ろした。この3人が23ポイント差にひしめく中、今シーズン残るイベントは3戦となっている。さらにマニュファクチャラーズ選手権では、ここ数戦で大量ポイントを連続して獲得したトヨタが選手権首位に浮上。2番手のヒュンダイに5ポイント差をつけて、このラリーGBを迎える。

WRC2部門もタイトル争いが続いており、今年はシュコダ勢の一騎打ちとなった。現在首位のヤン・コペッキーはGB戦には参戦しないため、ライバルでありチームメイトでもあるポンタス・ティデマンドは獲得可能な最大ポイントを獲得してコペッキーとの差を詰めていきたいところだ。

■ラリールート

FIA

ラリーは木曜日の夜、ティア・プリンスレースウェイでのショートSSで開幕する。本格的な競技が始まる金曜日は、北ウェールズに3SSずつの2ループが設定される。Penmachnoは、部分的な使用を除けば2013年以来の設定。午前のループの終わりにSlate Mountainを2回走行した後、日中サービスに入る。長い一日となる土曜日は、昔ながらのGBらしい構成。ウェールズ中部に計150kmほどのステージが設定されるが途中にサービスはなく、日中にタイヤフィッティングゾーンが設けられる。日曜日は5SS・55kmのみ。Elsiは、これまでWRC戦には使われたことのない新ステージだ。今回は、この日の2本目、Gwydir(SS20)がパワーステージに指定されており、このステージはこの後にも再走するという、これまでとは違ったパターンの構成となっている。この後、ターマックステージのGreat Orme Llandudnoを走行した後、Llandudnoでフィニッシュを迎え、ポディウムセレモニーもここで行われる。

■ラリーデータ
開催日:2018年10月4-7日
サービスパーク設置場所:ディーサイド
総走行距離:1401.35km
総ステージ走行距離:318.34km(SS比率:22.7%)
総SS数:23

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3



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