WRCオーストラリア:ヌービル「最終日朝の天気を見た時、プレッシャーを感じた」ポスト会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCオーストラリア:ヌービル「最終日朝の天気を見た時、プレッシャーを感じた」ポスト会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCオーストラリアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。今季最終戦の最終日を劇的に変えた大雨。ラリーリーダーで迎えるこの日の朝、天気を見た時の動揺をウイナーのティエリー・ヌービルが語った。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Red Bull


1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
1位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツ)
2位:オィット・タナック=OT(MスポーツWRT)
2位:マルティン・ヤルベオヤ=MO(MスポーツWRT)
3位:ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:セバスチャン・マーシャル=SM(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ミシェル・ナンダン=MN(ヒュンダイ・モータースポーツチーム代表)

Q:ティエリー、今季最終戦、そして2017年4度目の勝利おめでとう。これまでで、最もチャレンジングなオーストラリアだったのでは
TN:かなりチャレンジングだった。今回はポディウムのチャンスはあると思っていたが、優勝争いのチャンスがあればいいなと思っていた。固く決意をして、スリッパリーなコンディションでベストを尽くすことに専念していた。タイムをロスしたステージもあったが、その後は走行順がよくなりかなり順調だった。昨晩はぐっすり寝られたが、今朝の天気を見た時にプレッシャーを感じた。雨が降れば、何が起きても不思議ではないし、自分には経験がなかった。2011年は、これまでで最悪のコンディションだったと言われていた。今朝のコンディションを見ればそれも理解できるが、ラッキーにもすべてポジティブに働き、今季4度目の勝利を飾ることが出来た。

Q:今日のコンディションはどのように難しかったか。ラトバラがブッカで差を詰めてきた後、ウェディング・ベルではアドバンテージを広げた。かなりリスクを負ったのか。
TN:うまく折り合いをつけようとしたが、ヤリ‐マティがさらにプッシュを強めてきていたので、ビッグアタックになると分かった。今朝も彼は最後の最後まで攻めていたし、的確だった。雨が降ってきた時、状況はさらに悪化してどのマシンもスローダウンした。彼にとってはまさにチャンスだった。僕らはクレバーな方法に徹して、トリッキーな場所ではあまりリスクは負い過ぎなかった。でも道が少しクリアになったら、全力で攻めた。これがうまく行き、パワーステージでの1回目の走行ではタイムを広げた。それで、最終ステージの前には14.7秒差ができたので、仕事を果たせると確信した。

Q:これでシーズンは終了だが、自分のパフォーマンスをどのように振り返るか
TN:とてもいいと思う。多くの人々に印象づけた。チーム全体も、素晴らしい仕事を果たした。世界チャンピオンにはなれなかったが、世界チャンピオンのような走りが出来たので、誇りに思う。

Q:ニコラ、今季最後の勝利を決めたことは、どれだけ重要か。
NG:まず、自分の声が戻って本当に仕事をするのがうれしかったと言いたい。GBではノートを読むのも本当に難しかった。今回は常にアップ&ダウンで、ツイスティで速くてバンプを超えて……でも、完全な状態でまた仕事をできることを大いに楽しんだし、勝つことができて大満足。とても楽しめたし、既に先が楽しみだ。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:2017シーズンについて、どう考えるか
NG:このマシンで1シーズンを過ごしたが、信じられないほど楽しめるマシンだ。言葉にするのは難しいが、クスリのようで、2、3週間マシンの中にいないと物足りなくなってしまう。これから冬になるので、難しい時期だね。このようなマシンの中にいるのは衝撃だよ。いい仕事だ。

Q:オット、最終ステージでのドラマがあり、まさかの2位! そしてMスポーツからの最後のラリーだが、そこでポディウムフィニッシュを決めた気分は。
OT:このような形でシーズンを終えるのは、もちろん重要だ。金曜日のことを考えれば、非常に難しいイベントだった。マシンがあまりシックリこなかったし、失ったパーツもありペースも落ちたが、平均して速さが出るようになり、ポディウムに近づけるだけのペースになった。全体として素晴らしいシーズンだったし、このように終えられるのは間違いなくポジティブだ。

M-Sport


Q:コンペティティブな週末だったが、どれだけタフだったか。今日のコンディションについては
OT:コンディションはトリッキーだった。一番難しかったのは、変化するコンディションを読むこと。スリッパリーな場所は超スリッパリーだったし、他のところはOKという感じ。安定してスリッパリーならOKだが、今回はいいチャレンジだった。

Q:2017シーズンはWRC初勝利をマークし、タイトル争いにも絡んだ。ここまでのキャリアでベストのシーズンなのでは。
OT:そうだね、間違いなくベストだった。自分たちのアプローチは、選手権争いにとっては適切ではなかったのかもしれない。シーズンが始まった時は初勝利を気にしていて、ポイントの獲得よりもラリーに勝つことの方に専念していた。シーズン終盤は差を詰めてセブ(オジエ)にプレッシャーをかけたが、全体としてはドライバーズタイトルを戦うには至っていなかった。モンテでは、気持ちの持ち方もターゲットも変える。違う方法でのアプローチが必要だ。常勝チームにいるのはいいことだし、プライベートチームがマニュファクチャラーズタイトルを獲得できるという姿を見るのは素晴らしい。最高のシーズンだったし、Mスポーツのみんなは本当にハードにプッシュした。いい家族だよ。

Q:来年のターゲットとは。
OT:ドライバーズタイトルを戦いたいと思っているのはお分かりだと思うし、個人的にはそれがターゲットだ。今年はいいところまで行ったので、今後、それを狙わない理由はない。もちろんチームは変わるが、トヨタでなら何にでも挑んでいけると思っている。

Q:マルティン、オットのコ・ドライバーとして、トップレベルを初めて戦ったシーズンだったが、Mスポーツで最後のポディウムでシーズンを締めくくった。いい気分では。
MJ:間違いなく自分のベストシーズンでもあった。初シーズンがベストのシーズン。ニコラも言ったように、新しいマシンの速さは特別。シーズンを通して、ノートを読むことが喜びだった。以前計算したが、今年は10戦で雨だった。ウエットなシーズンだったよ。

Q:ヘイデン、この順位は予想していなかったとのことだが、ラリーオーストラリアでポディウムフィニッシュだ。最終ステージを目撃してどう思ったか。
HP:ヤリ‐マティは不運だったし、速さだけで考えれば自分たちはポディウムにふさわしい走りではなかったが、この場を得た。雨でトリッキーになると分かっていたが、そうなることは予想していたので、肩の力を抜いて臨んだ。試練の一年をこのように終えられて、よかった。トンネルの出口の光が見え始めてきたよ。

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Q:セブ、シーズン中盤でヘイデンと組み始め、2回ポディウムに上がった。3位でシーズンを締めくくる気分は。
SM:これまでもヘイデンとはかなり長い間、仕事をしてきたが、ポルトガルでコ・ドライバーを務め始め、ポーランドで初ポディウムに上がったのは素晴らしかった。その後は試練が続いたので、それを経て初めてのオーストラリアをポディウムでフィニッシュできたのは、シーズンの締めくくりとしてハッピーな思い出になるね。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ミシェル、今年最後の優勝でシーズンを締めくくったが、2017シーズンはどう讃えるか
MN:我々のシーズンは、大きな目で見ればそう悪くはなかった。たくさんステージウインを重ねたし、4勝をマークした。残念ながらチャンピオンにはなれなかったが、そこには色々と理由がある。世界チャンピオンになるためには、どこででもパーフェクトにならなくてはならない。だからこそ、ミスやすべてのことから学ばなくてはならない。今後に向けて、強くなり続けなくてはならない。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:今年はマニュファクチャラーズ選手権で2位、来年タイトルを獲得するためにチームには何ができるか。今季、足りなかったものは何だと感じているか。
MN:細かなことがいろいろだ。耐久性が必要だ。マシンには小さなトラブルがあったし、その多くは重要なことだ。パッケージが完璧でなければ、目標に達することは出来ない。そのことに専念しなくてはならないし、今後を見据え、来年は強くならなくてはならない。

Q:タイトルを手放したのか
MN:そうは言っていない。我々はタイトルを失ったのであって、手放したのではない。言ったように、全ての側面をあらゆる方向で最善の折り合いをつけなくてはならない。マシンの側面、チームの側面、ドライバーの側面、そして我々が持っていなかったものがあったから、最終的に獲得することができなかった。でも、それは全てを閉ざして手放したという意味ではない。我々はさらに強くなって戻らなくてはならないし、将来のことも考えなくてはならない。



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