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WRCイタリア:勝田貴元がWRC2部門3位入賞

©TOYOTA

6月8-11日に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリーイタリア・サルディニアのWRC2部門に勝田貴元、新井大輝が参戦。勝田/マルコ・サルミネン組が部門3位(総合14位)で入賞を果たした。一方、新井/グレン・マクニール組は不運が重なり、リタイアとなった。同じ週末、コ・ドライバーの足立さやかは、フィンランドラリー選手権第5戦O.K. Auto Ralliにドライバーのヤルコ・ニカラと参戦したが、最初のSSでコースオフし、リタイアとなった。

ラリーイタリア・サルディニアは、様々な道のコンディションを含む。表面が目の細かいグラベルに覆われる軟らかい道の下には硬い岩や石が隠れており、路面の状況が刻々と変化する。同じステージを再走する際は、さらに岩や石が多くなり、勝田、新井にとっては前戦のポルトガルをも超える難しいラリーとなった。また30度を超える気温も体力を消耗させ、さらにチャレンジングな環境となった。

TOYOTA

勝田/サルミネン組は4日間を通し、堅実なペースでミスのない走りを貫いた。デイ3、SS11走行中にエンジンが止まるトラブルに見舞われたが、1分弱の停止の後、エンジンの再始動に成功。また、SS15ではパンクを喫したが、ステージフィニッシュまで2kmだったため、そのまま走り切ることができた。運も味方につけた勝田は、これまで積み重ねてきたトレーニングの成果を存分に発揮し、WRC2クラス3位で表彰台を勝ち取った。

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一方、新井/マクニール組はデイ1のSS1から不運に見舞われた。スタート前に起こった電気系統のトラブルによりペースノートが聞こえず、ワイパーも動かず前が見えない中での走行を強いられた。その後、リエゾンで修理を試みたがトラブルを修復できずデイリタイア。デイ2は大きなトラブルなく走行を重ね、デイ3も最初のステージから好タイムを刻んでいたものの、SS12でコースオフしデイリタイア。デイ4で再び出走したが、SS17でライン上の大きな石をヒットしドライブシャフトとサスペンションが壊れ、ラリーリタイアとなるなど、新井にとっては不運が重なる厳しい戦いとなった。

一方、フィンランド南部のコウボラを中心に行われたO.K. Auto Ralliは、9SSで構成され、ジャンプを含む高低差のある高速グラベルラリー。ニカラ/足立組はSS1の5km地点、高速セクションの中、雨で滑りやすくなっていた木製の橋でグリップを失いコースオフ、走行継続を断念した。足立の実戦トレーニングの場は、9月に持ち越しとなった。

勝田貴元
「今回のラリーは、コーナー毎にコンディションが違うことが一番難しかった。いつパンクしてもおかしくないような道がずっと続き、今までで一番タフなラリーだった。SS11でエンジンが止まったときは、もう自分のラリーが終わったかと思った。この難しいラリーを完走できたことは、大きな収穫。コ・ドライバーのマルコとのコミュニケーションは回を重ねる度によくなっていて、彼のおかげで自分が専念するべきことを貫くことができた。また、チームのおかげで、マシンに対して常に自信を持ってラリーに挑めている。いつも支えてくれているマルコ、インストラクターのヨウニを始め、チームのみんなと家族に感謝の気持ちを伝えたい」

新井大輝
「前戦に続いてのリタイアとなり、とても残念。今回はエンジニアからのアドバイスと自分の元々のドライビングを融合させることを試み、イメージが固まってきた頃にリタイアとなってしまった。ラリー中に学んだことは多かったが、結果に繋げられなかったのが残念。しかし、クリーンな走りができたステージではクラストップタイムに近いタイムを出せたことは、励みになった。チームともしっかり話し合い、次回に繋げたい」

足立さやか
「フィンランドの高速ラリーに対応するため、今回からペースノートで使う言葉を大きく変えた。新しい言葉で色々試したかったので、たった5kmでのリタイアはとても残念。コースオフの原因になった橋は木製で、突然路面が変わった。ノート自体は悪くなかったと思うが、雨を見込んでもっと注意の言葉を入れるべきだったと後悔した。今後はもっと色々なことを想定し、細心の注意を払っていく」

ヤルコ・ニカラ
「とても残念な結果に終わったが、今回のようなこともラリーにはつきもの。5km地点にあった橋はとても滑りやすく、グリップを失ってバンクにぶつかってしまった。いくつかの原因が考えられるので、何が起こったか、これからしっかり分析する」

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「チームにとっては、複雑な週末となった。これまでで一番と言えるラリーを展開した勝田は、終始堅実なペースを保ち、彼とコ・ドライバーのサルミネンがこれまで積み重ねてきた努力に値する素晴らしい結果を出した。対照的に、新井にとっては不運が重なる週末となったが、問題なく走行できた時には競争力のあるタイムを出せたことはよかったと思う。ニカラと足立のラリーはあまりにも早く終わってしまったが、自分がフィンランドに戻ったら、2人と一緒に状況や原因をしっかり分析し、今後に向けての課題を見つけたい」

WRCイタリア WRC2部門結果
1 Jan Kopecky/Pavel Dresler (Skoda Fabia R5) 3h36m36.5s
2 Ole Cristian Veiby/Stig Skjarmoen (Skoda Fabia R5) +2m16.4s
3 Takamoto Katsuta/Marko Salminen (Ford Fiesta R5) +7m01.9s
4 Yohan Rossel/Benoit Fulcrand (Citroen DS3 R5) +10m44.9s
5 Pierre-Louis Loubet/Vincent Landais (Ford Fiesta R5) +23m49.7s
R Hiroki Arai/Glenn Macneall (Ford Fiesta R5)

フィンランド選手権O.K. Auto Ralli 最終結果
1 Kalle Rovanpera/Risto Pietilainen (Skoda Fabia R5) 39m46.3s
2 Juuso Nordgren/Mikael Korhonen (Skoda Fabia R5) +27.7s
3 Marko Manty/Joni Makela (Skoda Fabia R5) +28.4s
4 Jesse Turunen/Kari Kallio (Hyundai i20 R5) +51.8s
5 Juha Salo/Jarno Ottman (Peugeot 208 T16 R5) +1m00.5s
R Jarkko Nikara/Sayaka Adachi (Subaru Impreza R4)

勝田と新井の次戦は7月14-15日にフィンランドで開催されるAutoglym Rally。高速のグラベルラリーで、2人がその後に参戦するWRC第9戦ラリーフィンランドの調整を兼ねた参戦となる。また足立は、9月8-9日に開催されるフィンランドラリー選手権第6戦Uusikaupunki Ralliにヤルコ・ニカラのコ・ドライバーとして参戦する。

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