RALLY CARS vol.16 LANCIA DELTA S4 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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RALLY CARS vol.16 LANCIA DELTA S4

世界最速のラリーカーを目指して

ランチア・ラリー“037″の後継となるべく、開発の急がれた“038”、すなわちデルタS4はデビュー直後のRACとモンテカルロで2連勝を達成。その前途は洋々と拓けていた、はずでした。

わずか1年強の活動期間ながら、残したドラマは数知れず。栄光と悲劇を纏って走り続け、数々の伝説とともに語り継がれるデルタS4。その目指したものとはなんだったか。30年以上が過ぎた今、その来た道を振り返ります。

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PLAYBACK the Rally Scene 1985-1986

デルタS4から発する熱せられた風は、新たな時代を作る息吹となるはずでした。その衝動的にさえ思えるドライビングは、果てしないパワーとスピードを誇り、見る者を否応なく熱狂の渦へと誘いました。極限まで高められたエネルギーの行き着く先にあった光景がここにあります。

Interview with Key Person

マルク・アレン

数々のラリーカーを乗り継ぎ、トップドライバーとしての名声を確率していたマルク・アレンにとっても、デルタS4は難しいクルマでした。なんとか手懐けて迎えたグループBでの最終戦オリンパスラリー。渾身のフルアタックで見事に制して、ついに悲願を達成したはずが、歓喜もつかの間、まさかの決定が統括団体からもたらされました。

コルスに死す

波乱のラリー人生を駆け抜けた若きエース、ヘンリ・トイボネン

11年・40戦のWRCキャリアで挙げた勝利はわずかに3勝。しかし、短い生涯に描かれた鮮烈なる軌跡は、グループBの凶暴性とともに人々の脳裏に焼き付いています。生粋のレーシングファミリーに生まれ、誰よりも速く駆け抜けることを運命づけられた男は、1986年5月、運命の愛機デルタS4とともにコルシカに散りました。

グループBの身体論

ランチアが満を持して送り出したデルタS4を筆頭に、グループBには多くの4WDマシンが登場しました。ミッドシップ4WDだけを取り上げてみても、ランチア、プジョー、フォード、MGと、各メーカーで独自の方式が採用されています。そこに透けて見えるそれぞれの思想や事情を、三菱で多くの車両開発に携わった稲垣秋介氏が読み解きます。

そのマシン、獰猛につき

ランチア・デルタS4のコンセプトをさらに推し進めた実験車両、それが2010年のラリーレジェンドで走行を行ったECVです。開発に深く携わったクラウディオ・ロンバルディの談話と、その後登場したECV2にまつわる、知られざるストーリーです。

イラストで見る、ランチア・デルタS4 WRC全記録

85年最終戦RACラリーに登場し、デビューウインを飾ったランチア最後のグループBマシン、デルタS4。すさまじいスピードを誇りながらも、トップドライバーですら手を焼くじゃじゃ馬は、ツール・ド・コルスにおけるトイボネンとクレストの痛ましいアクシデントをも引き起こしてしまいました。

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