ラリーレポート:第12戦スペイン – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ラリーレポート:第12戦スペイン

 

 WRC第12戦ラリースペインの舞台は地中海に面するリゾート地サロウ。50回という記念すべきイベントは、今シーズン唯一のミックスサーフェイスとして開催される。
 ラリーは23日木曜日にバルセロナ市街地を走行するショーステージで幕を開けた。3.20kmのSS1を制したのはフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン。1.8秒差でチームメイトのセバスチャン・オジエが続く。
 翌木曜日は、サロウ西のグラベルステージ群を走行。午前中のセクションは有利な後方スタートのクリス・ミーク(シトロエン)、ヘイデン・パッドン(ヒュンダイ)がベストを獲得するが、SS4でオジエが今回初のベストを奪取し、首位に浮上する。2番手にはティエリー・ヌービルが8.4秒差で続く。なんとか選手権タイトルの望みをつなぎたいヤリ‐マティ・ラトバラだが、ペースが上がらずトップから24.2秒も遅れた7番手に沈むこととなった。
 2番手のヌービルはSS6でベストを刻み、オジエとの差を4.6秒に縮めるが、直後のSS7でダストに視界を奪われ、痛恨のコースオフ。岩にタイヤをヒットし、ステージ中での交換を余儀なくされてしまう。これでヌービルは9番手にポジションダウン。代わって、このステージでオジエに続く2番手タイムを記録したラトバラが2番手に順位を上げた。不利が予想された初日のグラベルを首位で終えたオジエは「良い仕事ができた。ずっと攻め続けたんだ」と満足そうに振り返った。
 
ラトバラ、舗装で渾身アタックも届かず

 金曜日夜に設けられた75分の最終サービスで、舗装用にサスペンションの変更を受け、クルーは土曜日からのターマックセクションに挑む。先日のラリーフランスで舗装イベント初勝利を手にしたラトバラは、「このサーフェイスで自信を持って走れるようになった。グラベルのことは忘れて、目の前のステージのことだけを考えている」との言葉通り、6SS中4SSでベストをたたき出し、オジエとの差を10秒近くも縮めてみせる。SS13を終えて、首位オジエと2番手ラトバラの差は27.3秒。ラトバラが接近しつつある状況にも「30秒近くのアドバンテージがあれば十分だ。焦るのは差がなくなってからでも遅くない」と、オジエは余裕のコメント。
 その言葉どおり、オジエは最終日に残された72.06kmのステージも完璧なペースで走り切り、シーズン7勝目を獲得。昨シーズンに続き、自身2度目となるドライバーズタイトルも手にした。
「最高の気分だよ。今シーズンの目標をようやく達成できた。これ以上にうれしいことはない」と、オジエはフィニッシュ後に喜びを爆発させた。最終のパワーステージを獲得したラトバラだったが、オジエには11.3秒届かなかった。「最後まで諦めずにプッシュしたけれど、追いつけなかったね。セブには心からおめでとうと言いたいよ」と、チームメイトの連覇を祝福した。3位に入ったのは、ベストタイムこそなかったものの、自身のペースを守ったミッコ・ヒルボネン(Mスポーツ)、4位にはマッズ・オストベルグ(シトロエン)、5位は地元スペインのダニ・ソルド(スペイン)が入っている。



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