【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】最高の結果になったドイツ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【アンドレアス・ミケルセンのWRC奮闘記】最高の結果になったドイツ

 

皆さん、コンニチハ。

今回の日記の出だしは「イエス!」にしたいと思う。ヤッタ! という意味での「イエス!」だ。

僕らにとってドイツでの結果は大成功だったよ! 「僕ら」というのは、いつもは「オーラと僕」という意味だけど、今回に関してはヤリ‐マティ(ラトバラ)とミーカ(アンティラ)、セブ(オジエ)とジュリアン(イングラシア)も含むんだ。これまでドイツでは散々な結果しか残すことができなかったけれど、チームとしてやっと表彰台独占を達成することができた。心から安堵できたし、これはフォルクスワーゲンモータースポーツのチームスタッフ全員と一緒に勝ち獲った結果だ。このチームに所属できて最高に誇りに思えるよ!

SS“アリーナパンツァープラッテ”。毎年本当に大勢の観客が詰めかける名物ステージで、最高の雰囲気だよ。

SS“アリーナパンツァープラッテ”。毎年本当に大勢の観客が詰めかける名物ステージで、最高の雰囲気だよ。

チームにとって、これまでドイツで表彰台を獲得したのは僕とオーラだけだった。セブとヤリ‐マティは2年連続で不運な結果に終わったが、2014年には僕とオーラがなんとか総合3位に入ったんだ。だから今年は僕たちにとってポロに乗って2年連続の表彰台獲得ということになるね。イベント前にはそれについてチームメイトたちと冗談を言い合っていたけれど、実際にラリーが始まると僕らはしっかりとした目標に向かって焦点を定め、集中した。チームの名誉がかかっていると全員が感じていたから、皆でなんとかチームのために優勝したいという気持ちが高まっていた。日曜日の午後にそれを達成した時の喜びは想像してもらえるよね?!

久しぶりにターマックを走るのも良い感触だった。グラベルイベントが何戦も続いたあと、舗装路に戻ることはやはりそれなりに心配なものだ。再び慣れるまでにどれくらい時間がかかかるかとか、リズムとスピードを取り戻すことができるのだろうかとか、いろいろ考える。ターマックでのドライビングはグラベルと比べるとまったく違うものだ。車高は低く、サスペンションは固く、速度は高く、度胸さえあれば最高のグリップを使うことができる。なぜ度胸が必要かというと、グリップを失うとコースに戻ってくるための余地が存在しないため、どこかの畑に一直線か、葡萄の木々をなぎ倒す結果になってしまうからだ。

EVENマネージメントのスポーティングディレクター、ロイ・スネリンゲンとスプリットタイムを分析しているところ。

EVENマネージメントのスポーティングディレクター、ロイ・スネリンゲンとスプリットタイムを分析しているところ。

ラリードイツが特別なのは、3種類のラリーが組み合わさっているという理由もある。モーゼル川の葡萄畑で行われるステージはひたすらコーナーの連続でリズムをとる時間すらない。それからステージは軍事演習場に移る。路面はコンクリートで、ヒンケルシュタイン(戦車の脱輪防止用に置いてあるコンクリートの塊)がコース脇に並んでいる。コンクリートは雨が降るとものすごく滑りやすくなるし、ヒンケルシュタインにぶつかったら最後だ。そして3つ目は森林や野原を巡る美しいステージだ。場所によってはとても速度が上がるため、コーン代わりに干し草の俵が置いてあって減速用のシケインとなっている。木陰にはまだウエットな場所があって、滑らないように気をつけなくてはならない。

このような干し草の俵でできたシケインが多く設置されている。それほど速いペースになるということだ。

このように干し草の俵でできたシケインが多く設置されている。それほど速いペースになるということだ。

あまりに高速だし、コーナーをカットして泥やグラベルが掻き出された場所があるととても滑りやすくなるので、ルートノートクルー(セーフティークルー)の存在が重要になってくる。ルートノートクルーは僕らが走る前にステージを走行する。彼らには僕らのペースノートのコピーが渡され、レッキ後に路面のコンディションなどが変わった場合には彼らが情報を伝えてくれる。そしてコンディションはいつも変わっているものなんだ! 彼らの仕事は良い結果を出すためにとても重要で、彼らのおかげで僕らはこれ程までに速く走ることができると言える。僕らのルートノートクルーはベルント・コレヴォルドとティモ・アランネのコンビだ。ベルントは僕が所属するEVENマネージメントの同僚で、経験豊富なラリードライバーだ。彼はトヨタ・セリカのオーナーで、時々ノルウェーラリー選手権に出場している。ティモ・アランネは素晴らしいフィンランド人コ・ドライバーだ。ベルントとティモは僕とオーラととても相性がいいし、今回の結果は彼らの正確な情報のおかげでもあるんだ。

ルートノートクルーのベルント・コレヴォルド(ドライバー)とティモ・アランネ(コ・ドライバー)

ルートノートクルーのベルント・コレヴォルド(ドライバー)とティモ・アランネ(コ・ドライバー)

コ・ドライバーのオーラ・フローネはルートノートクルーと電話で連絡を取り合ったあと、ペースノートを修正しなくてはならない。しかし必ずしもデスクの上で書き取ることができるわけではないんだ。これがWRCの大変なところでもあり、面白いところでもあるよね。

コ・ドライバーのオーラ・フローネはルートノートクルーと電話で連絡を取り合ったあと、ペースノートを修正しなくてはならない。しかし必ずしもデスクの上で書き取ることができるわけではないんだ。これがWRCの大変なところでもあり、面白いところでもあるよね。

次はオーストラリアで、再びグラベルラリーとなる。実は僕はヘビは恐いんだけれど、オーストラリア、そしてオーストラリアで開催されるラリーは大好きだ。もしかしたら僕らにとって初勝利の舞台になるかもしれないしね!

フォルクスワーゲンモータースポーツは毎年ドイツのイベントでバーベキューを行う。今回は僕も子豚の丸焼きをカットするお手伝いをしたよ。

フォルクスワーゲンモータースポーツは毎年ドイツのイベントでバーベキューを行う。今回は僕も子豚の丸焼きをカットするお手伝いをしたよ。

ではまたラリー・オーストラリア後のブログで。
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アンドレアス



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