WRCドイツ:プレ会見「このラリーが怖かったこともある」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCドイツ:プレ会見「このラリーが怖かったこともある」

©VOLKSWAGEN

WRCドイツのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。フォルクスワーゲンが唯一勝利を逃しているドイツ戦に、恐怖感を感じていたこともあると吐露したオジエ。自信とフィーリングをつかんでいる今年は、チームの母国初勝利に向けて迷いなく臨む構えを見せた。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・モータースポーツII)
ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ・モータースポーツ)
マッズ・オストベルグ(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
エルフィン・エバンス(MスポーツWRT)

Q:
セバスチャン、今戦は計算上ではドライバーズタイトルを確定させることのできる最初のチャンスだが、条件は厳しい。このことは意識しているか。
オジエ:
まったくしていない。そう考えてもらえるような位置につけているのは、いいことだ。心の中のどこかにはある。タイトルと獲得することはシーズンの一番のターゲットだからね。でも、計算上のチャンスでしかない。それが実現するにはたくさんの条件が揃わなくてはならないし、自力だけではできないものもある。このラリー自体、非常に難しいから、ラリーに集中していきたい。ここ数年はトラブルが続いているイベントだが、それを取り戻したい。その上で、この先のイベントのどこかで選手権争いも決まってくればうれしいね。

Q:
この2年、ドイツ戦は君やフォルクスワーゲンに厳しかったと言っていい。準備段階でこれまでとは違うことは行ったか。
オジエ:
唯一変えるべきなのは、簡単なことだ。道の上に残り続ける。レッキ中は、いつもよりも集中できていたと思う。ミスを正そうとする時は、モチベーションもより高まる。もちろん、自分のためでもあるが、チームのためでもある。ここでは、運も大きな武器になるからね。僕たちが選手権でまだ勝利を飾っていないのは、ここだけ。フォルクスワーゲンにとって、残念なことだよ。だからアンドレアス、ヤリマティ、そして僕はどうしても勝ちたい。ここでハッピーな僕を見るとすれば、それが達成できた時だ。僕ができなかったとしても、他の二人が果たしてもらいたい。

Q:
過去には優勝もマークしているので、その術は知っている。このイベントについての考え方は。
オジエ:
これまではこのラリーに来るのが少し怖かったことが度々あった。特に天気が変わった時など、本当に難しいラリーだからね。でも、今はとても自信があるし、天気はいい。ここ数戦でのリザルトもいいから、格段にいいフィーリングでドイツに入ったよ。これまでのように後ろ向きではなく、前を向いていける気分だ。何かが違うとすれば、いいフィーリングをつかんでいること。テストはとても順調だったし、マシンも昨年よりさらに気に入っている。そのすべてがあるから、とてもポジティブになっているよ。

Q:
ティエリー、昨年は初優勝という最高の思い出が残っている。再びドイツ戦を迎えた気分は。
ヌービル:
かなりスリリングだよ。本当にいい思い出だからね。ドイツでは、この2年間、優勝争いをしてきた。2013年は勝てなかったが、去年は勝つ事ができた。ヤリマティはとても速くてリードしていたが、コースオフしたから、僕とクリス・ミークの争いになり、ついに僕が勝った。このラリーではいつもフィーリングがいいから、今年も勝つ事ができるか、楽しみだよ。

Q:
今年は、現実的な目標はなんだと感じているか。
ヌービル:
去年以上にいい走りをするのは難しいね! 自分のペースだけで優勝を狙う事はできないが、ポディウムには上がりたい。ここ数戦は悔しい内容が続いているから、いいラリーがしたいね。舗装戦を迎えて、うれしいよ。チームは今回、4台をエントリーしているから、ここでいいラリーをするのはチームにとってもいいこと。チームにとっては4台それぞれを管理するのは大変な仕事だが、いいリザルトを収めるのはチームの目標でもある。

Q:
ミシュランはドイツで新しいターマックタイヤを投入するが、テストを行っての感想は。
ヌービル:
他はどうか分からないが、僕らはテストではかなりタイヤが制限されていた。でも少なくともテストすることはできた。もちろん、ミシュランはさらに改良されたよ。ステージタイムはよくなるはずだと思うが、パンツァープラッテではタイヤマネジメントはこれまで以上に重要になる。

Q:
2016年型i20の開発はどんな具合か。トップ争いができる仕上がりになると思うか。
ヌービル:
もちろん、そうであって欲しいね! 予想よりもかなり遅れてモンテカルロでの投入を目指しているが、人生はそんなもんだ。懸命に取り組んでいる。まもなくテストが始まるが、速くなれるだろうと思っているよ。でも、モンテカルロまでにやることは残っている。

Q:
マッズ、ポイントを重ねて選手権争いではいい位置につけている。今季はいい内容になっているが、シーズン後半はさらにいいリザルトを期待できるか。
オストベルグ:
それを語るのは難しいね。確かに今年は安定している。2位、3位も獲得するなどリザルトもいい。思うような走りがかなりできている。シーズン前半は、自分のためにもとにかく安定して走りたかった。ここからシーズン後半は、その流れをつないでいきたいね。特に舗装戦は少しチャレンジングになる。

Q:
先週はテストで400km走り込んだ。順調だったか。
オストベルグ:
そうだね、いいテストだったよ。自分の走りに集中していた。400km走ったので、かなり大仕事だったが、楽しかったよ。ターマックでの自分の走りを改善し、かなりチャレンジングな今回のラリーに備えたかった。シェイクダウンでもいいフィーリングをつかめた。特に1本目はすごくよかったから、この感じを続けていきたい。

Q:
トップ争いをして優勝を狙うという点で、今季後半期待してもいいか。
オストベルグ:
そう思うよ。でもこのラリーではない。シーズンのもっと後になると思う。たぶんグラベル戦かな。だからオーストラリアが次のチャンス。その後、スペイン、ウェールズは、これまでも僕が得意なラリーだ。

Q:
これまでは、ステージのタイプ毎にデイが分かれていたが、今年はミックスされている。これはよりチャレンジングになるか。
オストベルグ:
間違いなくそうなるね。通常はサービスを挟んでマシンを調整できるが、それがステージの間にセットアップ、ドライビングスタイルを変えなくてはならなくなる。特にバウムホルダーとパンツァープラッテだね。考え方を変えなくてはならない。

Q:
来年についての話だが、シートを維持できる自信はどれだけあるか。来年のシートを確保するための戦略はなんだと考えるか。
オストベルグ:
今季はまだ先が長い。シーズン後半が悪い内容になれば状況もよくなくなる。でも、後半いい走りができる自信があるので、そうなれば走れるだろうね。

Q:
エルフィン、このイベントではいい記録を残している。WRCアカデミー部門では優勝を飾り、昨年は非常にいいタイムをマークして、パワーステージも勝った。今年の目標は。
エバンス:
準備段階ではすべてうまく行ったし、テストもよかった。すべて順調だから楽しみにしているよ。

Q:
今回は新型フィエスタの舗装デビューとなるが、テストはどうだったか。昨年のマシンと、舗装での走りは変わったか。
エバンス:
このマシンをドライブすることは、それほど変わりはない。一番大きな変化はエンジンだが、サスペンションとジャンプでのハンドリングはすごく似ている。各所には、改良が行われている。最善の仕事をして、どの位置につけるかを見守りたい。

Q:
ここまで厳しい内容のイベントもあり、テクニカルトラブルや、フィンランドでは巨石にヒットした。流れを取り戻すためのプランは。
エバンス:
フィンランドではペースはよかったが、順調には行かなかった。それまでの4戦の後にあの石のヒットだったから、すごく残念だった。でも大切なのは、悪い事は忘れて今回のドライビングに専念することだ。

Q:
今回の戦略は。
エバンス:
難しいラリーになる。争いも激しくなると思うが、少なくともポディウムに上がるのが目標。全力を尽くして、どんな結果がついてくるかを見たい。

Q:
来年についてはどうか。契約についてプレッシャーはあるか。
エバンス:
プレッシャーは常にあるし、シートを確保するにはいい走りをしなくてはならない。それが現実だ。いい仕事をすることにとにかく専念するだけ。



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