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【動き始めたトヨタWRC】トミ・マキネンに直撃インタビュー! 「2019年までにWRCのタイトルを」<後編>

 

トヨタWRC参戦チームの代表に任命されたトミ・マキネンに、ラリーフィンランドで直撃インタビュー。前編はこちら

──しかしトヨタのWRC参戦方針はTMGが決めることではありませんよね?
「TMC、TMGとTMRの三者が協力していくことになるだろうね」

──これまではエマヌエーレ・バティスティがヤリスWRCプロジェクトのデザイナーであり、シリル・ジュルダンがチーフエンジニアを務めていました。彼らはあなたが新しく構成している組織に入りますか?
「それはまだ決まっていない。それについてはあまり話し合っていない。彼らがTMGに残ることになっても驚くべきことではないだろう」

──現在のヤリスWRCのプロトタイプに関する作業は中止されていますか?
「エンジンのテストは継続している。17年用の最終バージョンが完成するのを待ちながら、実際の走行テストを続けるのは悪いことではない」

──あなたの組織にはWRCプロジェクトの責任者が設置されますか?
「我々にはデザイナーチームがすでに存在し、それを進化させていくつもりだ」

──TMRには何名のエンジニアとデザイナーが必要だと思いますか?
「全員で10名以上は必要だ。もう少し多いかもしれない。ニーズに合わせて対応していく」

──TMRにはエンジンベンチは必要ないかもしれませんが、トランスミッションやサスペンションのテスト用設備は必要になるのではないですか?
「それはすでに存在する。それにサプライヤー各社は、自分たちのソリューションをテストする独自の方法を持っている。我々の目標はできるだけ早い時点で最初のプロトタイプのテストを開始することだ。それは丸々一年のテストを行うために16年初旬からスタートする」

──あなたがテストドライバーのトップとなりますか?
「トップになるかは分からないが、僕もドライブするだろう。僕もそれなりのキャリアがあるし、競争力のあるラリーカーを作るためにはどのようなサスペンションやトランスミッションの組み合わせが必要かを理解している。もちろんすべてエンジニアたちやテストドライバーたちと一緒に決めていく。共同作業とすべての情報の共有が僕の取り組み方だ」

──TMGは若手ドライバーの選抜、さらに現在エリック・カミリとテーム・スニネンが参加しているヤングドライバー育成プログラムを行っています。そのプログラムの将来はどうなりますか?
「このプロジェクトについて検討する時間はまだ取れていないが、トヨタにとっての優先事項のひとつは若手ドライバーを育成していくことだ。日本でも育成プログラムが始まっており、2名のドライバーが選ばれたのはご存じのとおりだ。我々は彼らをWRCに連れて行くことができたらいいと思っている」

──しかしWRCに出場するドライバーを育成するのにはずいぶんと長い時間がかかりますよね?
「そうだ。我々はR5カテゴリーの車両が不可欠であると考えており、可能な限り早い時点で車両をデザインし、公認取得をしようと真剣に考えている。それまでにもし逸材を見つけることができたとしたら、そのドライバーと長期契約を結ぶことも考えられる」

──現在のWRCトップドライバーたちと契約することは視野に入れていますか?
「もちろんだ。早い時点で結果を出したいのであれば、トップドライバーたちと接触していく必要がある。問題はその数があまり多くないことだ」

──それらの“逸材”を雇用するための予算は確保できますか?
「僕は彼らのマネージャーたちと話をして、どのようなことが可能なのかを話し合うつもりでいる。彼らを説得するための最善の策は、トップドライバーたちが我々のチームの恩恵を受けたいと思い、チームに加入したいと思うことだ。そのために、我々は最高のラリーカーを作らなければならない。そして同時に、R5を使って才能ある若手ドライバーの育成を行っていく」

──若手を育成することは、すなわちWRCへの長期的な参戦を選んだことを意味しますか?
「WRCの技術規定が有効である期間は6年となる。すなわち、我々は22年末までは参戦することになるだろう。また、20年は東京でオリンピックが開催され、トヨタがそのメインパートナーとなるため特に重要な年となる。我々の目標はその時点でWRCのタイトルホルダーとして選手権に出場しているというものだ」

──するとトヨタは19年にタイトルを獲らなくてはなりませんね。
「それほどまで待たないというのが我々の希望だ」

──これから数カ月、そして数年間のスケジュールについてもう少し具体的に教えていただけますか? 8月半ばにあなた方はプッポラにある現在のファクトリーで最初のWRCプロトタイプを製造するわけですよね。その後、あなた方は最終的にベースとなる場所を決定します。あなたの考えでは、それはいつ準備が整うのでしょう? 16年の序盤ですか?
「そこまで急ぐ必要はない。競技デビューを見据えて16年6月までに準備ができればいい。それはあらゆるパーツ、設備、車両、必要なコンテナなどを製造するために完璧なファクトリーとなるだろう」

──その時点であなた方は少なくともひとりの“トップドライバー”を起用するわけですね。
「そうなればいいと思っている。僕は現在の契約状況を調べている。その情報に応じて、トヨタの経営陣たちと合意のもと決定を行っていく」

──あなた方は16年の時点で、来たるべき17年型WRカーの開発ができるベテランを雇用するのでしょうか?
「それはまだ分からない。17年のワークスドライバーたちは、あらゆる路面の経験を積むために16年にWRCにフル参戦していることが望ましいと思っている」

──どのくらいで最初の表彰台、そして勝利を獲得できると思いますか?
「もちろんすぐに優勝したいよ! しかし現実的に考えなくてはならない。我々はまず実際の競技コンディションにおける経験を積む必要がある。現時点でどの程度の時間がかかるかを判断するのは難しいが“できるだけ早く”結果を出すことを目標としたい」

──現在のベストドライバーはセバスチャン・オジエです。彼には接触しますか?
「僕は現在の状況を完璧に把握している。僕はドライバーだった頃にはコクピットの中から、そして現在は外部からそれを体験している。僕はWRCでドライバーがいかに重要かということを理解しており、我々にとってどのようなドライバーがベストなのかということを知っている」

──現在、ヒュンダイモータースポーツには約130名の従業員がいます。トヨタのWRC活動が軌道に乗った時点でどのくらいの人数が必要になると思っていますか?
「チームによって仕事への取り組み方は異なる。それは我々自身がどの程度のパーツを製造するか、そして信頼できるサプライヤーとどの程度の合意をするか、という割合による。すべては自分たちがいかに組織を作っていくかということだ。ヒュンダイほどの人数は必要にならないのではないかと感じている」

──80名くらいで十分なのでしょうか?
「正確な数字を挙げることは不可能だ。すべてはどの程度のことを行っていくかにもよる。ロジスティクス、ホスピタリティ、マーチャンダイジング、ドライバー、レッキチームなど、ラリーで戦ううえで必要な部分が存在する。再び言うが、我々は素早く対応し、リソースはニーズに適応させるということだ」

──現時点でのあなたの直属のスタッフの名前を挙げることはできますか?
「すでに雇用された人も、まもなく契約が整う人もいる。近日中にプレスリリースが発表され、そこで数名の名前が明かされるだろう。組織図は着々と決定しつつあるが、それぞれのポジションが明確になるまで僕としては名前を出すことは控えたい」

──それはWRCの世界で名が通った人たちですか?
「もちろんだ! 僕はその能力をきちんと理解している人たちで自分のまわりを固めたい」


ファンにとっては待ちわびた日本のマニュファクチャラーのWRC復帰。今後もRALLYPLUS.NETではトヨタのWRC活動を応援していく。



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