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WRCアクロポリス:WRC2は同タイムフィニッシュ。規定によりサミ・パヤリが今季3勝目

©Red Bull

9月8日にフィニッシュを迎えたWRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)、WRC2部門はサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、最後の最後でドラマに見舞われながらも今季3勝目をマークした。

2番手で追うロベルト・ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)に28.5秒のリードを築いての首位で最終パワーステージを迎えたパヤリ。しかし、選手権屈指の難関グラベルイベントは、最後の最後まで気を緩めることを許さなかった。フィニッシュまで残り5kmというところで、パヤリのGRヤリス・ラリー2の左フロントタイヤがパンクしてしまったのだ。これにより、ここまでのギャップをどんどん吐き出してしまうパヤリ。フィニッシュラインを越えた時点では、なんとビルベスと同タイムとなった。

レギュレーションでは、タイブレイクになった場合はラリーの開幕ステージでタイムが速かった方が勝利と規定していることから、SS1でベストタイムをマークし、ビルベスよりも19.7秒速かったパヤリに軍配が上がった。

「フィニッシュまで5kmくらいのところで、パンクに気付いた。一番いい選択肢は、止まってタイヤ交換するのではなくこのまま走り続けることだと分かっていた」と語るパヤリ。
「フィニッシュラインを越えてすぐ、結果がどうなったのか把握している人はいないかと見回してみたけど、誰も分からなかった。自分たちが勝ったと分かるまで数分かかったけど、ものすごくホッとした。ロベルトとは、素晴らしいバトルができた。特に、こんなにタフなラリーだったからね! この勝利は、選手権争いの上でもとても重要。そしてラリーでは、0.1秒も大切だということだね」
タイトルの可能性を残すためには、このアクロポリスでの勝利が必須だったパヤリ。これで選手権争いでは、今戦をスキップした首位のオリバー・ソルベルグに3ポイント差に迫った。

一方、ビルベスもまた、このパワーステージではシフトレバーのトラブルに見舞われていた。
「ギヤシフトに小さな問題があって、完全に壊さないように抑えなければならなかった」とビルベスは状況を説明している。

SKODA

3位には、ふたりに30.8秒差のヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が入った。ロッセルは、金曜日は圧倒的な強さを披露していたが、この日最後のSS6でタイヤ交換を強いられ、優勝争いから脱落した。

Red Bull

カエタン・カエタノビッチ(ファビアRSラリー2)が4位、ファブリツィオ・ザルディバール、ジョシュ・マクリーン(いずれもファビアRSラリー2)が、それぞれ5位、6位でフィニッシュした。

パヤリは、WRCチャレンジャーでもトップフィニッシュ。ドイツのアーミン・クレマー(ファビアRSラリー2)は、WRCマスターズカップを制した。今季ここまでの参戦5戦をすべて勝利で並べたクレマーは、ここでタイトルが確定した。

WRCアクロポリス WRC2最終結果
1 S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) 3:45:05.3
2 R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +0.0
3 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +30.8
4 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:52.9
5 F.ザルディバール(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:26.8
6 J.マクリーン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:26.1
7 R.ダプラ(シュコダ・ファビア・ラリー2Evo) +6:43.8
8 J.ソランス(トヨタGRヤリス・ラリー2) +12:21.6



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