2024年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「2024 ARK ラリー・カムイ」は、7月7日(日)に6カ所のスペシャルステージを走行し、トップカテゴリーのJN-1クラスは、新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)が、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)に1分00秒8差をつけてシーズン4勝目を飾った。1分13秒6差の3位には奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス・ラリー2)が入っている。
ラリー2日目は「NEW SUN-RISE(3.64km)」、「STREAM(9.11km)」、「ORCHID SHORT(12.31km)」の3ステージを、サービスを挟んでリピートする6SS、50.12km。SS9/SS12として行われるORCHID SHORTは、今回最長の12.31kmを走行するだけでなく、前日の「MAGNOLIA REVERSE」同様に舗装セクションが含まれており、特に路面が汚れる2回目の走行では注意が必要となる。
前日に続き、この日も朝からサービスのニセコアンヌプリ国際スキー場駐車場は雨が降っており、コンディションはウエット。首位の新井大輝は、初日だけで2番手の勝田に26.3秒のアドバンテージを確保しているが、それでも「タイトルのためには、デイポイントも獲らなければならない」と、ペースを緩めるつもりはない。
その言葉どおり、新井大輝はオープニングのSS7では奴田原に2.4秒、勝田に2.8秒差をつける一番時計。このステージでは前日まで3番手につけていた新井敏弘/井上草汰(スバルWRX S4)が、ブレーキが効かずにコースオフを喫し、30秒近くのロス。これで新井敏弘は総合5番手にドロップし、代わって奴田原が3番手、福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が4番手に順位を上げた。
新井大輝はSS8、SS9でも連続ベストを並べ、2番手勝田との差を41.7秒に拡大。午前中の全SSでセカンドベストを記録した奴田原が、勝田との差を10.3秒に縮めている。以下、総合4番手に福永、総合5番手に新井敏弘、総合6番手にヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGRヤリス・ラリー2)、総合7番手に鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)のオーダーで続く。
サービスを挟んだ午後のセクション。雨は止んだものの、依然として滑りやすいコンディションのなか、新井大輝は残された3本のSSでもベストタイムをマーク。特に最終のSS12は電装系トラブルの兆候に見舞われながらも、スピードを緩めることなく走り切り、2位の勝田との差を1分00秒8にまで広げている。
久々のグラベルラリーでの勝利に新井大輝は「改善点はまだありますが、その中でもまとめることができました。もっと速く走らせるためにどうすればいいのか、具体的に理解できたのは大きな手応えになりました。あらためてファビアR5はバランスの取れた、すごくいいクルマだと実感しています」と、笑顔で語った。
勝田はSS10こそコバライネンに2番手タイムを奪われたものの、SS11、SS12とセカンドベストを刻み、奴田原を突き放して2位でフィニッシュ。しかし、新井大輝に1分以上も離されたことを受けて「マシンのポテンシャルはあるんですが、僕がそれを出し切れていない感じがしています。ラリー北海道に向けて、セッティングだけでなく、ドライビングも含めて、色々と考え直していきたいと思っています」と、悔しさをにじませた。
奴田原は前日からひとつ順位を上げて、1分13.6秒差の3位表彰台を獲得。「今回、勝田選手と同じレベルで走れるようになったので、それ以上のスピードで走るにはどうすべきか、ラリー北海道に向けて考えます」と、収穫を語っている。
1分42秒4差の4位に福永、表彰台圏内を守れなかった新井敏弘は1分57秒4差の5位。鎌田は前日からひとつ順位を上げ、3分37秒6差の6位でラリーを終えた。今回、GRヤリス・ラリー2初ドライブとなったコバライネンは、最終SSでブレーキトラブルに見舞われてスローダウン、首位から9分46秒5差の11位ながらも、復帰戦を走り切っている。