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WRCポーランド:競技3日目、6SSを制したカッレ・ロバンペラがアンドレアス・ミケルセンから首位を奪う

©TOYOTA

2024年シーズンWRC第7戦ラリーポーランド(グラベル)は、6月29日(土)に7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが、ヒョンデのアンドレアス・ミケルセンに9.4秒差の首位。勝田貴元(トヨタ)は、1分41秒9秒差の総合8番手につけている。

土曜日は、ミコワイキ北東に設定された「Swietajno(18.50km)」、「Goldap(19.90km)」、「Czarne(22.40km)」の3SSを走行後、ミコワイキへと戻って「Mikolajki Arena 3(2.50km)」を実施。サービスを挟んで、午前中の3本をリピートする7SS、124.10km。ラリー最長の1日となる。

金曜日は複数のステージで観客の安全性確保が問題となり、全クルーの走行を行うことができなかった。そんな中、首位のアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)、総合2番手のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)、総合3番手のエルフィン・エバンス(トヨタ)が2秒差以内の接戦を展開。さらにMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーとマルティン・セスクスも約7秒差で3台を追う。また、前日のSS2でリタイアしていたヒョンデのオィット・タナックがマシンを直し、リスタートを果たした。

Red Bull


オープニングとなったSS9も、タナック、勝田貴元(トヨタ)、ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が走行した段階で、安全上の理由からまたも中断。その後、観客の安全が確保され、走行が再開されることになった。

このステージでベストタイムをマークしたのはロバンペラ、0.9秒差のSS2番手タイムにエバンス、1.3秒差のSS3番手タイムにミケルセンが続く。総合タイムではミケルセンが首位をキープしたものの、ロバンペラが0.5秒差、エバンスが1.6秒差とジリジリとその差を詰めてきた。総合4番手のフルモーは9.7秒差、総合5番手のセスクスは15.8秒差と、首位争いから一歩後退している。

SS10もロバンペラがエバンスを、わずか0.3秒しのぐ連続ベスト。ミケルセンは思うようにペースが上がらず、5.1秒差のSS5番手タイムに沈み、総合3番手にドロップ。これでロバンペラがエバンスに1.4秒差をつけてトップに立った。後方では初日先頭スタートに苦しんだヌービルが、グレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)をかわして6番手に浮上。「フルモーまでは可能性がある」と、ヌービルは先を走るMスポーツ・フォードのふたりを射程に捉えたか。

SS11はミケルセンがベストを獲り返し、1.1秒差でエバンス、2.4秒差でロバンペラ。首位ロバンペラとエバンスの差は0.1秒、ミケルセンも2.2秒差に戻してきた。3本のSSを走行したクルーはミコワイキに戻り、木曜日、金曜日に続き2.5kmのSS12「Mikolajki Arena 3」を走行する。

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SS12はロバンペラがこの日3度目のベストを記録し、エバンスとの差を0.4秒として午前中のセクションを終えた。ミケルセンは首位の座をこそ失ったものの、ロバンペラから2.7秒差の総合3番手につけており、まだ分からない。15.9秒差の総合4番手にフルモー、30.7秒差の総合5番手にセスクス。セッティングを大きく変えて挑んだ勝田は1分6秒8差の総合8番手と、こちらはなかなかペースが上がらない。

ミコワイキのサービス後、タナックがスーパーサンデーポイントでの獲得を目指し、マシンを労わるために、再度リタイアを決めた。午後のセクション、オープニングのSS13で総合2番手を走行していたエバンスが右リヤタイヤにダメージ。「どこで起こったのか、分からない……」と肩を落としたエバンスは、このステージだけでベストのロバンペラから8.9秒も遅れ、総合3番手に順位を落とした。これでミケルセンが2.8秒差の総合2番手に浮上している。

SS14もロバンペラが連続ベスト。対するミケルセンは2.4秒及ばず、ふたりの差は5.2秒に拡大した。「カッレはいい走りをしたね。ここは全力で行くべきか、抑えるべきか判断するのが難しいコーナーがたくさんあるんだ」と、ミケルセンは唇を噛む。

ロバンペラはSS15も制し、この日行われたSS11以外の全ステージでベストタイムを獲得。終わってみれば、総合2番手につけるミケルセンに対するアドバンテージを9.4秒とした。

SS13でのタイヤトラブルが響き、優勝争いから脱落したエバンスは16.1秒差の総合3番手。以下、37.0秒差の総合4番手にフルモー、58.2秒差の総合5番手にセスクス。先頭スタートから解放されたヌービルは総合6番手ながら、セスクスとの差を0.1秒にまで縮めみせた。勝田は1分41秒9差の総合8番手と、順位を上げることができず。それでも「ペースは決して良くありませんが、将来のためにいい経験ができました」と成果を語っている。

TOYOTA


競技4日目はSS16〜SS19の4SS、SS走行距離は63.06km。オープニングのSS16は、日本時間6月30日の16時にスタートする。

WRCポーランド SS15後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:00:44.0
2. A.ミケルセン(ヒョンデi20Nラリー1) +9.4
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +16.1
4. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +37.0
5. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +58.2
6. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +58.3
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:24.5
8. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:41.9
9. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:46.5
10. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:12.8

WRCポーランド 土曜日終了時点暫定ポイント
1. K.ロバンペラ 18
2. A.ミケルセン 15
3. E.エバンス 13
4. A.フルモー 10
5. M.セスクス 8
6. T.ヌービル 6
7. G.ミュンステール 4
8. 勝田貴元 3
9. S.パヤリ 2
10. O.ソルベルグ 1

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