WRCサファリ:4連覇を狙うトヨタ、シュノーケル装着に加えサスペンションをアップデート – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:4連覇を狙うトヨタ、シュノーケル装着に加えサスペンションをアップデート

©TOYOTA

トヨタ・ガズーレーシングWRTは、3月28日から31日にかけてケニアのナイバシャを拠点に開催される2024年WRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)に、レギュラークルーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンに加え、WRC2連覇中のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンを3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドのクルーとしてエントリーさせる。雨期の開催となる今年は、ラリー1マシンにもシュノーケルの装着が認められたほか、チームはGRヤリス・ラリー1ハイブリッドのサスペンションをアップデートして4連覇を狙う。

(以下、チームリリース)


WRC 第3戦 サファリ・ラリー・ケニア プレビュー
開催時期が大きく変わった伝統の一戦
サファリ・ラリーで4年連続となる優勝を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、3月28日(木)から31日(日)にかけて、アフリカのケニアで開催される、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。4年連続となる優勝を目指します。

2021年に19年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したサファリ・ラリーは、WRCの中で最も過酷なラリーのひとつとして知られてますが、トヨタはこれまでに通算11勝を記録。TGR-WRTとしては2021年、2022年、2023年と3年連続で表彰台の頂点に立ってきました。また、2022年と2023年は1-2-3-4フィニッシュを果たすなど、チームがもっとも得意とするイベントです。今年に関しては、2021年と2023年の勝者であるオジエは出場しませんが、2022年のウイナーであるロバンペラを筆頭に、2年連続で表彰台に立っているエバンス、そして今回もマニュファクチャラー登録ドライバーとして出場する勝田の3人が優勝を目指します。勝田は過去、2021年に僚友オジエと優勝争いを繰り広げ総合2位に入り、初ポディウムを獲得しました。また、2022年は総合3位に、2023年は総合4位に入るなど好結果を残してきました。

過去3年間、サファリ・ラリーは乾季に相当する6月に開催されてきましたが、2024年については伝統的な開催時期である3月の下旬に移動しました。この時期のケニアは雨が多く、サバンナの路面を覆う目の細かな砂状のグラベル(未舗装路)は、雨が降ると非常に滑りやすい泥と化し、ドライバーたちはより困難な路面コンディションでの戦いを強いられます。

また、今年は出場車両のレギュレーションが一部変わり、ラリー1車両に関しても「シュノーケル」と呼ばれる吸気用のパイプをクルマの外側に取り付けることが可能になりました。シュノーケルは、クルマの高い位置に吸気口をバイパスさせることにより、深い水溜まりや砂に覆われた路面を通過する際に、エンジンが水や砂を吸い込みにくくする効果があります。かつてサファリ・ラリーでは多くのクルマがシュノーケルを装着して走行し、それが外観的な大きな特長になっていましたが、今年はその独特なスタイルがRally1でも見られるようになります。また、今シーズン最初のグラベル・ラリーであるサファリ・ラリーを迎えるにあたり、チームはパフォーマンスと信頼性の向上をはかるべくGR YARIS Rally1 HYBRIDのサスペンションをアップデートしました。

ラリーの中心となるサービスパークは、4年連続で首都ナイロビから北側に約100km離れたナイバシャ湖の近くに置かれ、ラリーのルートも一部変更されましたが、大部分は昨年大会と重なっています。ラリーはまず27日(水)の午前中にサービスパーク近郊のロルディアでシェイクダウンが行われ、28日(木)はナイロビに移動し町の中心部でラリーがスタート。その後、デイ1として午後2時過ぎからナイロビ近郊のカサラニで4.84kmのスーパーSSが1本行われます。29日(金)のデイ2はナイバシャ湖を中心に、反時計回りに「ロルディア」、「ジオサーマル」、「ケドング」という3本のステージを日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。30 日(土)のデイ3は今大会最長の一日となり、フラミンゴが飛来することでも知られるエルメンテイタ湖まで北上し「ソイサンブ」、「エレメンタイタ」、「スリーピングウォリアー」という3本のステージを日中のミッドデイサービスを挟んで各2回走行。SSの合計距離は160.96kmとなります。なお、スリーピングウォリアーは昨年よりも走行距離が5km程度延長され、全長36.08kmと今大会最長のステージとなります。最終日となる25日(日)のデイ4は再びナイバシャ湖の周辺が舞台となり、反時計回りに「マレワ」、「オセレンゴニ」、「ヘルズゲート」の3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。SS16の再走となる最終のSS19「ヘルズゲート2」は、今大会でもトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ラリーは4日間で19本のステージを走行し、その合計距離は367.76km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1267.57kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
サファリ・ラリーはいつも楽しみにしているイベントです。今年に関しては開催時期が変わったことにより、これまでとは違うチャレンジになるかもしれません。現在ケニアは雨季のため、難しいコンディションでの戦いになる可能性が高くなります。雨が降るとステージは非常に滑りやすくなり、ドライバーにとってかなり大変なことになります。常に忍耐が求められるラリーですが、難しい天候になった場合はなおさらです。最速であること以上に、賢明であることが何よりも重要です。我々のチームのドライバーたちは皆、これまで上手く戦ってきましたし、今回もまたトヨタが優勝するシーンを見たいと思っています。この1回のイベントのためにクルマに大きな変更を加えることは難しいですが、サスペンションは全面的にアップデートしました。また、クルマにシュノーケルを装着できるようになったのも素晴らしことです。見た目がかなりクールになっただけでなく、大量の水に覆われた路面で効果を発揮することでしょう。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
今年もケニアに行くことに興奮しています。これまで、ケニアではいい結果を残してきましたし、自分にとってもチームにとっても非常に相性の良いラリーです。また、雰囲気もとても素晴らしいので本当に楽しみですし、一年の中でも雨季のこの時期に行くのはとても興味深いことです。きっと路面は大量の泥に覆われると思いますし、これまでも雨が降ると、常にトリッキーで滑りやすいコンディションになってきました。最大のチャレンジは、一週間を通して確実なペースを維持し、一貫性のある走りを続けトラブルに巻き込まれないことです。ラリー・スウェーデンは計画通りにいかなかったので、ケニアではいい結果を出したいと願っています。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
サファリ・ラリーはカレンダーの中で最もエクストリームなイベントなので、待ち遠しく思います。純粋なドライビングのスリル以上にアドベンチャーを感じるイベントですが、いつも楽しみにしています。今年は開幕から2戦連続でポイントを獲得するなど上々のスタートを切りましたが、サファリは運試し的な面もあります。プッシュすることとマシンをいたわることのバランスを見つけ、どれくらい多くのポイントを得てフィニッシュできるかを見極める必要がありますが、言うは易く行うは難しです。雨が降ると非常に難しくなることは以前に経験済みですが、今回はラリーの大部分でさらに難しいコンディションになる可能性がありますし、そうなればより大変なチャレンジになるでしょう。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
もちろんサファリ・ラリーを楽しみにしていますし、本当にわくわくしています。これまでトヨタはサファリで強さを示してきましたが、今回は1年の中でも今までと大きく異なる時期にケニアに行くので、天候面でより多くのチャレンジがあるかもしれません。あらゆるコンディションを想定して準備をしてきたつもりですが、実際どうなるかは現地に行ってみないとわかりません。このようなラリーではクルマの信頼性の高さが常に重要ですが、それこそが自分たちの最大の強みだと思っています。スウェーデンの直後はとにかく残念な気持ちでしたが、このラリーのために準備を進め、チームのためにいい結果を出せるようベストを尽くしてきたので、今はサファリが楽しみです。このラリーは自分にとって次なるターゲットですし、いいフィーリングを感じています。



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