WRCスウェーデン:トヨタのエルフィン・エバンスが総合2位。「スーパーサンデー」はトップ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:トヨタのエルフィン・エバンスが総合2位。「スーパーサンデー」はトップ

©Toyota GAZOO Racing WRT

WRC第2戦ラリースウェーデンは、競技最終日となる2月18日、SS16〜SS18を走行。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが順位をひとつ上げての総合2位でフィニッシュ。今季から導入されたポイントシステムによる日曜日単独順位ではトップとなり、パワーステージでのポイントも加えて、今大会で最も多くポイントを獲得した。土曜日に再スタートしたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンも、パワーステージでトップタイムをマークしたほか、日曜日単独では2位に入った。前日デイリタイアした勝田貴元/アーロン・ジョンストンもこの日を再スタート。日曜日単独では6位に入ったほか、パワーステージで5番手タイムをマークしてポイントを獲得した。

(以下チームリリース)


WRC 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ4
日曜日のみの順位で争われる「スーパーサンデー」を制し
エバンスが総合2位でラリー・スウェーデンをフィニッシュ

2月18日(日)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの最終日デイ4が、スウェーデン北部ウーメオーのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)が総合2位でフィニッシュしました。また、デイ2でのデイリタイアから再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合39位で、デイ3でのデイリタイアから再出走した勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合45位で完走しました。

Toyota GAZOO Racing WRT

ラリー・スウェーデンの最終日は、サービスパークの東側エリアとサービスパークのすぐ近くで、3本のステージを走行。その合計距離は61.08kmでした。前日に続きウーメオーの上空には青空が広がり、気温は早朝マイナス10度まで下がりました。前日のデイ3で、総合5位から総合3位まで順位を挽回したエバンスは、25.50kmのオープニングステージSS16「ベステルビーク1」で2番手タイムを記録。総合2位に順位を上げました。さらに、SS16の再走ステージであるSS17ではベストタイムをマーク。ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージでは2番手タイムを記録し、総合2位でフィニッシュしました。また、エバンスは日曜日の合計ステージタイムのみで争われる「スーパーサンデー」を制したことで、合計24ポイントを獲得。今大会どのドライバーよりも多くのポイントを手にすることに成功しました。

デイ2でのデイリタイアを経て、デイ3でラリーに復帰したロバンペラは最終日、SS16とパワーステージのSS18でベストタイムを記録。総合順位は39位ながら、スーパーサンデーでは首位エバンスと3.9秒差の2位に入りました。また、2番手タイムのエバンスと0.039秒という僅差ながらパワーステージを制したことで、ドライバーズポイントおよびマニュファクチャラーズポイントを獲得。エバンスとロバンペラの貢献により、チームは日曜日に獲得可能な最大ポイントである22ポイントを得ました。その結果、ヒョンデと同ポイントながらマニュファクチャラー選手権首位の座を守りました。 デイ3で激しい首位争いをする中コースオフを喫しデイリタイアとなった勝田は、デイ4でラリーに復帰しました。オープニングのSS16では3番手タイムを、最終のパワーステージではダメージを負ったクルマで5番手タイムを記録。スーパーサンデー6位による2ポイントと、パワーステージ5番手による1ポイントの、合計3ポイントを獲得しました。

Toyota GAZOO Racing WRT

カスタマープログラムのドライバーとして、昨年に続きGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場したロレンツォ・ベルテリは、総合10位でフィニッシュ。また、モンテカルロでWRCデビューを飾ったGR Yaris Rally2は、全部で7台が今回のラリー・スウェーデンに出場しました。WRC2カテゴリーではサミ・パヤリ(プリント・スポーツ)が2位、ゲオルグ・リンナマエ(レッドグレイ・チーム)が3位、ローペ・コルホネン(ラウティオ・モータースポーツ)が4位、ミッコ・ヘイッキラ(TGS)が5位と、トップ5に4台のGR Yaris Rally2が入りました。また、TGR WRCチャレンジプログラムによりGR Yaris Rally2で初めてWRC2に挑んだ山本雄紀は10位で、小暮ひかるは何度もパンクに見舞われながらも20位で完走しました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
予想以上にタフな週末となり、総合成績は望んでいたものではありませんでしたが、少なくとも最終日に自分たちが成し遂げたことには本当に満足しています。このイベントに向けての準備は順調に進み、クルマのパフォーマンスはとても良く、ドライバーたちも自信を持っていましたが、最後のステップをコンプリートすることはできませんでした。勝つためにハードにプッシュしなくてはならない時はどうしてもミスが起こりやすくなり、この週末は我々の二人のドライバーがミスをしました。一方、エルフィンは金曜日に路面を覆っていた大量の雪を掻き分けながら走らなければならないなど、不利な出走順での走行でした。しかし彼は素晴らしい走りで日曜日を誰よりも速く駆け抜け、スーパーサンデーを制しただけでなく、パワーステージでも僅差の2番手でした。スーパーサンデーと、パワーステージで1-2となったことで得たポイントは、マニュファクチャラー選手権において非常に大きな助けになりました。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
今日の唯一の目標はチームのポイント獲得に貢献することだったので、それを実現できたことを嬉しく思いますし、エルフィンをできる限り助けたいとも思っていました。もちろん、優勝するためにスウェーデンを訪れたので、この週末の結果には満足していません。チームの人々は素晴らしい準備をしてくれましたし、クルマには優勝を狙える速さがりました。それだけに申し訳なく思いますし、感謝もしています。ただ、少なくとも最終的に数ポイントを獲得することはできたので、次のWRC出場機会が楽しみです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

Toyota GAZOO Racing WRT

浮き沈みの激しい週末でした。金曜日は出走順が悪く、あまりいい一日ではありませんでした。しかし、それを何とか乗り切ったことが大事で、上位争いに復帰するチャンスを得ることができました。コンディションが自分たちに合っていたときのペースはとても良かったですし、今日は最終的に十分なポイントを獲得することができました。パワーステージではおそらくベストタイムを出せたはずですが、最後にいくつかミスをしてしまいました。それでも、週の序盤の状況からすれば多くのポイントを獲得できたのですから、それなりに満足するべきでしょう。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今日はできるだけ多くのポイントを獲得したかったのですが、出走順があまり良くなく、パワーステージではまったく違うクルマの走行ラインをフォローしなければならなかったので、簡単ではありませんでした。自分にとっては困難な週末になってしまいました。クルマのポテンシャルはとても高く、自分たちのパフォーマンスも良かったのですが、それを結果に結びつけることはできませんでした。今回のことからどのように学ぶのか考える必要がありますし、次にチャンスが巡ってきた時に、それをものにできるようにしなければなりません。次のケニアは、以前自分にとって相性がいいラリーだったので、一度リセットして正しいアプローチで臨みたいと思います。

ラリー・スウェーデンの結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h33m04.9s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +29.6s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +47.9s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m46.3s
5 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m04.2s
6 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m23.9s
7 ゲオルク・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m26.4s
8 ローペ・コルホネン/アンシ・ヴィニッカ (トヨタ GR Yaris Rally2) +6m48.1s
9 ミッコ・ヘイッキラ/クリスチャン・テモネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m25.7s
10 ロレンツォ・ベルテリ/シモーネ・スカットリン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +7m37.7s
39 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +48m31.9s
45 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +59m04.5s
(現地時間2月18日15時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

第2戦終了時点でのドライバー選手権順位
1 ティエリー・ヌービル 48ポイント
2 エルフィン・エバンス 45ポイント
3 アドリアン・フォルモー 29ポイント
4 セバスチャン・オジエ 24ポイント
5 オィット・タナック 21ポイント
6 エサペッカ・ラッピ 19ポイント
7 勝田 貴元 12ポイント
8 カッレ・ロバンペラ 11ポイント
9オリバー・ソルベルグ 8ポイント
10 アンドレアス・ミケルセン 6ポイント

第2戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位
1=Hyundai Shell Mobis World Rally Team 87ポイント
1=TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 87ポイント
3 M-Sport Ford World Rally Team 47ポイント

次回のイベント情報
WRC次戦は、3月28日から31日にかけて、アフリカのケニアで行われる第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」です。長い伝統と知名度を誇るこのグラベル(未舗装路)ラリーは、2021年にWRCのシリーズに復帰。2023年までの3年間は6月下旬に行われていました。しかし、今シーズンは3月に移動し、6月よりも降水量が多い時期の開催となるため、路面コンディションが大きく変わる可能性もあります。サファリ・ラリーのステージは非常に高速な道、軟らかい砂に覆われた道、岩や石が転がる荒れた道など変化に富み、雨が降ると路面は一気にぬかるみ非常に滑りやすくなります。



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