WRCセントラルヨーロピアン:カッレ・ロバンペラは総合2番手で最終日へ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCセントラルヨーロピアン:カッレ・ロバンペラは総合2番手で最終日へ

©Toyota Gazoo Racing WRT

10月28日、WRC第12戦セントラルヨーロピアンラリー(ターマック)の競技3日目がドイツのパッサウを中心に行われ、タイトル連覇に王手をかけているTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは総合2番手で最終日を迎える。唯一タイトルの可能性を残すエルフィン・エバンス/スコット・マーティンはSS11でコースアウトを喫してデイリタイア。マシンを修復して最終日を再スタートし、ボーナスポイントが獲得できるパワーステージでタイトルへのわずかな望みにかける。セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデは総合4番手に順位を上げ、4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドを駆る勝田貴元/アーロン・ジョンストンは総合5番手の位置を守っている。

(以下チームリリース)


WRC 第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ3
ドイツとオーストリアが舞台となった競技3日目
ロバンペラが総合2位、オジエが総合4位につける

Toyota Gazoo Racing WRT

10月28日(土)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」の競技3日目デイ3が、ドイツのパッサウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)が総合2位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合4位につけました。また、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)はコースオフによりデイリタイアとなり、TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は、総合5位につけています。

欧州三カ国を巡るセントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ3は、ドイツとオーストリアが戦いの舞台に。3本のステージを、ドイツのパッサウでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行する、6本合計109.50kmのステージが行なわれました。午前中は一時的に小雨が降り、Rally1の全ドライバーがウエットタイヤを中心にタイヤを選択。路面は非常に滑りやすく、特に出走順が後方のドライバーたちは、路肩から掻き出された泥によって安定したグリップを得にくい状況での走行となりました。

チェコで行われた前日のデイ2で、総合2位のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に36.4秒差をつけて首位に立ったロバンペラは、Rally1勢最後方の9番手でステージをスタート。2本目のSS10でブレーキングミスによるスピンで大きくタイムを失い、ヌービルとの差は10.9秒に縮まりました。続くSS11では、SS9でベストタイムを刻み総合3位につけていたエバンスが、コースオフを喫しデイリタイアに。ドライバーズタイトル争いにおいて唯一のライバルだったエバンスが戦列を離れたことにより、ロバンペラはリスクを減らすため意図的にペースダウン。SS11で8番手タイムとなった結果、首位から総合2位に順位を下げました。

Toyota Gazoo Racing WRT

午後の再走ステージが始まると、路面は全体的に乾いていきましたが、それでも所々湿っていたり、大量の泥が広がっていたりと路面は依然トリッキーな状態でした。特に、日没後の開始となったデイ3最終のSS14は、非常に滑りやすい路面コンディションとなりました。総合2位につけるロバンペラは、午後も確実性の高い走りを続けましたが、SS14ではベストタイムを記録。首位ヌービルと26.2秒差の総合2位でデイ3を走破しました。また、前日のデイ2でホイールにダメージを負い大きく遅れたオジエは、午前中のステージを3、4番手のタイムで走行し、総合4位まで順位を回復。午後の再走ステージでは2本のベストタイムを記録し、総合3位のオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)との差を31.1秒まで縮めて一日を終えました。前日総合5位の勝田は、午前中こそ思うようにタイムが伸びませんでしたが、午後はスピードアップに成功。5番手、4番手、3番手と確実にステージ順位を上げていき、総合5位でデイ3を走りきりました。なお、コースオフを喫したエバンスのクルマは、その後サービスパークでTGR-WRTのメカニックおよびエンジニアたちの迅速な作業により修理を完了。最終日デイ4での再出走を予定しています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
チャンピオンシップを争う2人のドライバーがいる以上、今日のような事態は起こり得ることです。エルフィンの立場からすれば、トライするべき状況でしたが、今回このラリーで見てきたように、このような難しいコンディションではミスをしやすいものです。彼らふたりの戦いが最後まで続いてほしかったと思いますが、もちろんまだ完全に終わったわけではありません。チームはエルフィンのクルマを修理することができたので、エルフィンは戦いを続けるために明日のパワーステージに全力で挑むことでしょう。それと同時に、カッレがいいポジションにいて、状況をマネージする能力があることもわかっています。昨日よりも出走順が後ろになったことで路面の泥が多くなり、カッレが少し力を抜いて走り始めたことはわかりました。一方、セブと貴元は午後のステージで速さを示し、タイムも良かったので、明日も好調が続くことを楽しみにしています。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
大きなチャレンジの一日でした。午前中2本目のステージではヒヤッとする瞬間がありました。ブレーキングの際、想像以上に路面が滑りやすくなっていて驚きましたが、幸運にも少し逃げ場があったので助かり、コースに戻ることができました。本当に残念なことですが、ステージをスタートする直前にエルフィンがコースオフしたことを知り、計画を変更しました。ラリーを最後まで走りきり、数ポイント獲得するだけで良くなったからです。このような非常に難しいコンディションでは、とにかくリスクを減らして安全に走ることが大切なので、いくつかのステージでペースを落としました。そのように走るのは正直楽しくなかったですが、最後のステージはフィーリングが良くなったので、明日に繋がると思います。とはいえ、何よりも重要なのは最後までしっかりと走り抜くことです。

Toyota Gazoo Racing WRT

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
今朝も非常に難しいコンディションでしたが、いい走りができていたと思います。残念ながら、午前中のループの最後のステージで、非常に滑りやすい右コーナーで足をとられてしまいました。コーナーに向けて減速はとても上手くいったのですが、ターンインしようとしたところ路面のグリップが予想以上に低く、イン側の前輪をロックさせてしまいました。その結果コーナリングラインがワイドに膨らみ、道幅がとても狭く行き場がなくなってしまったのです。競技を続けるには少しダメージが大きいと思いましたが、チームがクルマを修理してくれたので、明日はまた走れると思います。チームにとっても、自分たちにとっても残念な結果になってしまいました。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
今日は、昨日とは路面が違いましたが、自分たちにとっては似たようなコンディションで、変わらず中団を走ることになりました。朝はまだ路面に泥が残っていてトリッキーだったので、確実性を優先して走行し問題なく午前中のループを終えました。午後はコンディションが良くなり、路面も少し乾いてきたので、グリップもペースも良くなり楽しんでドライブできるようになりました。ですので、今日はポジティブな面もあったと言えます。前後の選手とのタイム差は、目標を定めるには大きすぎますし、明日の午前中もまだトリッキーなコンディションが続くと思いますが、最後までいいペースで走れるように頑張ります。

セントラル・ヨーロピアン・ラリー デイ3の結果
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h18m34.5s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +26.2s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +1m49.1s
4 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m20.2s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m47.9s
6 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m58.8s
7 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m52.2s
8 ピエール=ルイ・ルーベ/ベンジャミン・ヴェイラス (フォード PUMA Rally1 HYBRID) +9m05.8s
9 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Fiesta Mk2 Rally2) +9m12.3s
10 エミル・リンドホルム/レータ・ハマライネン (ヒョンデ i20 N Rally2) +9m18.8s
37 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +40m07.8s
(現地時間10月28日20時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる10月29日(日)のデイ4は、パッサウのサービスパークを起点にオーストリアで1本、ドイツで1本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。そのうち、SS16の再走となるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は67.24km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は278.24kmとなります。



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