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トヨタ・ガズーレーシング(TGR)は、WRCで活躍できる日本人若手ドライバーの発掘・育成を目的に展開しているTGR WRCチャレンジプログラムの5期生となるドライバーを募集し、上限としていた100人の応募者のなかから、19人について9月19日に愛知県の幸田サーキットで実技選考を実施。フィンランドからインストラクターのミッコ・ヒルボネン、ヨウニ・アンプヤが来日し、フィンランドでの最終選考に進む5名を選出した。
稲葉摩人、ジール・ジョーンズ、米林慶晃は2年連続でのファイナル選出となり、いずれも今季はMORIZO Challenge Cup(MCC)に参戦してきた。国内外のドリフトで活躍しカッレ・ロバンペラとも対戦した経験を持ち、今季は勝田貴元率いるTK motorsportのサポートも受ける箕輪大也は、最年少の16歳。4期生選出前のKANTA同様に、エビスサーキットに勤務する高岡威は、ラリーは未経験だ。平均年齢19.2歳という5人は、MCCでチャンピオンになった大竹直生とともに12月、フィンランドに渡り、スノー&アイス路面で様々なタイプのクルマやタイヤで実技トレーニングを行い、その内容から最終的に5期生が選抜される。
(以下、発表内容)
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム
育成ドライバー5期生セレクション、ファイナリストが決定
TOYOTA GAZOO Racing(以下TGR)は、FIA世界ラリー選手権(WRC)で活躍できる日本人若手ドライバーの発掘・育成を目的に5期生となるドライバーを募集し、9月16日(火)~19日(金)にかけて実施した1次及び2次選考の結果、フィンランドでの最終選考に進む5名を選出しました。
今年度は選考会を幸田サーキット(愛知県)で実施し、1次選考には昨年同様100名(上限)の応募がありました。1次選考は16~18日にかけて6グループに分けて実施し、そのうち19名が、同じく幸田サーキットの特設コースで19日に実施した2次選考に進出。2次選考の当日は途中激しい雨が降り、その後は雨が止んでハーフウェットから完全なドライと、候補者によって走行時のコンディションが異なりましたが、WRCチャレンジプログラムの講師陣によってそれぞれの状況を考慮に入れた総合的な評価を行いました。
選ばれたメンバーは、昨年のファイナリストでもあり今年のモリゾウチャレンジカップ(MCC)にも挑戦している稲葉摩人、米林慶晃、Zeal Jones、ドリフト界で活躍中の箕輪大也、そしてラリー未経験ながら新しい世界にチャレンジする高岡威の5名です。12月上旬から中旬にかけて実施するフィンランドでの最終選考には、この5名に加えて今年のMCC暫定チャンピオンである大竹直生が合流予定で、フィジカルテストや5日間に渡る走行テストを通して来年からプログラムに参加する育成ドライバーを決定する予定です。
■コメント
ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター)
今回も多くの才能あるドライバーが集まってくれました。最終選考をかけた争いは接戦で、ドライバーのレベルは非常に高かったです。これまでの参加経験が有利になりすぎないように、今年は車両と会場の両方を変更し、全員にとって新たな挑戦となりました。2次選考ではこれまでの選考会から馴染みのある名前に加え、新たな才能も登場しました。2次のコースはスピードだけでなく、変化する状況に素早く対応する能力も求められる多くの難所が含まれていました。最終的には5名のドライバーが総合的に特に優れたパフォーマンスを発揮し12月の最終選考への権利を手にしました。彼ら全員が次のステージでどのように成長していくのか、とても楽しみにしています。
■候補者プロフィール・コメント(50音順)
稲葉摩人(22歳)静岡県駿東郡長泉町出身
競技経験:カート、フォーミュラ、ラリー(コ・ドライバー2年、ドライバー2年)
2024年Ahead Japan Racing TeamよりMCCに参加 2025年MATEX-AQTEC RALLY TEAMよりMCCに参加
自身の強み:怖いもの知らず、アグレッシブなところ
コメント:国内選考は、1次では課題が残りましたが2次では手応えがありました。通過できて非常に嬉しく思っています。最終選考に残った以上、自分が今までのレースキャリア、ラリーキャリアで積み上げてきたものを出すまでです。今まで支えてくださった方の助言を力に変えて頑張ります!
高岡威(20歳)福島県郡山市出身
競技経験:カート、ダートトライアル
自身の強み:車のコントロール力
コメント:このプログラムに参加して自分の実力を試してみたいと思っていましたが、選ばれるとは思っていなかったので驚いています。フィンランドでは色々な面で学び、楽しみ、将来に繋げたいです。
箕輪大也(16歳)東京都国立市出身
競技経験:ドリフト
自身の強み:ドリフト競技で培った集中力や車のコントロール力
コメント:貴元選手やロバンペラ選手にお会いしたことでラリーの魅力に惹かれ、新しいことに挑戦して二人のようなドライバーになりたいと思っています。いつも支えてくれている両親やこのセレクションのために協力してくれた方々に感謝し、このチャンスを必ず活かせるよう、自分ができる最大限のトレーニングをして最終選考に挑みます。
米林慶晃(18歳)神奈川県横浜市出身
競技経験:2011-22年カート、2021-24年NUTAHARAラリースクール参加 2025年 第2戦からKTMS Rally TeamよりMCCに参加中
自身の強み:ラリーにおけるペースマネジメント、車両の挙動の変化に対する操作反応の鋭さ
コメント:ラリーは自分にとってどのモータースポーツよりもワクワクする競技です。3年連続でファイナリストに選出いただきとても嬉しく思っています。 過去2度のフィンランド最終選考の反省を経て今シーズンの活動を続けてきたので、今年の最終選考では進化したパフォーマンスを講師陣に見せられるようにしたいと思っています。
Zeal Jones(20歳)ニュージーランド・オークランド出身
競技経験:カート 6-7年、ラリー 4年 2025年Cusco RacingよりMCCに参加中
自身の強み:車のコントロール力と適応力。フィットネス。
コメント:昨年のファイナリストでもあり今年はMCCにも参加しているのでプレッシャーが大きく、最終選考に進むことができて安心しています。またフィンランドに行くことができてとても嬉しいですし、氷上での運転が本当に楽しみです。