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今週開催されるWRC第4戦ラリーカナリア諸島(スペイン、ターマック)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、オィット・タナック、アドリアン・フルモーの3人をヒョンデi20Nラリー1のドライバーとしてエントリーさせる。
シーズン最初のグラベルイベントとなった前戦サファリ・ラリーケニアでは、タナックとヌービルが、このイベントではヒョンデにとって初めてのダブルポディウムを達成。WRCカナリア諸島は、シーズン最初の純粋なターマックイベントとなり、アップデート版のi20Nラリー1にとっても初めての舗装ラリー。チームは前戦の勢いをつなげて最低限でもポディウムフィニッシュをもぎ獲り、26ポイント差で首位を追うマニュファクチャラーズ選手権での差を詰めていく構えだ。
WRCラウンドとしては初開催となるカナリア諸島だが、インターコンチネンタル・ラリーチャレンジ(IRC)、ヨーロッパラリー選手権(ERC)として長年開催されてきたイベントだ。ヌービルとフルモーは参戦経験があり、2020年にはフルモーが優勝を飾っている。タナックはカナリア諸島でのラリー参戦経験はないが、スペインでのラリー経験は豊富で、2022年にはWRCスペインでポディウムフィニッシュを飾っている。
2011年にIRCラウンドとして開催されたラリーカナリア諸島で3位に入っているヌービル。今回はポディウムの挑戦を目指すことを明言する。
「最後にカナリア諸島で参戦した時のことは多くは思い出せないが、間違いなく楽しめたラリーだった」とヌービル。
「ルートの多くが再舗装されたり広くなっているので、2010年、2011年の時の参戦経験はあまり活かすことはできないと思う。最近参戦したテストイベントでは、グリップや正確性、パフォーマンスはいい具合にミックスできたので、ターマックでのこのマシンがより走りやすくなっている手応えを感じている。前回のサファリは、かなり過酷なイベントではあったが、いい結果を残すことができた。あの勢いを今回もつなげていかなくてはならないし、マシンは必要なものは揃っているので、いいパフォーマンスが出せると思う。もちろん、優勝を目指す。両選手権での差を詰めるためにも、エバンスに勝たなくてはならない」
ターマックでの走りに定評があるタナックは、前戦に続いてのポディウムフィニッシュが求められる。
「まったく新しいイベントは、違う種類の試練になる。決して簡単にもひと筋縄にもいかないし、カナリア諸島もそれは同じだ」とタナック。
「このラリーの経験はまったくないので、最大限のパフォーマンスを目指しながらも、道を理解していく。ラリーではあるが、サーキットレースに近い。適切に戦うという意味では一年で最もチャレンジングなターマックラウンドとなるだろう。リズミカルでスムーズな道で、タイヤをすぐに劣化させないよういいフィーリングをつかむためには、正しいセッティングと最高のバランスが取れたマシンにしなくてはならない。ラリーカナリア諸島では、てっぺんを獲るために戦うし、ポディウムフィニッシュは目標だ。ラリーでは、この先どうなるのかを正確に予想するのは難しいが、自分としてはコンペティティブになるよう全力を尽くす」
2020年のERCカナリア諸島で優勝を飾っているフルモー。ミックスコンディションではあるが舗装ベースの開幕戦モンテカルロではヒョンデ移籍後の初ラリーでポディウムに上がっているだけに、今回も期待がかかる。
「2020年にラリーカナリア諸島に参戦しているので、ステージのいくつかはかなり馴染みがある。ドライでもウエットでも、グリップがどうなるのか理解しているので、どのような可能性でもうまくセッティングを合わせていける。このイベントは純粋なターマックラリーなので、ペースノートやステージでのライン取り、タイヤのマネージメントには正確性が求められる。この路面ではすべてが速くなり、ステアリングを調整するたびにタイヤが反応するのが分かる。グラベルからターマックに移ると、まったく別のクルマをドライブしているような感覚になるし、Gもたくさん感じられる。目標は、できる限りいいリザルトをもたらすこと。またポディウムに上がりたいし、さらに上も目指したいね」