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【速報】WRCチリ:オィット・タナックが今季2勝目、トヨタがマニュファクチャラーズタイトルを確定

©M-SPORT

2023年シーズンWRC第11戦チリ(グラベル)は、10月2日(日)に最終日の4SSを走行し、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが第2戦スウェーデン以来となる今季2勝目を獲得した。2位はヒョンデのティエリー・ヌービル、3位にはトヨタのエルフィン・エバンスが入った。なお、今回の結果、トヨタは3年連続4回目(TTE時代も合わせれば通算7回目)のマニュファクチャラーズタイトルを決めた。

競技最終日のルートは、コンセプシオンの東に位置するふたつのステージを2度走行する4SS、54.12km。前日の競技2日目を終えた段階で、首位のタナックと2番手のスニネンは58.3秒差と大きく離れているが、2番手スニネンと3番手ヌービルは13.9秒差、3番手ヌービルと4番手エバンスとの差は10.7秒と、ひとつのミスで順位が入れ替わる可能性をはらんでいる。上位陣は予断を許さない状況で最終日を迎えた。

HYUNDAI


オープニングステージとなるSS13は、ドライコンディション。ヌービルはSS2番手タイムのスニネンに4.8秒差をつけてベストタイムをマークし、合計タイム差を9.1秒にまで短縮した。続くSS14でもヌービルが一番時計をたたき出し、スニネンにじわじわとプレッシャーをかけていく。これでふたりの差は6.7秒となった。ラリーリーダーのタナックはマージンを活かしてリスクを避けたドライビングに徹し、総合2番手スニネンとは51.6秒の差を保持している。

昼のサービスを終えて、ラリーは残すところ2SSに。SS13の再走となるSS15でもヌービルのスピードは衰えず、3連続ベストタイムをマーク。一方のスニネンは、なんとスタートから7km地点のコーナーで右フロントサスペンションを破損しコースオフ。コース復帰は叶わず、無念のリタイアとなった。これで上位オーダーはひとつずつ繰り上がり、首位タナックと総合2番手ヌービルとの差は44.6秒となった。ヌービルと総合3番手エバンスとの差は27.5秒に広がっている。

TOYOTA


最終ステージのSS16は、WRC2の上位勢からアタックを実施。WRC2は首位のオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が優勝。スウェーデン以来となる今シーズン2勝目を飾った。WRC2の2位にはガス・グリーンスミス、3位にはサミ・パヤリが入っている。ラリー1勢は、地元チリのアルベルト・ヘラー(Mスポーツ・フォード)からコースイン。続いてグレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)、トヨタの勝田貴元と続く。勝田は7分17秒6という暫定ベストタイムをマークし、総合5位以上を確定させてフィニッシュ。続いてコースインしたカッレ・ロバンペラは勝田のマークした暫定ベストを10秒以上更新し、ボーナスポイント5点を狙う。エバンスはロバンペラに次ぐ暫定2番手タイムでフィニッシュ、自身の3位以上を確定させた。そして続くヌービルも走り切って順位を確定させたものの、ロバンペラとエバンスのタイムを上まわることはできず、この時点でトヨタのタイトルが確定。最終走者のタナックも完走を優先して走り切り、今季2勝目、通算19勝目を獲得した。

タナックは「素晴らしい仕事をしてくれたメカニックやチームの皆に感謝したい。エストニアからも応援に来てくれていて驚いたよ」とSSフィニッシュ後に答えている。

これで最終SS終了時点での総合順位はタナック、ヌービル、エバンス、ロバンペラ、勝田、ソルベルグというトップ6。パワーステージはロバンペラ、エバンス、ヌービル、タナック、勝田がトップ5に入り、それぞれボーナスポイントを獲得した。この第11戦までを終えて、ドライバーズランキング上位は首位ロバンペラが217点、エバンスが186点、ヌービルが155点、タナックが146点となった。マニュファクチャラーズランキングは、トヨタが466点、ヒョンデ360点、Mスポーツ・フォードが247点。トヨタ(TGR-WRT)は2018年、21年、22年に次ぐ4回目のタイトル獲得となる。

TOYOTA


次戦は10月25日〜29日に開催される第12戦セントラルヨーロッパ。ドイツ・チェコ・オーストリアの3カ国にまたがって開催される新機軸のターマックラリーだ。拠点はドイツのパッサウに置かれ、木〜金曜日はチェコ、土曜日と日曜日にはドイツとオーストリアを舞台に開催される。

WRCチリ 暫定結果
1. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) 3:06:38.1
2. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +42.1
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:06.9
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:11.0
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4:41.5
6. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:18.5
7. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:44.3
8. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:20.6
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +9:53.9
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +10:08.2

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