WRCチリ:初日後半スパートのオィット・タナックが首位、勝田貴元は45.6秒差の6番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCチリ:初日後半スパートのオィット・タナックが首位、勝田貴元は45.6秒差の6番手

©M-SPORT

2023年シーズンWRC第11戦チリ(グラベル)は、9月29日(金)に初日の6SSを走行し、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが首位に立った。4.2秒差の2番手にヒョンデのテーム・スニネン、12.7秒差の3番手にトヨタのエルフィン・エバンスがつけている。

28日木曜日夕刻、コンセプシオンのサービスから南東に130kmほど移動したロス・アンヘレスで、セレモニアルスタートを実施。4年ぶりのWRC開催を祝うように、スタートランプに設けられた特設スタンドには大勢のスペクテイターが集まり、クルーへと歓声を送った。明けて、競技初日の29日金曜日はコンセプシオン南東の3ステージをサービスを挟んでループする6SS、112.86kmを走行する。

オープニングのSS1、早くも優勝候補の一角が崩れることになった。19.6km地点の左コーナーでヒョンデのエサペッカ・ラッピが転倒、マシンのダメージが大きくリタイアを決めた。ベストタイムを刻んだのは、ここ数戦厳しい戦いが続いていたタナック。「難しいステージだったけど、楽しんで走ることができた」と笑顔を見せている。2.1秒差の2番手タイムは後方スタートの有利を活かしたスニネン、4.9秒差の3番手にエバンス、7.4秒差の4番手にピエール-ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)が続く。

HYUNDAI


先頭スタートのカッレ・ロバンペラ(トヨタ)はライン上に積もるルーズグラベルに足をとられ、ベストから10.0秒も遅れた5番手タイム。12.3秒秒差の6番手タイムに終わったティエリー・ヌービル(ヒョンデ)も「まったくグリップがなくて、滑りまくった」と、ガックリ肩を落とした。勝田は14.6秒差の7番手と、こちらもトップから大きく遅れている。

SS2、首位のタナックがフィニッシュ直前に痛恨のスピン。このステージでロバンペラに1.5秒差のベストタイムを刻んだエバンスが首位に浮上した一方、タナックはスニネンにも抜かれ、総合3番手にポジションを落とした。この日最長の23.32kmを走るSS3はエバンスが連続ベストを刻む。ハイブリッドを失いながらも大きなタイムロスなく走り切ったタナックは、0.9秒差のSS2番手タイム。「まだラリー1マシンを学びながら走っている」と語るスニネンは2.5秒差のSS3番手タイムでまとめた。このステージでは、総合4番手を走行していたルーベが15km地点で転倒を喫し、ラリー続行を諦めている。

首位エバンスと、総合2番手のスニネンは2.6秒差。2.7秒差の総合3番手はタナック、グラベル掃除を強いられたロバンペラは13.6秒差の総合4番手と、まずまずのポジションにつける。21.7秒差の総合5番手にヌービル。「クルマはとても良いのに、ペースノートやドライビングが噛み合っていない」と振り返った勝田は、28.3秒差の総合6番手で午前中のセクションを終えた。

サービスを挟んだ午後のセクション。午前中と同様、ライン上にルーズグラベルが残る厳しいコンディションで、スニネンがタナックに3.7秒差のベストタイム。出走順の早い首位のエバンスと総合4番手のロバンペラはタイムロスを強いられ、エバンスが7.5秒差のSS5番手タイム、ロバンペラが7.8秒差のSS6番手タイムに沈む。この結果、スニネンがタナックに3.8秒差をつけて首位に浮上した。

TOYOTA


SS5はタナックがヌービルに2.5秒、スニネンに4.9秒差の一番時計をマークし、SS1以来となる首位の座を取り戻した。この日を締めくくるSS6でもタナックがベストタイムでまとめ、3.1秒差のSS2番手タイムで走ったスニネンとの差を4.2秒に拡大して初日を終えた。「タフな1日だったし、路面が厳しく、マシンも安定しなかったけど、僕自身はクリーンな走りができた」と、タナックは納得の表情だ。

グリップレベルの変化に苦しみ、後半のセクションでペースを上げられなかったエバンスは12.7秒差の総合3番手。このステージでハーフスピンを喫し、10秒近くをロスしたロバンペラをかわし、ヌービルが首位から27.7秒差の総合4番手に順位を上げた。中間サービスでセッティングを変更し、ペースアップを果たした勝田は45.6秒差の6番手。今回が初のラリー1参戦となったグレゴワール・ミュンステールは、1分38秒4差の総合7番手で初日を走り切った。

TOYOTA


競技3日目はSS7〜SS12の6SS、SS走行距離は154.00km。オープニングのSS7は、日本時間9月30日の19時57分にスタートする。

WRCチリ SS6後暫定結果
1. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) 58:43.7
2. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー1) +4.2
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +12.7
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +27.7
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +38.7
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +45.6
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:38.4
8. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:09.6
9. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:22.9
10. A.ヘラー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:29.3



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