WRCサーカス=帰宅困難者たちの顛末 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサーカス=帰宅困難者たちの顛末

 

 アイスランド火山噴火の影響をうけたWRCチーム。トルコに足止めかと思いきや、ラリー業界人ならではの発想(?)で各々帰宅を果たしている。

 トルコから帰れないだけならまだしも、大きな問題は、次戦が5月6〜9日、ヨーロッパからは距離があるニュージーランドで行なわれるということだ。
 トップチームは陸路を通る時間を減らす目的で、マシンやその他の荷物をギリシャからイタリアまで船便で運ぶことに決めたものの、実際は出港までの間に何時間も待たされるはめになった。そのため、一刻も早くマシンをニュージーランド用に調整し、発送作業をしなければならないというプレッシャーにさらされることになってしまった。

 シトロエンチームは火曜までに荷物をフランスに戻した一方、イギリスの北西に拠点を置くフォードは金曜の昼すぎになるという予想外の事態に見舞われた。その結果フォードのメカニックたちは週末を返上してクルマを仕上げ、今週半ばにはオークランドへ送らなければならず、緊張に包まれているようだ。しかもこのメカニックたちはトルコからブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギーそしてフランスを経由する70時間のバス移動(!!)を経てUKに戻ったばかりなのだ。

 フォードのミッコ・ヒルボネンとヤルモ・レーティネンは、何人かの友人たちにブルガリアに集合するよう声をかけ、彼らを連れてフィンランドへ戻っている。テクニカルディレクターのクリスチャン・ロリオーはイスタンブールからニースへのチケットを押さえたが、リゾート地のカレーに立ち寄り、陸路でフォードの本拠地へ戻った。
 ピレリチームはトルコからイタリアまで、バスのみで帰っている。

 一時ラリーニュージーランドの開催が危ぶまれる声も聞かれたが、航空便の運航状況も通常の状態に戻りつつあり、ヨーロッパチームの南半球遠征も問題はなさそうだ。
 イベントの運営組織委員会代表のクリス・カーは次のように話している。
「WRCチームはトルコから長時間をかけてでもホームに戻れたのだから、ラリーニュージーランドの開催も問題はないだろう。我々は各チームがいつこちらへ到着できるのかの把握に努め、できる限りいいイベントになるよう頑張るよ」



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