シュコダ・ファビアの歴代ラリーカーを振り返る:ユホ・ハンニネン/アンドレアス・ミケルセン – RALLYPLUS.NET ラリープラス

シュコダ・ファビアの歴代ラリーカーを振り返る:ユホ・ハンニネン/アンドレアス・ミケルセン

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2023年から新型ラリー2マシン、シュコダ・ファビアRSラリー2を投入するシュコダ・モータースポーツ。ファビアのラリーカーは、これが4代目となる。WRカーがトップカテゴリーを戦っただけでなく、カスタマー向けラリーマシンとして、WRC2やFIA地域選手権、世界各国の国内選手権で活躍を続けたファビアのラリーマシンに携わったドライバーたちが、歴代のモデルを振り返っている。

ワークス仕様のシュコダ・ファビアS2000に乗った経験が最も豊富なのは、ユホ・ハンニネンだ。

Q:ファビアS2000は、初めてドライブしたシュコダのラリーマシンだが、シュコダ・ファビアとの関係の始まりをどのように記憶しているか
ユホ・ハンニネン(JH):
初めてのやり取りは2008年、ロシアでのラリーだ。初日を終えて自分たちが首位に立っていて、ヤン・コペッキーが翌年にシュコダ・モータースポーツでドライブしないかと聞いてきた。自分は彼のことをよく知らなかったし、そのラリーでは自分が彼をリードしていた。彼が冗談を言っているのかと思った。当時は少し迷っていたが、しばらくしてマネジメント陣が動き、チームのミカル・フラバネク、パベル・ホルテックが一緒に交渉を始めたので、一気に契約が合意に達した。あの年の終わり、自分はすでに公認取得前の新しいファビアS2000のテストをしていた。実は、かなりたくさんテストをしていたんだよ。

Q:自身は当時、スーパーチャージャーのマシンを使っていたが、ファビアS2000はNAエンジンだった。この変更にどのように対応したのか
JH:実際、大きな変更だったが、自分は若かったのですぐに対応できた。NAエンジンで使える回転数とは違ったが、かなり使いやすかった。ファビアS2000はとてもドライビングしやすいマシンでもあったので、NAエンジンに慣れる間もかなり助かったよ。

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Q:ファビアS2000は、エンジンがパワーバンドがかなり小さかったが、限界ギリギリで走っている時に適切なシフトチェンジに細心の注意を払う必要はあったか
JH:
低速のラリーでは、適切なシフトを選ぶのは少しチャレンジングだったかもしれない。常に適切な回転数でエンジンをキープしなくてはならなかったからね。でも、速度域が高いところは大丈夫。最適な回転レンジの下まで下がっても、まだパワーがあった。大きな問題なかったと思うよ。

Q:このチームとは、今の時代になって初めてのビッグタイトルを獲得した。その時は盛大に祝ったのでは
JH:
そうだね、2010年にIRCタイトルを獲得した。素晴らしいシーズンだった。特に、ターマックでヤン・コペッキーに勝ったのは、タイトル以上にうれしかったかもしれない。チームもドライバー同士も素晴らしい雰囲気だったことを覚えている。ラリーでアンドレアス・ミケルセンやクリス・ミークと戦ったことも素晴らしい思い出だ。

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Q:シュコダ・モータースポーツとの関係が成功した後、WRカーに乗ることになった。その変化はどれくらい大きかったか
JH:S2000の方がいろいろなことをするのに時間に余裕があった。当時のWRカーは、1キロあたり2秒も速かったからね。だから、対応することも多かった。

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当時、ハンニネンやコペッキー、ミークとファビアS2000で戦ったひとりが、アンドレアス・ミケルセンだ。

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Q:ファビアS2000では多くの経験を積んだ。このマシンではIRCタイトルを2回獲得している。このマシンをどのように覚えているか。
アンドレアス・ミケルセン(AM):
素晴らしい思い出がある。2009年、2010年はファビアS2000でたくさんのラリーに出た。いい成績も収め、2011年はシュコダUKからIRCに参戦する機会を与えてもらった。当時、シュコダUKはシュコダ・モータースポーツにサポートを受けていたので、シュコダ・モータースポーツがプリペアしたマシンをドライブする初めてのチャンスになった。でも、滑り出しは悪夢だったよ。ラリーモンテカルロの前に1000km以上テストをしたが、最初のステージをスタートしてわずか300mでアクシデントを喫してしまったんだ。あれはちょっと残念だったね。すぐに立て直して、シーズンが進むにつれてよくなっていった。ハイレベルでドライビングしているドライバーとは本当に激戦を繰り広げることになったが、最終的には超僅差でIRCタイトルを獲得した。2011年は本当にすごい1年だった。どのラリーも全開で攻めたよ。あの年のことは、いつまでも思い出すことになると思う。

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Q:2012年はフォルクスワーゲン・ポロWRCの開発をしながら、セバスチャン・オジエと同じチームでファビアS2000をドライブしていた。興味深い活動だったのでは
AM:
そうだね、2012年はかなり忙しかった。シュコダUKからIRCにフル参戦しながら、フォルクスワーゲン・モータースポーツからもラリーに参戦していた。ファビアS2000は、チームは2013年から走らせ始める予定だったポロWRCのプリペアをしていた。チャレンジングだったがIRCのタイトルを連覇したので、自分たちとしてはいいシーズンだった。これで自分たちがWRCに進むための準備がしっかりできたと思う。

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Q:4年後、今度は新世代のファビアに乗ることになる。以前に乗っていたファビアS2000と、ターボのファビアR5はどれくらい違いがあったか
AM:
シュコダのラリーカーには、かなりスムーズに戻ることができた。S2000に乗っていた時から4年経っていたが、ファビアR5のフィーリングはとてもなじんでいた。パフォーマンスはWRカーで慣れていたものと近かったが、ファビアS2000とR5の走りはとても似ていた。すぐに居心地のよさを感じたよ。

Q:その後、ファビア・ラリー2 EvoでWRC2を制覇した。ドライバーの視点から、この2台の違いはどれくらい大きいか
AM:
最後にファビアR5をドライブしたのは2017年で、2020年にまたシュコダに戻ってファビア・ラリー2 Evoをドライブした。このふたつのモデルは、かなり似ている。いくつかアップグレードされている部分はあるが、規定は変わっていなかったので大きな違いはなかった。

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