WRCスペイン:ラスト参戦のネイグル「一番の思い出はミークとのフィンランド優勝」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスペイン:ラスト参戦のネイグル「一番の思い出はミークとのフィンランド優勝」イベント前記者会見

©Victor Engstrom / Red Bull Content Pool

WRCラリースペイン・カタルーニャ、シェイクダウン後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
ダニ・ソルド=DS(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
ポール・ネイグル=PN(Mスポーツ・フォードWRT)
クレイグ・ブリーン=CB(Mスポーツ・フォードWRT)
セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRT)

M-SPORT

Q:ポール、ラリースペインは2004年にWRCデビューを飾ったイベントで、今回はノートを読むキャリアをここで終えようとしている。まず、なぜこの時期にペースノートを読むのを止めることを選んだのか、そして最後のイベントに向かう気分は
PN:誰でもいつかはラリーキャリアから退かなくてはならない。自分にとってはそれが2022年だった。ラリーのトップレベルで戦い続けてもう18年くらいになるが、来年は14戦の戦いになり家族と離れる時間が長くなってしまう。この仕事の負担は大変なもの。自分はよく続けてこられたと思う。ほかの仕事でも同じように、キャリアの中では浮き沈みもある。自分の意志で解決しなくてはならなかった。ずっと自分で決断していたので、疑問を感じることはいつでもあった。ラリーやWRCの友人と離れるのは寂しくなるよ。

M-SPORT

Q:一番の思い出を挙げるとすればなにか
PN:たくさんあるよ。アルザスでの初めての優勝もそうだし、今年のモンテカルロでクレイグとポディウムに上がったことも。でも、どれか一戦を挙げるなら、クリス(ミーク)とのフィンランド優勝(2016年)だ。あの週末はヤリ‐マティ・ラトバラやフォルクスワーゲン勢が相手だったからね。ほかと比べると特別な週末だった。

Q:今回を含めてWRCは参戦102回、通算5勝、クレイグ・ブリーンとは25戦に参戦した。コ・ドライバーとしてこのような成功を収められると想像していたか
PN:2009年はクリスやクレイグ、そしてアンドレアス(ミケルセン)と一緒に過ごし、楽だった。すべてが白紙になった時、クレイグが私を選んでアイルランドでラリーに復帰し、ヒョンデで再び表彰台に上がれたのは素晴らしかった。キャリアの中で何度かジャンプスタートがあったが、その後は右肩上がりになっていった。

Q:後輩たちへ何かアドバイスを
PN:派手なレーシングスーツやヘルメットを身に着けている時でも努力する覚悟があれば、チャンスはいくらでもある。このレベルで競技をしていれば機会を得られることはあるだろうし、そうすればハードワークが始まる。コ・ドライバーは、ドライバーよりも仕事を得られるチャンスが多い。英語を話すコ・ドライバーは、ほとんどいない。

Q:引退の話も出ましたが、来年もどこかに現れることはないのか。何か魅力的なことがあるのでは
PN:難しい質問だね。絶対ということはあり得ないが、今は、これでおしまいと言っておこう。先のことは誰にも分からない。

Q:クレイグ、彼と一緒に参戦するのは今回が最後になる。コ・ドライバー交替についてどう感じているか
CB:彼のことばかり話していると、頭がパンパンになって明日からヘルメットを被れなくなっちゃうよ。もちろん、すごく不思議な気分だし、まだ現実だと思えない。ジャパンでいきなり違う声が聞こえてくるまで、実感が湧かないだろうね。アイルランドの冗談はすごく独特で、同じレベルで活動する相棒を見つけたら、もう笑いの渦に巻き込まれるしかない。どのイベントでも、遠征でも、一緒に過ごした時間は本当に素晴らしいものだった。この週末は、ただただ一緒に仕事をしてラリーを楽しみたい。 ここ半年ほどはかなり厳しい状況になっているので、今週末はベストを尽くしたいと思っている。いい結果でコンビ最後のラリーを終えられたらいいね。僕らが一緒にクルマに乗るのは、もちろんこれが最後ではない。WRC以外にもラリーはたくさんある。彼に選択肢はないよ。楽しみにしているんだから。

Q:ジャパンからジェームス・フルトンが後任を務める。新しいコ・ドライバーとして彼を選んだ理由は
CB:こうした決断は難しいものだ。特にポールのような人の代わりを見つけるのはね。ジェームスは自分がアイルランドのターマック選手権に参戦していた頃からよく知っている。心から正直に言えば、彼はWRCに参戦したいという強いビジョンは持っていなかった。でも、WRC2で若手のジョシュ・マクリーンと参戦している姿を見てきた。それから、何戦かで自分たちの手伝いをしてくれるようになった。シーズン中盤、サファリやあと2戦くらい帯同している。テストで1、2回、彼を隣に乗せたが、とても感銘を受けた。簡単なことではない。この先のジャパンでは、間違いなく洗礼を浴びることになるだろう。でも、彼は努力を惜しまないし、献身的。ポールも彼のことを支えている。ジャパンで初めて一緒に乗るのは少し不思議な感じになると思うけど、その先には将来がある。

M-SPORT

Q:ここ数カ月は厳しかったとのことだが、今の気持ちと来年に向けての状況は
CB:今年と同じ。シーズンの初めに2年間の契約を結んでいるので、来年の計画に関しては心配していない。もちろん、もっといいリザルトは必要だ。この数ヶ月、ラリーでは非常に問題のある状態が続いている。アプローチに関しては大きな変更は必要ない。リザルトは思っていたことと真逆になっている。とにかく週末を走り切って、戦える勢いを取り戻したい。

Q:ダニ、母国ラリーでは19回参戦して9回ポディウムに上がっている。素晴らしい確率だ! 唯一、総合優勝はまだ達成していない。この不満の種は、この週末に解消できるだろうか
DS:この数字は気分のいいものではないね。自分は若くないってことだ。もちろん、母国のラリーなので、当然スタートダッシュしていく。ずっとこのラリーで勝ちたいと思っていたが、まだ実現できていない。狙っていくし挑戦を続ける。もちろん、みんなが優勝を狙って戦うが、ドライバーズチャンピオンがもう決まったので、優勝争いはさらに白熱すると思う。いいドライバーがたくさんいるからね。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:「ダニ・ソルド」の来年のプランは。来年もスポット参戦を希望するのか、あるいは参戦を増やそうと考えているか
DS:前から決めていることなので、変える必要はあるかな? 自分は稼ぐためだけにラリーをしているのではない。お金のためだけにラリーをしていたら、情熱を失ってしまう。ライバルとコンペティティブに戦いたいという気持ちがないのなら、止めるべきだ。来年、自分が走るかどうかはまだ分からない。正直、4戦に参戦するのも難しい時もある。まず先に解決しなくてはならないことや問題がたくさんあるんだ。

Q:セブ、スペインでは3勝しているが、ドライバーにとってこのイベントのチャレンジングなところは何か。来年はフル参戦する姿を見られるのか
SO:ダニと同じ質問には答えない。答えはかなり明確で、いまやっていることをとても楽しんでいる。半分だけ参戦するための選手権があってもいいかもしれないね。今年の参戦を6戦にするのは、自分の選択だった。変える必要はあるかな? 十分満足している。今年はとても楽しんでいるし、マシンに乗る時もフリーの時間も楽しんでいる。小さな子の成長を見ていると、プライスレスな瞬間がある。いまは、とても幸せなんだ。ラリーを愛しているが、選手権を戦うために何度も遠征したり深く関わりを持つほどの覚悟はできていない。今は、同じような形を続けていくのがいいと思っている。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:今回、新しいステージがあるが、どんな感じか
SO:通常スペインで見るよりも、カットが多い。特に天候の予測がハッキリしていないからね。金曜日は、スタート順が7番手なので難しい一日になるだろう。一方で、今年はいつもよりリラックスしている。ドライバーズタイトルを争っていないからね。もちろん、マニュファクチャラーズタイトル争いは続いているが、いい位置につけていると思う。多少リスクを負って挑むつもりだし、このスタート順では金曜日はそれが必要だと思う。

Q:トヨタは、今朝のシェイクダウンではタイヤ選択が当たっていた。この週末は、タイヤ選択がトリッキーになると見ているか。天気予報について、どう聞いているか
SO:シェイクダウンでは、ソフトタイヤがベストなのはかなり明白だった。他のチームは、週末に向けてソフトタイヤを温存する決断をした。自分たちは手応えを感じたよ。金曜日は、選択は簡単にはいかないかもしれない。もちろん、いつも通りパフォーマンスのカギとなる要素になる。正しい選択をして、すぐに上位争いを始めたいね。



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