ダカール2022:ステージ8はアウディのマティアス・エクストロームがトップタイム、セバスチャン・ローブは首位との差を7分短縮 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ダカール2022:ステージ8はアウディのマティアス・エクストロームがトップタイム、セバスチャン・ローブは首位との差を7分短縮

©DPPI / Red Bull Content Pool

サウジアラビアで開催中のダカールラリー2022は1月10日、アル・ダワディミ〜ワジ・アド・ダワシール間にステージ8(395km)が設定された。首都リヤド近郊を走行したルートのうち砂丘は24%と、今大会ここまでで最も高い割合となった。この難所でトップタイムをたたき出したのは、初めてのダカール参戦をフル電動パワートレーンのアウディRS Q e-tronで挑んでいるマティアス・エクストロームだった。RS Q e-tronにとっては、ステージ3のカルロス・サインツに続き、2度目のステージ勝利となった。

「砂丘では慎重になり、少し遅すぎたかもしれない。その後は、自信が高まるようになった。自分は走行を楽しめたし、エミル(ベルクビスト、コ・ドライバー)はステージを通じて見事なナビゲーションをしてくれた」とエクストロームは満足を見せた。

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アウディ勢は大会の後半戦に入ってから順調な流れを維持しており、ステファン・ペテランセルとサインツも、2番手タイム、4番手タイムをマークしている。
「このマシンをドライブするのが楽しいし、パフォーマンスを向上させるために全員で必死に取り組んでいる」とペテランセル。

このステージでは、総合2番手につけるセバスチャン・ローブがリードに立つ場面も多く見られたが、最終的にはアウディ勢に割って入る3番手タイムでこの日のステージをフィニッシュ。それでも首位ナッサー・アル‐アティヤ(トヨタ)との差を7分縮めた。
「楽ではなかった。最初から最後まで本当にハードにプッシュした。自分たちが道を開いていたので、前を走り続けてナッサーを追う形にはしたくなかったから、すぐにハードプッシュをかけ始めた。パンクが1回あり、ニュートラリゼーション(ステージ中盤のストップポイント)の前に懸命に交換したが、もう1本のスペアタイヤがなくなっていることに気づいた。新品タイヤが1本しかなかったので、終盤まではかなり慎重に攻めなくてはならずタイムもロスしたが、いいステージにできたと思う。ファビアン(ルルカン、コ・ドライバー)は常に適切なナビゲーションをしてくれてミスがなかったので、残りのステージもハードにプッシュしていける」とローブは意気込みを語っている。

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そのアル‐アティヤは、この日はエクストロームに10分遅れの11番手タイム。ローブとの間には39分のギャップを残しているが、この日はGRダカールハイラックスT1+にトラブルが発生。ダカールでは何が起こるか分からないという事実を予兆させた。
「ステージ後半の350kmは前輪駆動だけになってしまった。さらにトラブルが広がるのではと心配していたが、その後、最後の50kmはプッシュしようと決めた。最終的にはセブに対してのロスは7分で抑えることができた」とアル‐アティヤはこの日の進捗を語った。

DPPI / Red Bull Content Pool

一方、XレイドからMINI JCWバギーで参戦しているポーランドのヤコブ・ライゴンスキーは、この日を終えて総合4番手に浮上。バイクでのダカール参戦経験もあるライゴンスキーは、ここまでトップ10圏内のタイムを5回マークしており、依然としてポディウムフィニッシュも視野に入れている。

DPPI / Red Bull Content Pool

11日のステージ9は、ワジ・アド・ダワシールのビバーク周辺をループする287kmが設定。山や渓谷が多く、この日もナビゲーションが重要な鍵を握る一日となりそうだ。

日本勢では、ステージ7、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが走らせる2台のトヨタ・ランドクルーザー200は、三浦昂とロナルド・バソが市販車部門1-2タイムでフィニッシュ。累積順位でも総合41番手、総合46番手で部門1-2体制を維持しながら後半戦を滑り出した。
砂が柔らかいこのステージをスタックもパンクもなく走り切った三浦は「砂が柔らかくなり、急に難易度が上がった印象。幸い今大会から装着したTOYO TIRES製のタイヤは空気圧をそれほど下げなくても砂の中でグリップを発揮してくれるので、低空気圧によるパンクやリム落ちの心配なく砂丘を走れるのが心強い」と語っている。

日野チームスガワラの菅原照仁は、このステージで、今大会初めてトラック部門10番手タイムをマーク、累積順位も17番手を維持している。
エンジンの排気温度やエンジンオイル温度が高めで推移したため、出力を抑えながらの走行となったなどの場面もあったが、難しいナビゲーションも順調にクリアした。菅原は「リヤサスが良く動くようになり、キャパシタケースの振動が減ったこととあわせて、安定して乗りやすい状態に仕上がった。エンジンの問題があったが基本的には気持ち良く走ることができた。今日は堅いところも多く全体にハイスピードだったが、砂はとても柔らかかった」と語っている。

ASO / Florent Gooden / DPPI

2022ダカール暫定結果(ステージ8終了時点)
1 N.アル‐アティヤ(トヨタ) 27:45:52
2 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +37:58
3 Y.アル‐ラジ(トヨタ) +53:13
4 J.ライゴンスキー(MINI) +1:28:06
5 O.テラノバ(プロドライブ・ハンター) +1:31:39
6 V.バジリエフ(MINI) +1:40:57
7 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +1:46:05
8 M.プロコップ(フォード) +1:54:05



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