RALLY CARS vol.29 MITSUBISHI LANCER WRC04/05 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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RALLY CARS vol.29 MITSUBISHI LANCER WRC04/05

三菱WRCワークスの最後を飾った一台

ワールドラリーカー規定が導入されて4年──コンパクトカーをベースとしたマシンを次々とライバルが導入するなか、三菱が送り出した“ランサーエボリューションWRC”とその後を継いだ“ランサーWRC”は、期待された戦績を残せず。さらに三菱自動車本体の経営状態の問題もあり、ラリー最高峰の舞台から降りる苦汁の決断を下すこととなった。しかし、世界中の多種多様なラリーや唯一の母国参戦となった2005年ラリージャパンでスリーダイヤに向けられた声援の熱は今も冷めることなく続いている

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RALLY CARS GALLERY 
異形の翼 何者にも似ず──唯一無二

衝撃をもって世に迎えられたランサーWRC。ベース車両を想像することが難しいほどのエアロパーツは、過去登場したどのマシンにも似ていないスタイリングを生み出した。初期モデルの誕生から20年が経過しようという現在でもなお斬新なアプローチだと感じさせるに十分だ

[PLAYBACK the Rally Scene 2001-2005]槍は、折れず
倒れてなお立ち上がる

長年にわたり市販車とのつながりを重視したグループAで世界と対峙してきた三菱が送り出したワールドラリーカーは勝利を挙げられないまま──
葛藤も、悔しさも、忸怩たる思いも、すべてを飲み込んで5年の月日を走り続けたあれから15年以上が経ち、WRCが再び変革の時季を迎えるいま、彼らの刻んだ轍をたどろう

[Interview With Key Person]
マリオ・フォルナリス

三菱自動車のWRC活動復権の鍵を握る新しいWRカーを任されたのは日本ではまだほんど無名のイタリア人エンジニアだった。当時のチャンピオンチーム、プジョー・スポールでの経験を活かし、最新の思想と絶対の自信を持ってランサーWRCは設計されたが、技術的な課題以上に複雑な組織のしがらみで、その志は頓挫した

最初で最後の凱旋ラリー

2004年、日本で初めて開催されたWRCに出ることができなかった三菱ワークスは翌年、ランサーWRC05でラリージャパンに参戦。長年待ち望んだファンの夢が現実になった瞬間だった

Interview with
Gigi Galli
その先に見えていた、頂点。

ジジ・ガリが“ワークスカー”をドライブしたのはたった2シーズン。目に見える結果は残せなかったが、彼がランサーWRCで見せたスピードは世界中のラリーファンに“熱狂”を巻き起こすことになった。エース待遇を約束され、期待に溢れた06年を前に突如打たれたピリオド。失意に沈んだ日々を送ってもなお、彼は「最高の時代だった」と振り返った

LANCER WRC 05 in Belgium
ベルギーを舞台に走り続けるバン・ウンセルのランサーWRC05

慎重で控え目な佇まいのクリス・バン・ウンセルのキャリアは実に30年を超える。彼はシエラ、インプレッサ、ランサー、M3……様々なマシンを乗り継いできた。2015年に出会ったのが、かつて手の届かなかったランサーWRC05だった。以来6年、ガレージに飾るのではなく、ベルギー選手権という実戦を舞台に走り続けている

MITSUBISHI
Lancer Evolution WRC/Lancer WRC04/Lancer WRC05
Results Encyclopedia 2001-2005
イラストで見る、ランサーWRC全記録。

1997年から導入されたWRカー規定に乗らず、純然たる市販車ベースのグループAで戦い続けた三菱。その方針を変更したのは01年。ランサーエボリューションWRCで2シーズン、1年の休止を経て生まれ変わったランサーWRCで2シーズンを戦い、三菱はWRC活動に終止符を打った。

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