WRCスペイン:ヌービル「エンジニアが大胆な変更をプッシュしてくれた」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスペイン:ヌービル「エンジニアが大胆な変更をプッシュしてくれた」イベント後記者会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCスペインのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。滑り出しで苦戦した後、初日午後から一気に巻き返して会心の今季2勝目をマークしたヌービル。復調の影には信頼を寄せるエンジニアのサポートがあったことを明かした。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Hyundai Motorsport GmbH

ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
アンドレア・アダモ=AA(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT、チーム代表)

Q:ティエリー、スペインで今季2勝目をマーク、おめでとう。素晴らしいペースを見せたが、最初の3本はあまりよくなかった。その答えは見つかったか
TN:違いは、金曜日の日中にセッティング変更を行ったこと。エンジニアがもう少し大胆な変更を行うよう自分をプッシュした。それがいい決断で、すぐにマシンのフィーリングがよくなり、午前中に苦しめられていたアンダーを減らすことができた。その後は、かなり扱いやすくなり、クリーンないい走りをしてミスもなかった。これが最終的に勝利につながった。

Q:土曜日はほとんどのステージを制した。危ない場面はなかったのか
TN:ほとんどない。何度か軽くスライドしただけ。マシンがリヤからスライドした時の方が自信があったが、ほとんどはコントロールできていた。順調に進んで扱いやすさを感じている時は、勢いを止めるようなことはあまり起こらない。

Q:最終日はちょっとヒヤヒヤした。何が起きたのか
TN:文字どおり、マシンが燃えていた。炎が上がったが、これは今シーズン何度も直面している問題で、まだ解決していない。マシンが単にスタートしない時もある。運がよければまたスタートするし、しない時もある。しなければ、マシンをプッシュするしかない。ラッキーにも今回はリグループまでそう離れていなかったので、マルティンと自分でリグループまで押して、マーシャルの助けを得ることができた。たくさん人がいたので、助けを借りたらすぐにスタートした。パワーステージのスタート手前の2、3kmで雨が降って、水だらけになっていることは知っていた。ステージの終盤がどのようなコンディションになっているかは、知らなかった。序盤はドライであることは分かっていたので、自分に「いいリズムで行こう」といい聞かせていたが、湿り始めて、それからウエットになった。それでもフィーリングはよかったし乾いてきたので、リスクは負わずにクリーンでスムーズな走りに務めた。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:イープルでも勝利を収めた。シーズンを通してこの強さが出なかったのは、なぜだと思うか
TN:11戦でポディウムに7回上がっている。ポイントを獲れなかったのは一戦だけだし、それは自分がミスをしたから。ケニアではテクニカルな問題で高ポイントを逃したうえに、セバスチャンにマキシマムポイントを与えてしまった。あの段階で、差は60ポイントだった。選手権争いの面では決定的な場面だったし、ギリシャでは自分たちはパワステに苦戦した。結果として、自分たちが失ったポイントが決め手となった。自分たちはチームとしてプッシュをしてきたし、マシンの中でも全力を尽くした。マルティンはこの週末、見事な仕事をしてくれたし、グラベルクルーも素晴らしかった。

Q:エルフィン、2位フィニッシュでタイトル争いをモンツァまで持ち越した。金曜日の午前は素晴らしいペースだったが、その後、低調になったようだ。なぜか
EE:正直、明らかに変わったのは道のコンディションだと思う。1回目のループでは道はすごくクリーンで、レーシングカーのように走ることができたしフィーリングもよかった。でも午後は、路面のグラベルが増えて、マシンの扱いやすさを感じるのに苦戦した。真ん中のステージで危ない場面があり、自信の面ではかなりの痛手になった。少し改良を行ったが、それでマシンのバランスが崩れアンダーが出るようになってしまった。自分的には、フラストレーションの溜まる週末だったよ。

Q:タイトル争いはイタリアの最終戦に持ち越された。どう考えているか
EE:まだ可能性は残っていて、去年と似たような状況。どんな可能性もあるが、セブはスマートな人だということも知っているので、彼を抜かすためにはかなり大胆なことをしなければならないだろう。自分たちが何をしなくてはならないのかは、かなり明白だ。17ポイントはかなり大差だし、優勝した上でパワーステージも重要になるかもしれない。究極を言えば、自分たちがチャンピオンになるのは、セブがミスをするかトラブルに遭った場合だろう。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:ダニ、総合3位フィニッシュだ。最終日は本当にプッシュしてステージウインも連取した。どんな日曜日だったか
DS:かなりハッピーな一日だよ。週末を通してセバスチャンと、1秒、2秒レベルの激戦になった。最終日はとにかくプッシュして、このマシンのドライビングを楽しんだ。最初のステージで少しタイムを取り戻して、一日を終えたら上にいた。彼の前に残るためにもっとプッシュしたので、いい気分だよ。

Q:チームボスのアンドレア・アダモは、何度も日曜日に上位に追いつけと檄を飛ばしていたことを謝っていたが、彼は今日もやっていたのか
DS:アンドレアのことはみんな分かっている。彼がクレイジーになっている時も、いい感じの時も。彼の内面はとてもいい人だ。正直、この週末は彼からはメッセージはなかった。今日だけは、go、go、goと言い始めていたけど。彼はかなり落ち着いていたよ。初日はティエリーと同じように、自分も少しパフォーマンスに欠けていた。大違いだった。エルフィンは初日は素晴らしい速さを見せ、違うレベルにいたよ。

Q:コ・ドライバーのカンディード(カレラ)との関係はどうか
DS:次のラリーは変更する予定になっている。彼は素晴らしい仕事をしてくれた。夜のステージでの彼の仕事ぶりはとてもよかった。彼にとって初めてだったが喜んでいたし、初めてのポディウムにもハッピーだ。すべて、どんどんよくなっている。たくさん努力してくれた。とてもよかったよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:アンドレア、ここで2台のヒュンダイがポディウムに上がり、両ドライバーが50回目のポディウムフィニッシュを達成したリザルトをどう思うか
AA:まだタイトルの可能性を残して終えられたことが重要だ。ファイティング・スピリットを持つことが大切。最後まで戦い続けられるチームであること、どんなチームとの戦いでもすべての可能性を信じられることが要だ。この数週間、こうしたスピリットを見せてもらった。チームにはプレッシャーをかけたくなかった。私がこれ以上何かをする必要はなかった。今日はダニに檄を飛ばすことはなかったよ。もちろん「もし」と言えるものはある。でも「もし」というのは、負けた人が使う言葉であり、我々は負けてはいない。自分たちはどこにミスがあったかを把握しており、それが二度と起こらないようにしていく。モンツァは、このマシンでの最後のレースになる」

Q:新マシンの開発の進み具合はどうか
AA:順調だよ

Hyundai Motorsport GmbH

記者席からの質問
トム・ハワード(オートスポーツ、英国)
Q:見事だが、ほろ苦い勝利。もっと運が良ければタイトル争いに残れていたかもしれない

TN:言い換えれば、ケニアで勝ってここではポディウムに上がっていなかったかもしれない。自分たちは、一戦一戦を戦っている。もし、なんらかの理由でシーズンの序盤でうまく行っていなかったとしても、「たられば」を言っても仕方がない。最大限の努力をしたということが分かっていれば、それでいいと思う。人生の中で、運に恵まれた人というのはどこにでもいる。最終的に、自分たちはできる限りハードにプッシュした。目標を掲げてゴールを目指した。それを達成できたこともある。少なくとも、決してあきらめはしない。

Q:この週末をどう振り返るか。7ポイント差を縮めたのが相応か、それ以上獲れるべきだったか
EE:正直、もっと獲れてもよかった。なぜだったのか、その理由はすでにわかっている。2位でも上々のリザルトだし、この週末はティエリーがとても強かったし、自分たちは彼に張り合う速さを出せていなかった。モンツァに向けてよりいい準備をして、優勝争いができるようにしていかなくてはならない。

Q:今日は完璧だったが、土曜日から何が変わったのか
DS:土曜日はいい走りをしようと努力していた。自分的には、大きな違いはない。オジエとの差は本当に小さかった。彼の方が上にいた。土曜日はたぶん、カットが多くてもっとスリッパリーな場所があったのだと思う。こうしたコンディションでの自信がなかったのだが、最終日のステージはもっとクリーンでサーキットレースのような感じでよかった。

Q:アンドレア、今回(WRカーで参戦した)オリバー・ソルベルグ(総合7位)、ニル・ソランス(総合8位)をどう評価するか
AA:ふたりとも、自分が言ったとおりのことを果たした。ニル(スペイン出身)は道の知識があったので、それが役に立った。マシンのことを理解して楽しむことが課題だった。オリバーも、我々が伝えたことをまっとうしてラリーをフィニッシュし経験を積んだ。彼はこのラリーに参戦したことがなかったからね。コ・ドライバーも新しかった。彼にとっては楽なシーズンではなかったので、自信をつかむことが重要だった。

ジェイスン・クレイグ(Crash.net、英国)
Q:今季、ヒュンダイを悩ませた信頼性の課題について、新しいラリー1マシンでも課題になる部分なのか

TN:もちろん、選手権で勝つためには信頼性のあるマシンが必要。これは、この2シーズン、マニュファクチャラーズ選手権を制した時の、自分たちのマシンの強さだった。今年は、その部分が足りなかった。ヒュンダイがリードに立っていながらリタイアする場面を、何度も見た。理由はいろいろあるし、理由なく発生したこともあった。さっきも言ったように、顔を上げてプッシュを続けていく。自分はあと3年、契約を更新したし、新しいマシンは戦うのにふさわしいマシンだと確信している。

Q:ラリーGBがWRCカレンダーにないことに、不満を感じているか
EE:答えはYesだね。この国がカレンダーにないのは、大きな損失だ。ラリーGBがないのは、カレンダーにモンテカルロやフィンランドがないようなものだ。自分はウェールズ出身だから少し偏見があるかもしれないけど。でも、自分にとって名門イベントのひとつだし、あそこを楽しんでいるドライバーはたくさんいる。それに、英国のモータースポーツ界全体にとっても、母国でWRCが開催されることは、若手の育成や若者がスポーツに興味を持つきっかけになるためにも重要なことだ。本当に残念だよ。ライバルたちはみんな母国ラリーや近いイベントがあり、そこで勝っている。ティエリーはイープルでとても強かった。自分たちもウェールズであれだけ強かったし、その影響は考えてしまうよね。

Q:今晩は元チームメイトと祝杯を挙げるのか
(アンドレアス・ミケルセンのWRC2タイトル獲得が確定)
TN:WRC2タイトル獲得はめでたいね。Yes以外に答えはないんじゃないかな。自分たちが戻ってきた時、彼が一番に祝福してくれた。もちろん、いい場所を探すよ。

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