全日本ラリーモントレー:ターマック連戦の集大成となるラリーで 勝田範彦/木村裕介組が4位入賞 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリーモントレー:ターマック連戦の集大成となるラリーで 勝田範彦/木村裕介組が4位入賞

©TOYOTA

6月11日(金)〜13日(日)にかけて、群馬県高崎市を拠点に2021年全日本ラリー選手権(JRC)第6戦「MONTRE 2021」で、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組は4位、眞貝知志/安藤裕一組は6位で完走し、それぞれ入賞を果たした。

(以下プレスリリース)


モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)。2021年からはGRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスへの挑戦をスタートしました。

ターマック(舗装路)ラリー4連戦の締めくくりとなる今回のモントレーに向けて、チームは勝田選手のGR YARIS GR4 Rallyにリヤウイングを装着。さらにリヤサスペンションのセッティングなどに変更を加えています。2年ぶりの開催となるモントレーは、初日に1SS、最終日に2SSという変則的な構成。さらに3つのSSがそれぞれ20km前後という長距離に設定されている点が大きな特徴です。距離の長い舗装路での全開走行は、タイヤやブレーキにも厳しく、いかにその機能を維持できるかが勝負の鍵となりました。

ラリー初日は午前中にコース試走を行い、16時48分から21.77kmのSS1がスタート。勝田選手は慎重なペースを守りながらも、首位から7.8秒差の3番手タイムを記録します。眞貝選手も7番手タイムでまとめました。19.75kmのSSを午前と午後でリピートするラリー2日目、SS2はドライ路面、SS3では雨が降りウェット路面という難しいコンディションにおいて、勝田選手は前日からひとつ順位を下げた4位でフィニッシュ。眞貝選手はひとつ順位を上げて6位でラリーを走り切っています。

TOYOTA

■豊岡悟志(チーム監督)
今回のような変則的なラリーは初めてで、リズムをつかむのがとても難しかったですが、ラリー中にも多くの気づきがあり、課題をいくつも持ち帰ることができました。今回は勝田選手のクルマに空力パーツを装着しましたが、このように実戦で効果をテストした部品を、市販品としてお客様に提供できるようなサイクルを回していくことも我々の仕事だと考えています。次からグラベル(未舗装路)ラリーが続きますが、それぞれ路面状況が違い、走れば走るほどクルマの課題が見つかると思います。また、メンバーの多くがグラベル初体験でその対応力を試されますが、困難を乗り越え、さらにたくましく成長してくれることを楽しみにしています。

■勝田範彦(ドライバー)
今回のラリーは最終日の途中にサービスの時間が設けられていなかったため、自分でサスペンションのセッティングやリヤのアライメントを変更してウェット路面のSS3を走行しました。良い感触だったのですが、3位まで0.9秒届かず残念です。今後のグラベルラリーに向けたテストは少しずつ始まっていますし、手応えも感じています。ただ、やはり実戦でないと分からない部分はたくさんありますし、ドライバーも頑張らないといけません。

■眞貝知志(ドライバー)
初日のステージは前半がとても良い感覚で走行できた一方、ドライビング的に車両への負荷が大きすぎるようで後半ペースを維持できませんでした。また最終日は日陰やコケのある部分で躊躇してしまうなど、私自身の課題を感じました。GR YARIS GR4 Rallyが格段に良くなっているのは間違いありませんし、ターマック連戦をトップ陣とのタイム差を縮めながら完走で締め括ることが出来ましたが、グラベルラリーになる次戦のカムイからは、新しいシーズンが始まる気持ちで挑みます。今年の終盤には再びターマック連戦があるので、そこでは思い切った走りをしたいですね。

■宮本昌司(チーフメカニック)
今回のような長距離SSは、テストでは再現できませんし、GR YARIS GR4 Rallyにとって未知の経験になりました。その分、得られたものも大きかったと思います。今回明らかになった課題は、グラベルラリーの準備と並行して改善を図り、終盤戦に備えます。グラベルラリーでは砂利の上に板を敷いた不整地での整備作業も行われるため、テストの段階からそうした状況を想定して準備を進めていきたいと思います。

■土井崇司(GRプロジェクト推進部)
まずは新型コロナウイルス感染拡大下において、ラリーを開催していただいた主催者や関係者の皆さんに感謝いたします。今回でターマックラリーにはひと区切りがつきますが、足まわりや駆動系のセッティングなど、様々な改善策をクルマに盛り込めたと考えています。勝田選手と眞貝選手からも『クルマとしてのバランスが取れてきた』と言っていただけました。ただ、まだまだ改善点はたくさんあります。次戦からのグラベルラリーにも、エンジニアリングの面でしっかりと対応していきたいと思います。

モントレー2021 JN1クラス最終結果
1 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5) 45:37.8
2 柳澤 宏至/保井 隆宏(シュコダ・ファビアR5) +5.5
3 鎌田 卓麻/松本 優一(スバルWRX STI) +30.4
4 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally) +31.3
5 奴田原 文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス) +40.3
6 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally) +1:38.3
7 嶋村 徳之/和氣 嵩暁(トヨタGRヤリス) +3:02.7
8 山本 悠太/立久井 和子(トヨタGRヤリス) +3:03.0
9 今井 聡/厚地 保幸(三菱ランサーエボリューションX) +3:17.8
10 徳尾 慶太郎/石田 一輝(トヨタGRヤリス) +4:56.6
参戦11台、完走10台



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