WRCクロアチア:オジエがエバンスとの大接戦を制して優勝 。選手権首位に返り咲く – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCクロアチア:オジエがエバンスとの大接戦を制して優勝 。選手権首位に返り咲く

©TOYOTA

4月25日(日)、WRC第3戦クロアチア・ラリーの最終日デイ3が、首都ザグレブのサービスパークを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシアが優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合2位でフィニッシュした。

以下チームリリース


クロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークの北側で2本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は78.58kmでした。最終日もザグレブ周辺は好天に恵まれ、ドライコンディションでの戦いになりました。デイ3は首位のオジエを総合2位のエバンスが6.9秒差で、総合3位のライバルが10.4秒差で追う状況でスタート。最初の2本のステージはエバンスが連続でベストタイムを記録し、リエゾン(移動区間)でのロードアクシデントでクルマの右サイドと空力パーツにダメージを負ったオジエを抜かし首位に立ちました。アクシデントでは怪我をした人が誰もいなかったため、オジエは競技を続行しましたが、ふたりのタイム差は最終ステージが始る前の時点で3.9秒、オジエと総合3位のライバルは4.1秒差でした。

そして迎えた最終ステージのSS20は、トップ5タイムを記録した選手とチームにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」。エバンスよりも先にスタートしたオジエは、渾身のアタックでその時点で最速のタイムを刻み、エバンスを待ちました。エバンスは最後のセクションまで首位を守りきれるくらい速いペースで走行していましたが、フィニッシュ付近のコーナーでラインが膨らみタイムロス。ベストタイムのオジエから4.5秒遅れの4番手タイムでステージを走り終え、僅か0.6秒差で総合2位に。オジエが、逆転で開幕戦モンテカルロ以来となる今季2勝目を獲得しました。0.6秒というタイム差は、WRCの歴史において史上3番目の僅差でした。

オジエはパワーステージを制したことで、最大となる5ポイントをボーナスとして獲得。ドライバー選手権で首位に復帰しました。また、エバンスはドライバー選手権で単独3位に。オジエとエバンスが1-2フィニッシュを飾ったことで、チームはマニュファクチャラー選手権トップの座を守り、2位のライバルチームとの差を27ポイントに拡大しました。

なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、安定した走りで最終日の4ステージを走行。前日よりもひとつ順位を上げ、開幕から3戦連続となる総合6位でフィニッシュしました。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
今日のように、選手たちが優勝をかけて戦っている状況で、ステージ上の出来事を追うのはとても緊張しますし、興奮します。エルフィンは最後のコーナーで少しだけはみ出し、結果的にそこで勝負が決まってしまったのはとても残念ですが、彼もセブもプッシュしなくてはならなかったと思いますし、セブの最終ステージの走りは見事でした。彼らの今週末の戦い、そして今回も1-2フィニッシュを飾りチームに素晴らしいリザルトをもたらしてくれたことを誇りに思いますし、とても満足しています。

セバスチャン・オジエ
まるでジェットコースターのように、感情が大きく揺れ動いた週末でした。何よりも重要なのは、今朝のロードセクションでのアクシデントで、怪我をした人がいなかった事ですし、私にとってはそれが最大の気がかりでした。私のラリーはそこで終わってしまうのではないかとさえ思いましたが、クルマのダメージはそれほど大きくなく、競技を続けることができました。あれだけのことが起きたので、優勝できるとは思っていませんでしたが、皆さんが知っているように私は決して諦めない男ですし、最後まで戦い続けようとしました。今週末、良い仕事をしていたエルフィンには同情していますし、特に今朝は強かったです。しかし、我々もこの週末ペースは良かったのに、いくつか問題が起きその都度タイムを失いました。チームのために、今回も1-2で表彰台に立つことができて、嬉しく思います。

エルフィン・エバンス
最後のステージでラリーをリードしていながら、総合2位で終わるというのは望んでいた結果ではありません。最後のステージでセブが本当に速かったのは事実ですが、私は最後のコーナーでミスをしてしまいました。とても悔しいですが、決して悪くない結果だと思いますし、チームにとっては非常に良いリザルトです。チームはセブと私のためにとても良い仕事をしてくれましたし、今週末は素晴らしいクルマを用意してくれました。最初から最後まで全力で戦い、ラリーを楽しむことができました。

<<クロアチア・ラリー デイ3の結果>>
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h51m22.9s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +0.6s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +8.1s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m25.1s
5 アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ WRC) +3m09.7s
6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +3m31.8s
7 ガス・グリーンスミス/クリス・パターソン (フォード フィエスタ WRC) +3m58.8s
8 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +4m28.2s
9 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン (シトロエン C3 Rally2) +10m00.8s
10 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (フォード フィエスタ Rally2) +10m29.3s

TOYOTA


<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、5月20日から23日にかけてポルトガル北部のマトジニョスを中心に開催される、第4戦「ラリー・ポルトガル」です。2年ぶりに開催されるこのイベントは、今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーです。また、今シーズンからワンメイク供給されるピレリのグラベル用タイヤを装着して臨む最初のラリーとなるため、チームとドライバーにとっては新たなる挑戦となります。ポルトガルのステージは路面に砂や石が多く、1回目の走行では砂に覆われていた路面が、2回目の走行では砂が掃けて下から石が現れ、深い轍(ワダチ)も刻まれるなど、コンディションが大きく変わるのが特徴です。



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