【ワールドラリーカレンダー2019】小林カメラマンが語るカレンダー裏話 -前編- – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【ワールドラリーカレンダー2019】小林カメラマンが語るカレンダー裏話 -前編-

©Naoki Kobayashi

小林直樹カメラマン撮影のWRC写真で彩る「ワールドラリーカレンダー2019」。

掲載されている写真について、小林直樹カメラマンのひと言コメントとともにご紹介してまいります。今回は表紙と1月〜4月まで。

WORLD RALLY CALENDAR 2019
ワールドラリーカレンダー2019

A2変形判・13ページ・オールカラー
撮影: 小林直樹
発行: 合同会社サンク
価格: 2,800円(税込)

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表紙

オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC フィンランド

表紙はラリーフィンランドのオィット・タナックです。ここは名物ステージであるオウニンポウヤのSSのなかで一番ギャラリーが集まるポイントです。今年はオウニンポウヤという名前ではなくなり、名物のジャンプがなかったので、午前・午後ともこの場所で撮影しました。このポイントには毎年必ず来ますが、ここは撮りようが色々あるので、構図を少し変えたり、太陽の向きを考えて撮影しています。

構図としては大勢のギャラリーとフラッグが一番多く入る位置を狙って撮っています。光も狙いどおりに入りましたし、グラベルの埃のたち方、入り方も計算にいれて撮影しています。

1月

ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC モンテカルロ

1月はモンテカルロ、カジノ前のスタートシーンです。いつもはカッチリ止めて撮るのですが、その場で流し撮りに変更しました。流すと言っても、カジノだと分かるくらいの流し撮りですね。自分ではストロボを焚かず、人のストロボをもらってクルマにピントが合うところを狙いました。

奥の建物はホテルなのですが、実は改装中で、足場の外側のシートに建物の絵が描いてあるんです。それをはっきり見せるのもな〜、ということもあり、流し撮りにしたんです。左の建物がカジノで、ギャラリーの様子や全体の雰囲気を入れたいと思ったので、カメラマン用スタンドから俯瞰気味で撮影しています。

ここに来るといつも「WRCが今年も始まるぞ」と感じますね。

2月

ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC スウェーデン

最近のスウェーデンは雪が減っていて、開催エリアをノルウェーの北側にけっこう移動しているんですよね。それにここ数年は雪壁のあるところも少ないから、マシンに雪がくっつかないんですよ。

この写真は、道の感じもいいんですが、小さなギャップがあってマシンがはねるポイントを狙って雪景色を入れ込みました。実は雪のラリーって、当日行ってみないと分からない部分が多いんです。この写真も、下見の時より木々の雪が落ちてしまっているんですが、雪煙が立っていること、フラッグがあること、近くでお客さんが観ていることがポイントになったと思います。

今年は天気があまり良くなかったので、どんよりとした空が続いていました。青い空と白い雪が撮れなかったのが少し心残りですね。

3月

セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC ツール・ド・コルス

これはツール・ド・コルスの土曜日の写真ですね。コルシカの古い町並みの中で撮りたかったので、集落を抜けていくところを撮影しました。レッキの段階から村の中で撮りたいと考えていたので、この場所はいくつかの候補のうちのひとつですね。

石壁を手前に入れて奥行きを出す感じをテーマにしました。ちょうどギャラリーとコルシカの旗もバックに入り、良い感じになったと思います。ちなみにここはリエゾンではなくスペシャルステージなんです。手前の壁から1段上がったところの民家の玄関口で撮らせてもらいました。段差があるとはいえ、ターマックラリーでここまで近いとちょっと怖いですね。

4月

セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ シトロエンC3 WRC ツール・ド・コルス

引き続きこちらもコルシカですね。サービスは狙って撮影する場合と、偶然撮りたくなって撮る場合がありますが、これは偶然撮影タイミングが合ったものです。ローブのサービスを覗いたら、マシンに当たる光と、メカニックの作業風景が綺麗だったので、スローシャッターで狙ってみました。人が動くことで静と動がうまく絡んでくれたと思います。

最近では、六角テントでやっていた時代と違って、サービスの風景がどんどん撮りづらくなってしまっています。引いて撮影できる場所は本当に限られてしまいますから、なかなかチャンスがない。WRCの撮影時は三脚を持ち歩いていないので、この写真は地面にカメラを置いて長時間露光です。撮影を始めたら数カットで左側のタイヤが移動されてしまったんですよね。タイヤがあるとないとで比べると、置いてあった方が断然臨場感が出ます。だから、気づいたらすぐに撮らないとダメですね。いいなと思う瞬間は長く続きませんから。

余談ですが、ローブっていうだけで撮りたいという気持ちになるんですよね。申し訳ないけどブリーンだったら撮らないかもしれない(笑)。カメラマンの気持ちをそそるというか、かき立てるドライバーであるということを、ローブが久々にWRCに帰ってきてそう思いましたね。


ワールドラリーカレンダー2019は、ラリー北海道のラリプラブースにて初お披露目、販売スタートです。会場でお手にとってじっくりご覧いただけますのでお楽しみに! 小林カメラマンも現地入りする予定ですので、運が良ければ会えるかも?

さらに、現地に来られない方はオンラインでご注文いただけます。しかも今なら送料無料になる先行予約キャンペーン中! 対象は13日(木)のご注文分まで! ご購入は下のボタンからどうぞ。

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