WRCポーランド:トヨタ、初の超高速グラベルラリーに3台体制で挑む – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCポーランド:トヨタ、初の超高速グラベルラリーに3台体制で挑む

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racingは、6月29日(木)から7月2日(日)にかけて開催されるWRC(FIA世界ラリー選手権)第8戦ラリーポーランドに、ヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネン、エサペッカ・ラッピの、3台のヤリスWRCで参戦する。

ラリーポーランドは、非常にハイスピードなグラベルステージを特徴とする。SSの平均時速は、WRCを代表する超高速イベントであるラリーフィンランドに迫り、今シーズンこれまでに行われてきた他のグラベルラリーとは、コースのキャラクターが大きく異なる。そのため、チームはラリーポーランドを新たなるチャレンジと位置づけており、ヤリスWRCの総合性能をさらに高める良いチャンスと捉えている。

ポーランドのSSは緩やかなハイスピードコーナーが多く、アクセルの全開区間が長い。目の細かい砂状のグラベルに覆われた路面は全体的に軟らかめで平坦。ラリー・フィンランドのグラベルコースと共通点が多いが、道幅は全体的にフィンランドよりも狭く、大きなジャンプも少ない。

ラリーの中心となるのは、ポーランド北東部のミコワイキ。競技はミコワイキに設けられた全長2.50kmのスーパーSSコースで6月29日(木)にスタートし、翌日30日(金)から、ミコワイキ周辺で本格的なグラベルのSSが行われる。そして30日(金)、7月1日(土)ともに1日の最後には、ミコワイキでのスーパーSSが予定されている。競技最終日の2日(日)には4本のSSが設定され、最終ステージとなるSS23がパワーステージとなる。4日間を通して走行するSSの数は23本で、その合計距離は326.64km。リエゾンも含めた総走行距離は1422.63kmに及ぶ。

ラリーポーランドを前に、チームはポーランドと似たコース条件が得られるエストニアでグラベルテストを実施。3名のドライバーはヤリスWRCの改善に注力した。

TOYOTA

トミ・マキネン(チーム代表)
「ポーランドは、これまでのラリーとは違う新たなる挑戦となり、興味深い戦いになるでしょう。コースはフィンランドと似ている部分もありますが、ジャンプが少なく、路面が軟らかいのが特徴です。我々のヤリスWRCは空力性能の高さが強みです。ハイスピードなポーランドの道は、車を鍛える良い舞台となるでしょう。ここ数戦はクルマに大きな負担がかかるグラベルラリーが続きましたが、ポーランドはそれほど苛酷ではないと思います。もっとも、実際にコースを走ってみないと分かりませんし、私はラリーポーランドに出た事がないので予想は難しいですが。選手は皆、どのように戦うべきかを十分に理解しているので、私としては、彼らが目標に向かって集中力を保てるようにサポートしていきます」

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
「エストニアでは、ポーランドに向けた、とても良いテストができました。テストでは雨の走行も行いましたが、ポーランドでは去年も最終日に雨が降り、今年のラリー期間中も暑い日が続いた後には降雨の可能性があるので、とても有効だったと思います。テストでは主にダンパーの改善を進めた結果、特にクルマの安定性の向上に手応えを感じました。我々はフィンランドのハイスピードな道でヤリスWRCの開発テストを続けてきたので、速度の高いポーランドの道との相性は良いのではないかと思います」

ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
「しっかりと準備をして臨んだ、前戦ラリー・イタリア サルディニアではクルマの進化に満足しました。我々のクルマは、速度の低いラリーよりも、高いラリーのほうが合っていると思うので、ポーランドに関しては自信を持っています。速度の高いラリーではセットアップをあまり気にする事なく、運転に集中する事ができます。テストでは、これまでも改良を続けてきたサスペンションにさらに変更を加え、良い反応を得る事ができました。グラベルラリーで問題となる出走順に関しては、サルディニアほどは大きな差が出ないと思いますが、それでも金曜日は重要な1日となるでしょう」

TOYOTA

エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
「ポーランド前に行ったテストは、私にとってとても意味のあるものでした。低速なサルディニアのコースとはまた違う、アクセル全開のハイスピードな道で経験を積む事ができたからです。実際のポーランドの道は路面が少し砂状で軟らかいと思いますが、それでもテストで走った道との共通点は多いと思います。サルディニアでは良い結果を得る事ができましたが、ポーランドの道は性質が全く異なるので同じような結果が出せるかどうかわかりませんが、全力を尽くします。ミスのない走りを続け、トラブルなくフィニッシュを目指し、できるだけ多くの学びを得たいと思っています」

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