トミ・マキネン「ヤリスWRCの修正は前半戦には完了する」トヨタWRC緊急インタビュー後編 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

トミ・マキネン「ヤリスWRCの修正は前半戦には完了する」トヨタWRC緊急インタビュー後編

©Hiroyuki Takii

2月2日(木)に開催されたTOYOTA GAZOO Racingプレスカンファレンスのために来日したトミ・マキネン。RALLYPLUS.NETの単独インタビューに応じてくれた。今日はその後編をお届けする。

インタビュー前編はこちら。
トミ・マキネン緊急インタビュー【前編】

──ラリーモンテカルロのスタート前、FIAからヤリスWRCのトップマウントと、エンジンのインテークバルブについて指摘があったと聞いています。一部ネットサイトでは“違反があった”と話が流布されていましたが、実際は何があったのでしょうか。
「まずトップマウントに関して説明しよう。最低ポイントを計測する際に、シャシーをレールに乗せてトップマウントとの長さを測るのだが、フロントがわずかに低かった。これは、いわば計測する際に、どこからどこを計測するのか、という見方の解釈の違いだ。その値がホモロゲーションペーパーと異なったので、指摘を受けたということだ。

もちろんFIAは正確性を重んじる。とはいえ、修正を急がせることもしなかった。なぜなら、安全性の確保が最重要だから、強度を慎重に分析した上で修正しなくてはならないからだ。それに、パフォーマンスに影響する部分でもなかった。基本的に、シャシーを12mm低くすると考えてもらえばいい。それは重心高という意味で言えばわずかながら我々にとってポジティブな方向だ。これはスウェーデンまでに修正が完了する。

次にエンジンのインテークバルブだ。これは製造工程の段階で差異があった。ホモロゲーションペーパーでは最大3つのパーツで作られていることになっているのだが、インテークバルブは、何らかの理由で4つのパーツで作られていた。完成した部品はホモロゲーションシートとまったく同じだが、その製造工程が異なっていたということだ。

サプライヤーにも変更の時間が必要だ。4戦までは現状のパーツでいいという許可をFIAから与えられているので、第5戦のアルゼンチンから修正版になる。もちろん、あまり聞こえのいい話ではないとは思うが、一部のネットサイトが事実を誤認して伝えてしまった。もちろん、違反ではないからこそ、FIAはスタートを認めたのだからね」

──TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元、新井大輝、足立さやかが、今シーズンの初戦を終えました。報告は受けていますか?
「3人とも、よく頑張ったと思う。トップ勢とのタイムを私が細かく比較する時間は、まだ取れていないが、この調子でスウェーデンにも取り組んでもらいたい。WRC2の中でも高速のイベントだし、長いラリーだから経験もたっぷり積める。そこから、膨大な情報を得ることもできるからね。大きく成長できるだけの、十分な距離がある。

勝田と新井については、去年もアークティック・ラップランドラリーに参戦しており、今回は自信を持って臨んでいたと思う。トップドライバーとの差も、悪くない。色々とドラマはあったようだが、基本的な速さ、パフォーマンスはいいと思う。

彼ら3人に必要なのは、とにかく経験を積んでいくことだ。ラリーは何より、経験を必要とする競技だからね。走行経験を1kmでも多く重ね、クルーのコンビネーションを高めていく。彼らはまだ若いから、より経験が必要だ」

──今季最初のグラベル戦はメキシコになりますが、それまでにどれくらいグラベルテストを予定していますか。
「我々は基本的にフィンランドでテストを行っているが、今は雪が積もっている。なので、スペインの高地でメキシコ向けのテストを行う予定だ。時間は限られているが、ヤリ‐マティには多少、期間を長めに設定して、ヤリスWRCのグラベルでの走行に順応させる時間を取らせたいと思っているよ」


注目のWRCラリースウェーデンは日本時間2月10日(金)早朝4:08にスタートする。



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