ランチア伝統の「フライングエレファント」をあしらったHFロゴが復活、ラリー復帰の旗印となるか – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ランチア伝統の「フライングエレファント」をあしらったHFロゴが復活、ラリー復帰の旗印となるか

©LANCIA

ランチアは、今後ランチアブランドのハイパフォーマンスバージョンに使用するHFロゴを発表した。最初に採用されるモデルは、2025年に登場する新型ランチア・イプシロンHFとなる。

ランチアのブランドCEO、ルカ・ナポリターノは、「映画『栄光のレース』がイタリアの主要映画館で公開されるにあたり、ランチア・イプシロンHFの新しいロゴを発表できることをうれしく思う。このロゴは、新型ランチア・イプシロンHFで初めて採用され、今後ランチアのハイパフォーマンスバージョンにも使用していく。我々は、ブランドの最も荒々しく先鋭的な魂と、パフォーマンスモデルに集中するというコミットメントを主張するために、ルネッサンスへの道をさらに一歩前進させるつもりだ。ラリーに復帰するかって? まさにそれに取り組んでいるところだ」と語っている。

今回のロゴ製作にあたり、ランチア・チェントロ・スティーレ(ランチアデザインセンター)は、HFオリジナルのロゴを現代的に再解釈。特に、HFのロゴの色である白、赤、黒は今回も使用し、グラフィック要素を加えることなく、ランチアブランドらしい幾何学的形状を尊重しながら、シンプルに、より純粋なものにされている。色は、1966年のフルビア・クーペの公式ロゴのもの、文字の傾きは1990年代のランチア・デルタのロゴのもので、スピードと先鋭性を表現している。

この新しいHFのロゴは“プログレッシブ・クラシック”と名付けられ、過去と未来の完璧なバランスを保ちながら、小象と頭文字で構成される歴史的ブランドの特徴的な要素が、未来へ向けて再解釈されている。ブランドの構成要素は、ランチアの伝統のシンボルであり、現在ではラインと形状の両面においてシンプルになり、折衷主義的なタッチで革新性、プレミアム性、イタリアらしさを表現できる新しいバランスを生み出している。

HFのロゴは、1960年のジュネーブ・モーターショーで、情熱的なランチア・オーナーのグループが、ランチアの新車を6台以上購入した人だけが参加できる 「ランチア・Hi-Fi」クラブ(Hi-FiはHigh-Fidelity=高い忠誠の略)を設立した際に、初めて登場した。イニシャルの「HF」は、フラミニア・ピニン・ファリーナ・クーペ、フラミニア・スポーツ・ザガート、フラビア・クーペなど、ランチアのスポーツモデルに初めて採用された。その後、1963年の2月、チェザーレ・フィオリオは、数人のドライバーや情熱的なランチア車オーナーとともにHFランチア・レーシング・チームを設立した。 チームのロゴは、黒地に白抜きの大文字「HF」、マスコットとして走る4頭の赤い象、その下に赤地に白抜きの大文字「SQUADRA CORSE」で構成されている。66年の伝説的なフルビア・クーペHFがその最初のモデルで、数え切れないほどのラリーでの勝利が思い出される。

HFランチア・レーシング・チームの誕生以来、ランチアHFマシンは数え切れないほどの成功を収めた。1972年、フルビアHFは、翌年からWRCとなる国際コンストラクターズ選手権を制した。WRC時代になると、1974年には同じフルビアHFとストラトスHFが、1976年から1977年の2年間はストラトスHFが優勝し、1987年から1992年にかけては、4WD、8V、16V、エボリューションとさまざまなバージョンで優れた性能を発揮する全輪駆動の象徴的なモデル、デルタHFが6連覇を達成した。

ビンチェンツォ・ランチアの息子で、1949年から1955年までランチアのCEOを務めたジャンニが、1953年に幸運のお守りとして小象を選んだという伝説がある。そこには、一度競争が始まると象を止めることはできないというアイデアが意図されているという。疾走する象のシンボルは、当初は青色で描かれ、その後赤色で描かれるようになったが、これは東洋神話に由来するもので、象の鼻が前に長く伸びている表現は、幸運と勝利のシンボルになるとされているようだ。



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