WRCモンテカルロ:トヨタのエルフィン・エバンスをチームメイトのセバスチャン・オジエが猛追 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCモンテカルロ:トヨタのエルフィン・エバンスをチームメイトのセバスチャン・オジエが猛追

©Toyota GAZOO Racing WRT

WRC開幕戦ラリーモンテカルロは、1月26日にSS3〜SS8を走行。この日を終えて、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは総合首位の座を守っているが、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが追い上げて総合2番手に浮上。両者の差は4.5秒と激戦になっている。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは、SS3でコースアウトを喫しタイムロス。総合12番手に後退しているが、今季からポイントシステムが変更になり、日曜日はこの日単独の順位で上位からポイントが与えられるため、勝田もこのチャンスに望みをかけることができそうだ。

(以下チームリリース)


WRC 第1戦 ラリー・モンテカルロ デイ2
フレンチ・アルプスを舞台に激しいバトルが展開
エバンスが首位を守り、オジエは総合2位に順位を上げる

1月26日(金)、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの競技2日目デイ2が、フランス南部ギャップのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)が総合1位を守り、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合12位につけました。

Toyota GAZOO Racing WRT

ラリー・モンテカルロは前日モナコでのセレモニアルスタートで開幕し、フランスの山岳地帯で2本のナイトステージが行われました。競技2日目となるデイ2は、サービスパークを中心にギャップ周辺の山岳地帯で3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は105.72kmでした。戦いの舞台がデイ1よりも北側のエリアに移動したこともあり、ターマック(舗装路)のステージには凍結していたり雪が残っているセクションが多くありました。さらに、一部のコーナーではインカット走行により路肩から掻き出された泥や砂利が路面に広がり、非常に滑りやすくトリッキーなコンディションのステージでの戦いになりました。

デイ1で2本のベストタイムを記録し、15.1秒のリードを築いて首位に立ったエバンスは、確実性の高い走りでデイ2を走行。ミスを回避しながらも全てのステージで2、3番手タイムを刻み、首位の座をしっかりと守りました。一方、前日エバンスと21.6秒差の総合3位につけたオジエは、地元の山岳ステージで本領を発揮。2本目のSS4で今大会初となるベストタイムを記録し、続くSS5では2番手タイムのエバンスに11.2秒差のベストタイムで総合2位にポジションアップ。さらに、日没後のナイトステージとなったデイ2最終のSS8でも最速タイムで走破し、エバンスとの差を4.5秒に縮めてデイ2を締めくくりました。ただし、オジエの11.6秒後方にはティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がつけているため、明日も激しい上位争いが続くことになりそうです。

一方、デイ1で総合6位につけた勝田は、SS3の凍結したコーナーでコースオフ。そのコーナーでは多くのドライバーが同様にコースオフを喫しましたが、勝田は観客の助けを得てコースに復帰するまでに5分程度を要してしまい、総合19位まで順位を下げました。しかし、その後のステージを勝田は5、6番手タイムで走行。総合12位まで順位を挽回して一日を終えました。

Toyota GAZOO Racing WRT

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
エルフィンもセブも、今日はとてもいい一日でした。朝はエルフィンの方が強かったと思いますが、その後セブが追い上げ差は縮まりました。ティエリーもプレッシャーをかけ続けていますし、このような接戦状態でラリー3日目を迎えるのは誰にとってもエキサイティングなことです。コンディションは簡単ではなく、路面がドライであればスピードは非常に高くなりますが、アイスバーンではどれくらい速度を落として走ったら良いのか分かりにくくなります。だからこそ、今朝のアイスで覆われたコーナーでは多くのドラマが起こったのです。残念なことに貴元はそのコーナーでスタックしてしまい、多くのタイムを失いました。彼の現時点でのターゲットはクリーンなドライビングを続け、日曜日にプッシュしてポイントを獲得することです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
コンディションの変化が非常に大きく、難しい一日でした。ドライのセクションが多くあった一方で、ところどころにアイスバーンがあり、ダートが多く出ているところもあるなど、グリップレベルに大きな差がありました。チャレンジングな一日でしたが問題なく走り切ることができてハッピーです。後方の二人は非常に速く、タイム差も小さいですが自分たちはまだいいポジションにつけています。セブとティエリーとは、過去にも何度かこのような順位関係になったことがあるので、彼らと再び戦えることを嬉しく思います。今の調子を維持し、自分たちのリズムを守って戦い、どうなるのか様子を見たいと思います。

Toyota GAZOO Racing WRT

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
今日、少しでも反撃できたことはもちろん嬉しいです。昨晩は少し苦戦したので、出走順によって不利な状況になることを危惧していましたが、決して諦めはしなかったですし、トップとの差を縮めることができたので良かったです。ループの3本目のステージはかなり難しかったですが、上手く走ることができたと思います。あのステージは日曜日にもう一度走りますが、既に多くのダートが路面に出ているので、きっと大きなチャレンジになるでしょう。ただ、その前に明日の長い一日を戦わなければなりません。これからの二日間は面白くなりそうですし、戦いに参加できていることを嬉しく思います。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今朝のコンディションはとてもトリッキーで、ひとつのコーナーは多くのアイスで覆われていました。コーナーの入口部分はアイスがかなり溶けていたので、やや高いスピードを維持して進入したのですが、コーナーのミドル部分はアイスが磨かれた状態になっていて、グリップを失ってどうにもできない状態になり、アウト側の溝にはまり込んでしまいました。幸いにも大勢の観客が助けてくれたので道に戻り走り続けることができましたが、とても悔しいです。このまま走り続けて自分のドライビングを改善し、日曜日に向けていいセットアップを見つけたいと考えています。ポイントを獲得するチャンスはまだあるので、それが現時点でのターゲットです。

ラリー・モンテカルロ デイ2の結果
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 1h25m28.9s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4.5s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +16.1s
4 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m13.6s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m38.0s
6 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m58.9s
7 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +3m27.1s
8 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シトロエン C3 Rally2) +5m18.9s
9 ペペ・ロペス/ダビド・バスケス (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m20.2s
10 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +5m25.1s
12 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +6m56.3s
(現地時間1月26日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技3日目となる1月27日(土)のデイ3は、ギャップのサービスパークの西側エリアで、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち全長20.04kmのSS10/13「レ・ノニエール/シキリアンヌ」は、1997年以降初めて使われるステージです。6本のSSの合計距離は120.40kmと4日間で最長、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は504.09kmとなります。



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