ダカールラリー2024年大会のミッション1000部門に日本の「HySE-X1」が参戦 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ダカールラリー2024年大会のミッション1000部門に日本の「HySE-X1」が参戦

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ダカールラリーは、2024年1月5日〜19日にサウジアラビアで開催する24年大会のルート詳細を発表。この中で、21年に立ち上げた「ダカール・フューチャープログラム」の一環として、24年大会に設定する新カテゴリー「ミッション1000」のプレゼンテーションを行った。

「ダカール・フューチャープログラム」としては現在、アウディがハイブリッドマシンで総合優勝を争う活躍を見せるなど、合成燃料の使用は拡大し続けている。様々なプロジェクトが火花を散らし、成熟に近づいていく中で、ダカールは、2030年に代替エネルギー全面普及を目標としており、「ミッション1000」への挑戦は、この野心に一石を投じるものとしている。

「ミッション1000」は、ダカールで過度に長くハードなステージを走ることなく、最先端技術をダカールの実戦環境で試すことができるテストベッドを提供するというもの。ラリーを構成するステージとは別に100kmの区間を設け、その区間でコンストラクターが将来的にどのような技術的オプションを追求する価値があるかを見極める環境を提供する。この区間は、1000kmまで追加することができる。2024年大会には9台の車両が、サウジアラビアのアルウラで行われるプロローグランで初登場する。

ミッション1000は競技としての意図はないが、ドライバーやライダーの意識を高めるために、いくつかの評価基準が定められている。今回のミッション1000では、完全電気エンジン、完全水素エンジン、ハイブリッド技術と、3種類のエンジンが対象となった。

日本からは、カワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機の4社が設立、特別組合員として川崎重工、トヨタが参加する技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine technology)が、水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参戦することを発表している。

この車両は、協力会社であるベルギー拠点のレーシングチーム、オーバードライブレーシング社の車体フレームをベースとして、水素燃料タンクや燃料供給系統の設置のためのレイアウト変更を行った車体に、HySEが研究活動に用いているモーターサイクル用水素燃料エンジンを搭載。現地での出走にかかる給水素やメンテナンスなどの作業も同社協力のもとで行うとしている。

HySEは、東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2023のモータースポーツエリアに、モックアップ車両を展示した。



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