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WRCセントラルヨーロピアン:ピレリは第1選択肢としてP ZEROソフトを供給

©PIRELLI

WRC単独タイヤサプライヤーのピレリは、今週開催されるWRCの新規ターマックイベント、セントラルヨーロピアンラリーに、第1選択肢としてP ZEROソフトを供給する。

4月のクロアチア以来となるターマックラリーは、WRC開催経験のあるドイツを拠点に、チェコ、オーストリアと三カ国にわたってルートが広がり、日によって舗装のキャラクターも異なる難関イベントになると見られている。チェコのアスファルトは滑りやすく、土曜日に行われるオーストリアのアスファルトは高速で、ドイツのアスファルトは蛇行しやすい。すべてに共通するのは、テクニカルで基本的に高速という点。さらに、気温は10度〜15度と予想され、寒くて湿度が高く、舗装が滑りやすく汚れるとグリップも悪くなる。現状の天気予報では、金曜日は雨、週末にかけては回復傾向になると伝えられている。

選手権初開催のセントラルヨーロピアンでは、気温が低くもともと滑りやすいアスファルトや、雨や湿気で滑りやすくなったアスファルトに最適なソフトコンパウンドのP Zero RA WRCがメインの選択肢となる。また、舗装ラリーでは常に用意されているウエットタイヤも、今回は重要な役目を果たすことになるかもしれない。

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テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「戦略も結果も不透明なこのラリーは、シーズンのちょうどいいタイミングで行われることになる。チリでは、マニュファクチャラーズ選手権のタイトルが決まったが、ドライバーズ選手権は残り2戦の段階でまだ確定していない。それぞれのクルーやチームがどのようなアプローチを選ぶのか、誰がアタックを見せ、誰が慎重に行くのか、非常に興味深い。セバスチャン・オジエの参戦も、このラリーに刺激を与えて試練のレベルを上げることになる。タイヤの面ではP ZEROのソフトがメインに、雨が降った場合はウエットタイヤのCinturatoが中心となるだろう」

セントラルヨーロピアンで使用されるピレリタイヤ
P Zero RA WRC: ピレリのターマックタイヤは2種類のコンパウンドが用意される。セントラルヨーロピアン向けには、ソフトコンパウンド仕様(P Zero RA WRC SA)が主な選択肢となり、摩耗の激しいドライな路面や長いステージ向けのハードコンパウンド仕様(P Zero RA WRC HA)はオプションとなる。

P Zero RWB WRC: ウエットや湿った舗装のためのラリータイヤ

P Zero RA: ラリー2、ラリー3マシン向けのラインナップで、WRC2、WRC3に供給される。こちらもハードコンパウンド (RA5A)とソフトコンパウンド(RA7+B、このラリーで初使用)が用意される。P Zero RAには、ラリー1マシンが装着するタイヤの特徴の多くが流用されている。

Cinturato: 4WDマシンのカテゴリーに投入されるウエット、ヘビーウエット用のレインタイヤ。RWBはラリー1、ラリー2に用意され、ラリー3向けにはRW1Cコンパウンドが用意される。

規定によりラリー1マシンの各ドライバーが今回のラリー中に使用できるタイヤの本数は28本までで、これはシェイクダウン用の4本(コンパウンドはクルーが選択)を含む数。P Zero RA WRC SAの配給は28本、P Zero RA WRC HA は18本、ウエット用Cinturato RWBは12本。WRC2、WRC3のマシンが使用できるのは、26本まで。配給はプライムのソフトが26本、オプションのハードが18本、ウエットが12本となる。

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