WRCセントラルヨーロピアン:トヨタ、シリーズ初開催のターマックラリーで今季9勝目を狙う – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCセントラルヨーロピアン:トヨタ、シリーズ初開催のターマックラリーで今季9勝目を狙う

©TOYOTA

WRCラリーチリでマニュファクチャラーズ選手権タイトル獲得を決めたTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月26日(木)〜10月29日(日)にかけて、ドイツ、チェコ、オーストリアの三カ国で開催される2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアンラリー(ターマック)に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデの3クルーをエントリーし、WRC初開催のターマックイベントで今季9勝目を狙う。オジエの今季のWRC参戦は、これが7度目。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドで挑む。

(以下、チームリリース)


WRC第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー プレビュー
欧州三カ国を舞台とするWRC初開催のターマックラリーで
今シーズン9回目の優勝を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月26日(木)から29日(日)にかけて、ドイツ、チェコ、オーストリアのヨーロッパ三カ国で開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の4台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場。WRC初開催のターマック(舗装路)ラリーで、今シーズン9回目の優勝を目指します。

前戦のラリー・チリで、TGR-WRTは3年連続となるマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得しました。そして迎える第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーに、チームはシーズン9勝目の獲得を目標に臨み、ロバンペラとエバンスはドライバーズ・タイトルを、ハルットゥネンとマーティンはコ・ドライバーズ・タイトルを争うことになります。ドライバー選手権首位のロバンペラは、31ポイント差で選手権2位のエバンスをリードしており、今シーズン王座獲得の権利を有しているドライバーは彼らふたりのみとなります。そのため、彼らのどちらがチームにとって5年連続となるドライバーズタイトルを獲得するのかに大きな注目が集まっています。1戦で獲得可能な最大ポイントは30、残り2戦で獲得可能な最大ポイントは60のため、今回ロバンペラがエバンスを上回ると、最終戦を待たずしてロバンペラが2連覇を達成する可能性があります。一方、エバンスが勝てば、11月のラリージャパンが最終決戦の場となります。

ドライバーズタイトル争いについては彼らふたりが主役ですが、過去に8回タイトルを獲得している元世界王者のオジエも、今回ラインナップに復帰。ターマックラリーを得意とし、初開催のラリーで経験に裏打ちされた強さを発揮する彼は、今シーズン4回目の優勝に照準を合わせています。さらに、今回はTGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブする勝田貴元も、ホームイベントであるラリージャパンの前哨戦としてこのラリーを位置づけ、大きなモチベーションを持って臨みます。

今シーズンのWRCは、5月から10月にかけてグラベル(未舗装路)のラリーが7戦続きました。ターマックラリーは4月の第4戦クロアチア・ラリー以来となり、WRC初開催のセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、WRCで初めて3カ国のステージを走行する画期的な一戦となります。ドイツでのWRCは2019年のラリー・ドイチェランド以来であり、オーストリアがWRCの舞台に選ばれたのは、WRC創立初年度の1973年以来となります。また、チェコは今回初めてWRCを迎えることになります。

ラリーの中心となるサービスパークはドイツ南東部の都市「パッサウ」に置かれ、シェイクダウンは25日(水)の午後にパッサウ近郊のティットリンクで行われます。競技がスタートするのは26日(木)のデイ1からとなり、チェコの首都プラハの歴史的な城の前で昼過ぎからセレモニアルスタートが行われます。その後、プラハ郊外の競馬場「ヴェルカー・チュクレ」でSS1として2.55kmのスーパーSSが行われ、さらに、夕方にはSS2として「クラトヴィー」周辺のサーキットで8.92kmのスーパーSSを走行。その後、選手たちはパッサウに戻り一日を終えます。

競技2日目となる27日(金)のデイ2は、全てのステージがチェコ国内で行われ、「プラチャティツェ」に設定されるタイヤフィッティングゾーンを挟んで、3本のステージを各2回走行。6本のステージの合計距離は121.80kmと、最長の一日になります。28日(土)のデイ3は、パッサウのサービスパークを中心に午前中はオーストリアで2本、ドイツで1本のステージが行われます。ミッドデイサービスを経て午後はその3本のステージを再走。6本のステージの合計距離は109.50kmとなります。最終日となる29日(日)のデイ4は、サービスパークを起点にドイツで1本、オーストリアで1本のステージが設定され、ミッドデイサービスを挟むことなくその2本を再走。4本合計67.24kmのステージを走り終えた選手たちは、パッサウでの表彰式でフィナーレを迎えます。4日間で三カ国を巡るステージは全部で18本、合計310.01km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1690.70kmとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
最後の2戦を前にマニュファクチャラーズタイトルを獲得できたのは素晴らしいことですし、これからはカッレとエルフィンによるドライバーズタイトル争いに焦点が当たることになります。彼らが自由かつフェアな戦いを展開し、ベストなドライバーが勝利を獲得できるように、我々はふたりを全面的にサポートするつもりです。また、今回はセバスチャンがラインナップに復帰しますが、彼の勝利への情熱はこれまでと変わらず大きいでしょうし、タカはチャンピオンシップのために走るというプレッシャーから解放されたので、さらなる表彰台獲得を目指してこれからの2戦を戦ってくれることを期待しています。セントラル・ヨーロピアン・ラリーは誰にとっても初めてのラリーですし、この時期の道はウエット路面だったり、ぬかるんでいたり、落ち葉が多っかたりするなど、非常に厳しくなることが予想されます。ドライバーにとっては簡単なことではありませんが、我々のクルマはこれまでそのようなコンディションでも非常に強かったですし、彼らが攻めの走りをできるように勇気づけたいと思います。

カッレ・ロバンペラ
マニュファクチャラー選手権を獲得できたことは、チーム全体にとって大きな成果です。そしてこれからは、シーズン最後の2戦でドライバーズタイトルとコ・ドライバーズタイトルを勝ち取るためハードにプッシュしていくことになります。チームメイト同士の戦いは、同じクルマに乗り、友好的かつフェアなものなので、きっといい戦いになると思います。ラリーカーで再びターマックを走ることができるのは嬉しいですし、テストではすぐにクルマに慣れることができたので、ラリー本番でもそうなることを期待しています。通常、このようなタイプのターマックラリーは自分たちにもっとも合っていますし、この種の道では何度かいい結果を残しているので、自分たちにとっていいイベントになるだろうという自信はあります。

エルフィン・エバンス
残り2戦となりましたが、チャンピオンシップではカッレにまだ大きな差をつけられています。とはいえ勝負が終わったわけではないですし、状況が急激に変化することもあるので、シーズンを締めくくる2戦でプレッシャーをかけられるように、全力を尽くして戦うつもりです。今回は誰にとっても新しいラリーになるでしょうし、3つの異なる国でステージが行われるので、どこでも通用するセットアップを準備する必要があります。新しいラリーにおいては、ステージがどのようなものになるかを映像だけで判断することは難しいですが、天候が路面の汚れ具合やグリップの良し悪しに大きな影響を及ぼすことは、間違いないと思います。

セバスチャン・オジエ
チームが再びマニュファクチャラー王者になったことを本当に嬉しく思いますし、今シーズンの彼らの素晴らしい仕事ぶりを考えれば、当然の結果だと思います。このラリーがどのようなものになるかは分かりませんが、新しい挑戦にはいつも心が踊ります。最近住んでいる家からも近いですし、多くのラリーファンが観戦し、応援してくれることを期待しています。自分の出走順が最適かどうかは分かりませんが、おそらく天候に左右されると思います。路面がドライならば上位争いをできると思いますが、ウェットになると自分の前に数台が走った後ではよりトリッキーなステージコンディションになるかもしれません。それでも、私はいかなるラリーでも可能な限りいい結果を得ることを目標に置いてスタートしますし、きっと楽しむことができるはずです。



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