WRCジャパン:勝田貴元「日本のモータースポーツ発展のためにドライバーとして活躍したい」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCジャパン:勝田貴元「日本のモータースポーツ発展のためにドライバーとして活躍したい」イベント前記者会見

©Hiroyuki Takii

WRCラリージャパン、シェイクダウン後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。初めて母国のWRCラウンドに臨むトヨタの勝田貴元。ラリー拠点である愛知県出身であることから、地元からの盛大な応援が自身のモチベーションにつながっていると語った。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者

Hiroyuki Takii

勝田貴元=TK(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
バンサン・ランデ=VL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
オィット・タナック=OT(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
ガス・グリーンスミス=GG(Mスポーツ・フォードWRT)
テレンツィオ・テストーニ=TT(ピレリ、ラリーアクティビティマネジャー)

Q:タカ、満面の笑みを浮かべているね。ラリージャパンが実現するのを数年間ずっと待ち望んできた。ようやくWRCが日本へやって来て準備が整った今、どんな気持ちか。自分にとってビッグイベントを前に緊張しているか
TK:当然少し緊張もありますが、それ以上に楽しみです。というのも、シェイクダウンに向かう途中のセクションで、すでに多くのファンの姿を目にしました。彼らは10年以上も待っていてくれたんです。ついにここに来ることができて本当に幸せだし、彼らのためにもうれしいことです。

Q:前回、日本でWRCが開催されたのは2010年だった。サービスエリアや街中では、あなたのファンを多く見かけたが、みんな君の顔のお面を頭につけている、大変人気があるが、この週末のプレッシャーとなっているか。ファンのためにパフォーマンスすることを期待されていると感じるか
TK:もちろん他国でやるよりはプレッシャーを感じますが、それは当たり前のことです。でもプレッシャーは嫌いじゃないなので、結果を比較する必要がなければ楽しめます。より楽しめるなら常にその方が良い。だから、かなり特別なラリーになるとは思うけど、うまく活かしたいと思います。

Hiroyuki Takii

Q:このラリーの難易度について、今週末はチャレンジングだと言われているが、ドライバーやコ・ドライバーにとって厳しいものになりそうか
TK:そうですね、すでに全員がそれを実感しています。ステージはヨーロッパとはまったく違い、よりツイスティでナローで、カットはそれほど多くできないけど、ドライな場所もある。だから、少し違ったタイプのドライビング、もっとスムーズなドライビングが必要かもしれませんが、まだ分かりません。セットアップの面でも賢くやる必要があります。シェイクダウンは明日のステージとは道幅がまったく違うので何とも言えません。 誰が日本の道に上手く適応しているかを知るには、明日のSS2まで待つ必要があると思います。

Q:今週末の目標は?表彰台?
TK:はい、それが目標です。

Q:日本の記者のために、日本語でもこの週末に向けた抱負を
TK:日本語で? 混乱しますね(笑)。そうですね、本当にいよいよ、というところで僕も興奮していますし、何年も待ったラリージャパンがようやく開催されるということで、僕だけでなく多くのファンが待っていると思うので、そこでいい走りをして、 待ってくださっていた皆さんにいい結果で恩返しをしたいと思っています。とにかく、自分のベストを尽くすことが最優先だと思うので、そこだけに集中して。結果はその後によければついてくるし、悪ければまだ自分が足りないということだと思うので、どんな結果であろうとこの経験を活かしていきたいと思います。

Q:タナック。日本語の質問よりも簡単です(笑)。今シーズン限りでヒョンデを離れることが発表されたが、その理由と、来年はどこに行くのか
OT:背景には多くの理由があったとも言えるし、それらすべてが折り重なってと言うこともできる。とにかく長い1年だったし、結局そうなってしまったが、正直に言って来年については現時点で言えることは何もない。ただ時間が解決してくれるのを待つしかない。帰国してから何が可能か検討するつもりだ。

Q:それでも、ラリーは自分にとって特別なものだ。 来年もWRCにフルシーズン参戦することを望むか
OT:場合によるね。
Q:場合とは? みんなが君の答えを聞きたがっている
OT:自分の気持ち次第だ。来年僕が何をするにしても、その何かは僕にタイトルを戦うチャンスを与えてくれるものだろう。おそらくそれが僕が選手権を戦うために欠けていたもので、その機会が来るか来ないかはこれから見定めたい。
Q:ではフルシーズンの契約ということになるか
OT:そうでないと難しい。人によっては違うかもしれないけど
Q:可能性があるのは実質2チームだけだが、Mスポーツに行くのではと噂されている。
プレスリリースで新しい挑戦を探していると語っているが、新しい挑戦とはそのことなのか

OT:僕たちは長い間、本当に長い間ラリーに参戦してきた。どのチームであるかはあまり重要ではない。世界選手権のタイトルを獲得するのは常に挑戦で、決して簡単な仕事ではないんだ。

Hiroyuki Takii

Q:もっと答えやすい質問に。レッキの感想は。 予想通りだったか。ドライバーの中には、雨や霧であまり見えなかったとのことだが
OT:間違いなく驚いた。信じられないほど厳しい。コルシカやサンレモなど、ヨーロッパでテクニカルと呼ばれるラリーを走ってきたが、ここはまた別次元で、多くのセクションやステージが交通量の少ない道路に置かれているようで、グリップレベルも未知数だ。そもそも僕は高速向きで、低速コーナーの引き出しはそれほど多くない。だから確かに難しかった。

Q:次は来年のオィットのチームメイト候補のひとり、ガス、調子はどうか
GG:いい感じだ、

Q:それはよかった。ここのステージについて感想を。今週末は非常に大きなチャレンジになるようで、ディッチが多く、落ち葉や苔など、あらゆるものが入り組んでいる。ここまで狭いのは予想どおりだったか
GG:結果的にはそこまで難しくはなかったように思う。 今年一番の難関になることは分かっていたからね。でもオィットが言っていたように、これは確実に別次元のものだ。ペースノートを作るために、ものすごく長い夜を過ごした。すごく大変な作業だし、相当な準備を要するけど、それでも接触したりぶつかったり、パンクの危険性もある、小さなミスでもしようものならリスクが非常に高くとても難しいラリーになる。

Q:今週末の、重要なステージを挙げるとすれば、どこか
GG:金曜日最初の、最長のステージが非常にチャレンジングだ。土曜日の午前中も同様、さらに日曜日の長いステージもね。そして予報どおりに雨が降ったら、日曜日はとてつもなくトリッキーなものになるだろう。

Q:金曜日2本目のトンネルついて話していた際に、トンネルの中はグラベルだと話していたが、実際にグラベルなのか、それとも単なる泥なのか
GG:荒れたターマックのようだけど、終わり部分は壊れたホースパイプがあって、最後の40メートルはウェット状態なんだ、だからそこがトリッキーになる。

Q:バンサン、今回トヨタからセバスチャン・オジエと組むことになったが、ラリーの前にオジエとはどれくらいの時間、一緒に乗ったか
VL:正直、スペインで一日だけ。だから今週末は大きな挑戦になるね。

Hiroyuki Takii

Q:確かに、とてつもなく大きな挑戦だ
VL:そうだね、でも大丈夫だ。僕はそれに立ち向かうし、いつもどおりベストを尽くすよ。完璧でなくても大丈夫だ。なぜなら、彼と仕事をしていると、彼がなぜ8回も世界王者になったのか、その理由が良く分かる。すべてが極めて効率的なんだ。自分もそうあるべきだし、自分を適応させなければならない。

Q:8度の世界王者の隣で、 自分自身のレベルも引き上げられるのでは。 このようなチャレンジングな週末に求めることは多くなるのではないか
VL:僕はこれまで多くのラリーをやってきた、でもそれはピエール・ルイ(・ルーベ)と共に積み上げてきたキャリアだ。だから今、再び白紙の状態からスタートして新たに築き上げていかなくてはならない。それでも、これを経てまた自分変わっているはずと確信している。

Q:コ・ドライバーとしての立場から、このラリーについて、特にオジエとともに初めて参戦する週末であることを考慮して、ここはどれほど難しいのか
VL:コースはツイスティで狭いが、時には非常にハイスピードになることも分かっている。だから、本当に集中しなければならないんだ。レッキで走り始めてから、彼は最初の走行ではペースをつかめていなかったが、2回目の走行で彼の望むように走れるように、ペースノートを修正していく、そしてさらに次々求めていく、すべてにおいてそうだ。確かにとてもチャレンジングだけど、正直自分でもこれで良かったと感じている。今朝もピエール・ルイとやっていたこと以外はどうしていいか分からなかったけど、どうやら大丈夫だったようだ。だから明日もこの調子でトライしていきたい。

Q:テレンツォ、シーズン全体について。新しいハイブリッド技術が導入されたこ
とで、ピレリも新しいマシンにタイヤを合わせなければならなくなった。シーズンを通して見た時、パフォーマンスについてはどう思うか

TT:その通り、昨年は、新しいシーズン、新しいクルマでスタートし、1年目は大変だけど、2年目は大丈夫だろうと考えていた。しかし、そうではなかった。2年目は、またほぼゼロからのスタートというわけではなかったが、それに近いものがあった。車重も去年とは大きく違っていて、空力的にも劣っている。サスペンションも異なっていて、確かにグリップは落ちたが、そのぶんタイヤにストレスがかかる。そのため、すべてのラリーで新しく学ぶことがある。我々がタイヤの開発を止めることは決してない。来年も自信がある。グラベルでもターマックでも、いかなる状況でもそれに合わせた製品を用意するつもりだ。そのための時間があまりないことは承知しているが、製品の改良を試み、強くなるのに最適な製品を見つけるために、各ラリーから得られるすべての情報を活用するつもりだ。

Hiroyuki Takii

Q:WRCとしては日本のターマックステージは初めての開催。この週末、ピレリは何をどのように学ぶのか。タイヤの課題は何か。ガスも言ったように、タイヤがダメージを受けるような危険な場所がたくさんある
TT:我々の日本での経験は、グラベルでのものだ。2004年に初めて日本へ来た時、我々はペター・ソルベルグの駆るスバルで優勝した。ステージのコンディションがかなり難しいことは分かっている。ドライな場所もあればダンプもあるし、ウェットもあるので、グリップレベルは一定ではない。またターマックのタイプも異なっていて、特に金曜日のロングステージは、このラリーで最も長いステージになる。タイヤへの負担が大きいステージであることは間違いなく、摩耗も激しくなりそうだ。タイヤがどうなるかを見守る準備はできている。そしてドライバーにとってはグリップが安定しないので、何度もコースアウトする可能性があるし、タイヤの温度を保つのは非常に難しいだろうが、天気はかなり良いようなので、それがドライバーに味方してくれるだろう。

記者席からの質問
Q:名古屋のラジオ局、東海ラジオの石川と申します。勝田選手に。先ほど、お客さんにインタビューをしていたところ、地元でこんなに大きな大会が開かれてすごくうれしい、とか、クルマとかラリーには詳しくないけどこんな大きな大会を次にいつ観られるか分からないので来ました、とか、勝田選手の走りが見られるのがうれしいという声をたくさん聞きました。その地元の皆さんに向けて、改めてメッセージをいただけませんか?

TK:先ほども言ったように、たくさんの方がロードセクションで旗や手を振って応援してくれていて。その中には、ラリーに詳しくない、普通にお散歩をしているような、おじいちゃんやおばちゃんが声をかけてくれて『写真いい?』と気軽に声をかけてくださって『応援してますよー』と言ってくれて。やっぱり、ちょっとしたことですけど、そういったところからこのラリーに向けて、たくさんの方がPRに注力してきたということを感じましたし、今年だけではなくて、来年も再来年も、よりいい大会にして繋げていくことが、日本のモータースポーツの発展にもつながると思うので、とにかくそういったことを僕は意識して、ドライバーとしてもっと活躍して、少しでも多くの方に知ってもらう、というモチベーションにつながりました。まだ3日間ありますが、最後まで応援していただけたらうれしいです。

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