WRCサルディニア:首位ラッピが痛恨のデイリタイア。ロバンペラは総合5位につける – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:首位ラッピが痛恨のデイリタイア。ロバンペラは総合5位につける

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、ラリー・イタリア サルディニアのデイ3を終えて、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが総合5番手に順位を上げたが、デイ2で首位に立ったエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルムはアクシデントによりデイリタイア。デイ2での戦線離脱から再出走したエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは、サスペンションにダメージを負い、再びデイリタイアとなった。なお、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから出場の勝田貴元は、ロバンペラに次ぐ総合6番手につけている。

(以下チームリリース)


デイ3はサルディニア島の西海岸、アルゲーロのサービスパークを起点に、島の北部で8本合計131.82kmのグラベルステージが行なわれました。前日に続き天気は良く、気温はかなり上昇。路面は終日ドライコンディションが保たれました。

デイ2で首位に立ったラッピは、オープニングのSS10の道幅が狭いセクションでコントロールを失い、クルマの両サイドを連続でヒットし、リヤの左右を破損。競技続行不可能となり、残念ながらデイリタイアとなりました。その結果、GR YARIS Rally1勢では総合6位に順位を上げた勝田が最上位となり、それを総合7位ロバンペラが追う展開に。ロバンペラは続くSS11で勝田を抜き総合6位に上がりました。SS12ではドライバー選手権2位につけるライバルがリタイアとなったことで、ロバンペラは大きなリスクを冒して順位を上げる必要がなくなり、確実性の高い走りにシフトしました。それでも午後はSS14で2番手タイムを、SS16では3番手タイムを記録するなど、総合5位のライバルとの差を着実に縮めていき、デイ3最後のステージを前に9.3秒差まで迫りました。そして、最後のSS17でライバルがリタイアしたことで順位をひとつ上げ、総合5位で一日を終えました。また、勝田は午後のステージでクルマのフロントにダメージを負ったため、ペースを落として走らざるを得ませんでしたが、それでも最後までしっかりと走り抜き、総合6位につけています。

前日のデイリタイアを経て再出走したエバンスは、デイ3で出走順が1番手となったことにより、ルーズグラベルが多くのる不利な路面コンディションでの走行となりました。それでも、1日の終盤のSS15では3番手タイムを記録するなどいい流れを掴んだかと思われました。しかし、続くSS16でサスペンションにダメージを受け再びデイリタイアに。チームはサービスでクルマを直し、エバンスは最終日に再び出走する予定です。

カイ・リンドストローム(スポーティング・ディレクター)
今日は気温が高く、路面コンディションも荒れていて、非常に困難な一日でした。今朝のエサペッカのことはとても残念です。素晴らしい戦いをしていたのに、あのような結果になってしまったことが残念でなりません。幸いにもクルマを修理することができたので、明日は再出走してポイントを狙うことができるでしょう。カッレは今日もとても良い仕事をしました。一番の目標はドライバー選手権のライバルの前にい続けることだったので、彼が脱落した後はクレイジーに走る必要はありませんでした。また、貴元は問題を抱えながらも最後まで走り切ったので、良かったと思います。

エルフィン・エバンス

TOYOTA


今日は出走順が一番手だったので、いいタイムを出すのは決して簡単なことではないだろうと思っていました。ですので、グラベルのステージでクルマを学ぶ良い機会だととらえ、テスト的なセッションとして走りましたが、全てが順調でした。しかし、最後から2番目のステージで、残念ながらリヤに衝撃を受けて何かが壊れてしまいました。ただし、それによって大きな損失を被ったわけではありません。明日は、自分の早い出走順でパワーステージに臨んで何ができるのかを考え、少しでもポイントを獲得したいと思います。

カッレ・ロバンペラ
朝は特にトリッキーで、路面のグリップが低く、難しいステージだったので、あまり多くのことはできませんでした。それでも、何とか自分たちのペースを保ち、午後には少しだけ速く走れるようになりました。クルマのセットアップを少し変えたところ、グリップもフィーリングも良くなったのです。そのおかげで、午後は少し楽しく走ることができました。とにかくトラブルが起きないように走ることが目標でしたが、ライバルが脱落した結果、少し順位を上げることができました。明日も同じように走る予定ですが、最後のパワーステージでは何かできるかもしれません。

エサペッカ・ラッピ

TOYOTA


朝最初のステージは、昨日と走りのリズムを変えず、序盤はとてもクリーンに走ることができていました。リスクは全く冒していなかったのですが、道幅が狭いセクションに石があり、それを踏んで走行ラインがほんの少しだけずれてしまいました。結果的に右側の壁に当たり、続いて逆側の木にぶつかってしまったのです。特に飛ばしていたわけではなかったので、受け入れ難いことですが、確かにステージは非常にトリッキーで道幅も狭く、所々非常に荒れていました。クルマのフィーリングはとても良かったので、明日も同じようなフィーリングを感じることができるかどうか、試してみたいと思います。

ラリー・イタリア サルディニア デイ3の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) 2h43m35.6s
2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (フォード Puma Rally1) +46.0s
3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m06.8s
4 ピエール=ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (フォード Puma Rally1) +1m31.8s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m23.2s
6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +3m52.3s
7 ガス・グリーンスミス/ヨナス・アンダーソン (フォード Puma Rally1) +5m03.3s
8 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シュコダ Fabia Rally2 evo) +6m09.2s
9 ハン・ソランス/ロドリゴ・サンファン (シトロエン C3 Rally2) +6m54.1s
10 クリス・イングラム/クレイグ・ドリュー (シュコダ Fabia Rally2 evo) +7m09.4s
46 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1h00m54.8s
50 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h19m57.3s

明日のステージ情報
競技最終日となる6月5日(日)のデイ4は、アルゲーロのサービスパークを起点に島の北部で2本のグラベルステージを各2回走行します。このうちSS19と、その再走ステージであるSS21「サッサリ-アルジェンティエラ」は、スーパーSSのSS1を除けば今大会もっとも短い全長7.1kmのステージです。また、最終のSS21については、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。4本のステージの合計距離は39.30km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は192.31kmとなります。



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