クスコレーシング、C-HRラリーカーのグラベルテストを実施 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

クスコレーシング、C-HRラリーカーのグラベルテストを実施

©Mitsuru Kotake

クスコレーシングは、C-HRラリーカーのグラベルテストを長野県野沢温泉村のモーターランド野沢で行った。テストは全日本ラリー選手権第7戦横手の後に行われ、マイケル・ヤングがステアリングを握っている。水曜日には炭山裕矢も合流してテストを行った。

以前のニュースでもお伝えしたとおり、車両はTRD製の2リッターターボエンジンを搭載。現在APRCやJSRで走らせているヤリス4WDから得たデータをもとに、各部の再設計が行なわれている。

ボディが大きくなった分コンポーネンツの配置に自由度が生まれ、燃料タンクの搭載位置を低めるなど、見た目ほど重心は高くないという。さらにエンジンルームもヤリス4WDに比べればC-HRの方が余裕があり、冷却系やラジエターなどのサイズも大きめのものを選定。冷却効率の向上により、気温の高いテストでもほとんど問題は発生していないという。サスペンションまわりはラリーでの使用に合わせてヤリス4WDよりも強度の高いものを使えるように設計している。

Mitsuru Kotake


ステアリングを握ったヤングは、安定感があって動かしやすいクルマだと第一印象を語っている。
「低速コーナーでもハイスピードセクションでもとにかく安定していて、ギャップの走破性もいい。運転もラクだね。今のところ悪いフィーリングはないよ。
ヤリス4WDはホイールベースが短くて、操作するのにナーバスな部分があったけど、C-HRは許容範囲が広いというか、操作に対して反応が常に一定なんだ。ピーキーさがない分、狭いセクションでも安定して走れると思う。大きさはインプレッサやランサーと大きな違いは感じない。ヤリス4WDと比べれば若干重いかなと感じる部分はあるけど、まだセッティングはこれから詰めていくから、それほど大きな問題にはならないと思う。煮詰められればC-HRの方が速く走れると思うよ」と手応えを語っている。

ベース車両としてC-HRを選んだ理由について、クスコレーシングの長瀬努監督は横手ラリーの現場で次のように語っている。
「まずは新しいシャシーのクルマでやりたかった、というのがあります。候補として考えたのはトヨタC-HRとスバルXVです。検討段階ではまだカローラが発表されておらず、発表前にC-HRに決めてしまっていました。
 おかげさまで、海外からの問い合わせも多いですね。特にアジア・パシフィック関連とヨーロッパ。使われるとしたら各国のドメスティック選手権ではないかなと思っています。世界戦略車だけあって、イギリスからも問い合わせが来ました。一方、国内でラリーに使う場合は海外ナンバーでしか走れないなど、登録関係の問題が残されているのが現状です。年内には何台かデリバリーを始められればと考えているのですが、それほどたくさんは作れないので、少しずつですね」

“FIAアジア・パシフィックラリー選⼿権(APRC)や⽇本スーパーラリーシリーズ(JSR)など、FIA格式のラリー参戦を⽬標に⾞両を製作しました”と先日のリリースでも明らかにしていたとおり、初の実戦投入は9月のラリー北海道が濃厚と思われる。今後もその動向に注目したい。

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