マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スペイン編:シトロエンからローブがスポット参戦 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スペイン編:シトロエンからローブがスポット参戦

©Citroen

10月25日(木)から28日(日)にかけて、スペインのサロウを拠点に開催されるWRC第12戦ラリースペイン。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けしよう。

シトロエン

ウェールズ・ラリーGBでは、予想外のトラブルは起きなかった。オストベルグがマシンのフィーリングに物足りなさを感じ、予定外のセッティング変更が続いた。
トルコ戦でのブリーン車の出火については、トランスミッショントンネルのオイルかエキゾースト漏れがあったとの最新情報が伝えられている。

カタルニアには3台がエントリーし、セバスチャン・ローブがシャシー4、ブリーンがシャシー11、カリッド・アルカシミがシャシー7をドライブする。プレイベントテストでは、シャシー15を使用した。オストベルグがR5でスペインに参戦するという可能性もあったが、実現しなかった。

テストは、ローブがターマックとグラベルで2日間、ブリーンとアルカシミは1日ずつ行った。今回は、テクニカル面での目立った変更はない。

ヒュンダイ

ウェールズ・ラリーGBでの残念な結果について、その理由はセッティングの選択ミスだったとしている。終盤は、ミケルセンだけはコンペティティブなタイムが出せるようになった。厳しい週末だった。

カタルニア向けのテストは、各ドライバーがターマックで1日ずつ、ダニ・ソルドとティエリー・ヌービルは共同でグラベルで1日行った。ヌービルはトルコで、ミケルセンはGBで、ソルドはパッドンがGBで使用したマシンを使う。

スペイン出身のソルドは、WRCチームの中でこのイベントの経験が最も豊富。今回が16度目のカタルニア参戦と、ヤリ‐マティ・ラトバラよりも1戦多い。ソルドは母国のWRC戦で勝利を挙げたことはないが、2006年から2009年の間、2位フィニッシュを4回果たしている。ミケルセンがこのイベントで唯一ポディウムに上がったのは、自身初優勝をマークした2015年。最終ステージでセバスチャン・オジエがクラッシュするという、ドラマチックな幕切れだった。ヌービルは、スペインでポディウムに上がったことがあるのは1度だけとなっている。

Mスポーツ・フォード

エルフィン・エバンス車がウェールズ・ラリーGBでストップしたのはセンサーの不調で、チームはオジエ車のギアボックストラブルがジャンクションでオーバーシュートした時に発生したと確認している。スニネンは、前のコーナーをカットした際にステアリングにダメージを負い、コースオフにつながった。

カタルニア向けには、オジエとケン・ブロックがターマックで1日ずつ、ブロックはさらにグラベルで1日行っている。オジエはコルシカで使用したマシンに新型エアロ、エバンスとスニネンはGBで使用したマシンに旧デザインのエアロを装着する。チームからは、ケン・ブロックがシャシー3(ドイツでセルデリデスが使用)でエントリーする。エバンスとスニネンは、スペイン戦をトップ6でフィニッシュしたことはなく、オジエは優勝3回、エンジントラブル3回。

トヨタ

タナックがラリーGBのスウィートラム・ハフレンで見舞われたトラブルは、予想外のもの。既にアンダーガードにダメージを抱えていたものが、クーリングシステムのダメージを引き起こしたと見られている。コンディションにより、アンダーステアのトラブルが頻発しており、これは他のチームも同様だ。

カタルニアのテストは、GB戦の翌週にグラベルとターマックで行われた。今回に向けての目立ったテクニカル変更はない。

各ドライバーとも、ドイツで使用したマシンを使う。トヨタ勢にスペインで勝った経験があるドライバーはいない。ラトバラは、これまで14回の参戦でリタイアは1回だけ(昨年)で、2011〜2015年は5年連続でポディウムに上がっている。タナックはポディウム1回(昨年)、ラッピの参戦は2回のみで、いずれもクラッシュに終わっている。
(Martin Holmes)



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