WRCドイツ:タナク「いい人だけど追いかけられたくはない」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCドイツ:タナク「いい人だけど追いかけられたくはない」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCドイツのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。WRC5連覇王者セバスチャン・オジエからの激しいプレッシャーを凌ぎ切り、シーズン2連勝、ドイツ連覇を果たしたオット・タナク。オジエがミスで後退した時の気持ちを聞かれ、最強の敵からのプレッシャーの厳しさを明かした。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Toyota Gazoo Racing WRC


1位:オット・タナク=OT(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:エサペッカ・ラッピ=EL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:ヤンネ・フェルム=JF(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
トミ・マキネン=TM(トヨタ・ガズーレーシングWRTチーム代表)

Q:オット、フィンランドに続き、ターマックのドイツでも勝利を飾り2連勝だ。今回の優勝はどれだけチャレンジングだったか。
OT:間違いなくタフな、タフな週末だった。最初のステージから、セブ(オジエ)と激しいバトルになった。彼は、本当にハードにプッシュしていた。自分はブドウ畑の初日、とても快適な感触を得ていた。土曜日の午前は少し苦戦して、前日ほど余裕がなかった。セブは間違いなくハードにプッシュしてくると確信していた。タフだったよ。自分の気持ちを押し上げ、ペースを上げるためにプッシュし続けなくてはならなかった。サービスに戻って、メカニックたちがマシンを改良してくれた。午後は走りがよくなり、マシンにもとても自信が持てた。そしてセブが小さなミスでパンクを引き起こしたので、大きなギャップができた。

Q:セブがもう追い付けないと分かった時は、安心したか。
OT:もちろんだ。彼は最高のドライバーだと思うが、追いかけられたいと思う人ではない。戦いは楽しんでいたよ。どのステージでもタイムは競っていた。自分はマシンに自信があったし、うまく使いこなせたと思う。何が起こっても不思議ではないことは、みんな分かっている。今回は、自分たちにとっていい流れになったというだけ。この週末を強く戦えたので、チームにも、自分にも、満足だ。

Q:シーズン、ここからのターゲットはどのラリーでも最高の走りで勝利をつかむこと。それを、今回から始めた。最終日について、40秒の差があったが、パワーステージでは走行順のことがあるので、ポイントのためにプッシュする意味はないと言っていた。しかし、実際はそうではなくボーナスポイントをしっかり獲得していた。あのステージではプッシュしていたのか。
OT:ベストを尽くしていたが、それでも高速区間では躊躇したところもたくさんあった。完全に攻めてはいなかった。あの位置では、フルにプッシュするのはすごく難しい。ハードにプッシュして、いいフィーリングが得られて、今日の3本をうまく走れた。オーバーシュートもしなかった。たぶん、ティエリーはしたんじゃないかな。それが鍵だったと思う。たった0.1秒差で1ポイントを逃すのはうれしくはないが、これに関してはたぶんセブがラッキーだったんだろう。

Q:選手権争いにチャンスを残しており、セブにはかなり詰め寄った。今回のリザルトで考え方は変わるか、あるいは一戦毎に集中していくのか。
OT:いい方向に動いているのはうれしいが、まだ先は長い。自分のターゲットは同じまま。イベント毎にベストを尽くす。今は、次のトルコに集中している。ラリー前に長期テストを行い、万全の準備を整える。ほぼ何も知らない状態のイベント。ベストを尽くす。

Q:マルティン、再びの優勝おめでとう。最高の誕生日になった。高ポイントを持ち帰り、今晩やっと祝福できる。
MJ:そうだね、2連勝だ。この人(タナク)は、最高の誕生日プレゼントを贈ってくれた。いい勝利になったし、マニュファクチャラーズ選手権でも高ポイントを獲得できた。このラリーは昨年よりも少し会期が早くなったので、ちょっと楽になったのかもしれない。でも、ドイツはいつでも大変だ。道には、基本的にはどのコーナーにもダートが出ていた。でも最終的には、いい週末になった。

Q:オットはオジエからのプレッシャーを感じていたと言っていたが、自分は感じていたか。
MJ:いや、何のプレッシャーも感じていなかった。リラックスしていたよ。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:ティエリー、2位フィニッシュで、オジエよりも多くポイントを獲得して選手権リードを広げた。周りから見ればいい週末になったと思うが、自分ではどう思うか。
TN:最終的なリザルトはもちろん満足できるが、今回は大変になることは予想していた。選手権でリードを築いていたし、一年の終わりまでクレバーに戦わなくてはならないと分かっていた。ここまで、全戦を走り切っているし、これも今年の最後のためには鍵となる要素だ。金曜日の午前は、すぐに速さをつかめたが、突然ギアボックスのトラブルに見舞われ、セッティングを変えなくてはならなくなった。それで、事態がややこしくなり、ペースをつかむのに苦戦した。土曜日は少しよくなり、変更もうまく行ったので、最終日は少し余裕がでてきた。でも、オットはもちろん、セブのペースにも張り合うことはできなかった。今回は、タイトル争いの3人でビリになることも覚悟したが、一貫性を持ち続け、一方でセブが小さなミスをした。オットは安定して強く余裕もあったので、自分たちはラリーを走り切ることを目指したが、最後にパワーステージでミスをして重要なポイントを取りこぼした。

Q:金曜日はトラブルを抱えてデフを変えたが、何がうまくいかなかったのか。
TN:コルシカで使った、もっとオープンなデフを使わなくてはならず、効率的な走りができなかった。ダニはとても速く、自分は彼のタイムに張り合えなかった。でも最終日はセッティングを調整して、かなり快適になったのでパワーステージでポイントも狙えたと思うが、自分が少し甘く見過ぎていた。

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Q:次は、カレンダーに復帰する新イベントのトルコだ。シーズンを賢明に戦わなくてはならないと言っていたが、全く知らないトルコに向けては、どのように備えていくのか。
TN:トルコでもコンディションが全てだ。レッキで初めて走り、そこでトップを狙えるチャンスがあるかどうか。とても暑くなると思うが、同時に一番のライバルであるセバスチャンとオットと、同じ立場にある。タフなチャレンジになると思うが、今年の終わりまでアドバンテージを維持しなくてはならない。

Q:ニコラ、ティエリーが言ったように今回も大変だった。金曜日や土曜日の終わりに、今回2位でフィニッシュすることはイメージしていたか。
NG:正直、していなかったね。昨日は、少しガッカリしていた。どうすればペースがよくなるか、考え過ぎていた。ラッキーにも、昨日の夜にエンジニアと一緒にそれができたので、今朝はよくなった。かなり満足だよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:選手権争いも佳境を迎えてくる。リードを築いているが、感じるプレッシャーは強くなっているか。
NG:いや。ティエリーの隣に、快適に座っているよ。僕らはいいコンビだからね。しっかり準備できているという手応えがある。それに、僕らの肩は、選手権が終わるまでプレッシャーに耐えられるくらい頑丈にできている。

Q:エサペッカ、ターマック戦でポディウムフィニッシュだ。午前中はドラマチックだった。昨晩、寝る時に自分はポディウムに上がると想像していたか。
EL:いや、ティエリーとバトルはできると考えていたが、それはできなかった。午前はクリーンな走りをしたが、ティエリーの方が格段に速かった。最初のステージでドラマがたくさん起きたので、自分たちに流れが向いた。

Q:今回はドライビングが少し慎重というか、躊躇があったようだ。グラベルやダートは、毒のようなものと表現して、それに乗らないように、ミスをしないようにしていた。いつものようにプッシュはしていなかったが、週末を終えてフィーリングはよくなったか。
EL:昨日は、成長もあったと思うが、ブドウ畑ではそれがうまくできなかった。ダートもあったが、少しよくなったと思う。ステージも少しシンプルになったので、それも助かった。それでも、ブドウ畑での限界点を理解するには、もっと経験が必要だと思う。ミスができる余地はない。ここ数年、何度もそう。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:トルコは選手権の新しいイベントで、経験値では横一線だ。
EL:新しいラリーができるのはいいことだ。みんなにとって、新しい。みんなのペースと張り合えるはずだ。

Q:ヤンネ、エサペッカはいつもはハードにプッシュしているが、この週末、マシンの中での感じはどうだったか。今回、彼は慎重だったが、どんなアドバイスを与えたのか。
JF:いい質問だね。今回の彼のアプローチはよかったと思う。何年も苦労してきたからね。この週末は、見事だったし、予想していなかったリザルトを得られた。チームにとってもいいことだ。

Q:新イベントのトルコに向けてどんな準備を行っていくのか。
JF:ケバブを食べ続けることかな。トルコのことは何も知らないんだ。

Q:トミ、1-2ではないが、トヨタが2台、ポディウムに上がった。オットは今回も見事な勝利で、マニュファクチャラーズ選手権でも大きな後押しとなった。チーム代表として満足だろうし、今回もオットが誇らしいはずだ。
TM:もちろん最高の瞬間だし、最高の週末だった。これが続いて欲しいね。今日はみんな笑顔で、少なくともお祝いはできる。明日は、もうトルコのことを考えているだろうね。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:ヤリ‐マティ・ラトバラについて、今日をスタートした時点でソルドが2番手、ラトバラが3番手につけて、その差は0.8秒だった。大バトルになると思っていたが、残念ながら2人もリタイアとなった。ダニはコースオフだが、ヤリ‐マティはテクニカルトラブルだった。状況について分かっていることはあるか。
TM:残念だった。昨日を終えてとても自信があったし、彼も今日のステージではいい走りができるはずだった。油圧関係の不調で、彼のラリーが台無しになってしまった。電気系のトラブルで、油圧が止まってしまった。マニュアルシステムに入れなくてはならなかったが、最終的にトランスミッションにテクニカルトラブルが起きて、それでストップした。本当に申し訳ない。こうした事が、彼には頻繁に起きている。いつこの流れが止まるのか、いつ彼がチャンピオンになるのか、本当に不思議に思っている。我々は、できる限り彼をサポートしていく。

Q:ポジティブなことは、トヨタが2台、ポディウムに上がったことだ。オットについては今回の素晴らしさをみんな分かっている。エサペッカの今回のパフォーマンスについてはどうか。
TM:とても一貫性のあるドライバーで、一貫性のある週末だった。プロフェッショナルだ。とてもチャレンジングなコンディションで、ミスをしやすく、そのミスが大きな痛手になることもあるが、その中をミスなく走り抜けたのは見事だ。誇りに思うよ。

Q:これで、両方の選手権を狙うことも可能になってきた。それは夢なのか、それとも実現できると思うか。
TM:自分の経験から、できる限り丁寧に努力を続ければ続けるほど、運はやってくるものだと思う。自分のチームは、みんなモチベーションを高く持って、全力でそれぞれの目標に向けて取り組んでいる。言ったように、明日にはもう、トルコのことを考えていくし、暑いコンディションに向けての準備も進めている。メキシコでは、トラブルもあった。トルコでは、それが解決できていることを期待している。みんな、自信を持って取り組んでいる。



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