ラリーレポート:第9戦ドイチェラント – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ラリーレポート:第9戦ドイチェラント

 

 シーズン初の本格ターマックラウンド、WRC第9戦ラリードイチェラントは、今回もドイツ中部の古都トリアーを起点に開催される。現在、マニュファクチャラーズ選手権首位のフォルクスワーゲンは、2位のシトロエンに175点差をつけて独走中。地元ドイツのフィニッシュ時点で、その差を172ポイントとすれば、4戦を残してタイトル連覇が決まる。

 昨年のドイツでは勝利を手にすることができなかったフォルクスワーゲンは、地元イベントに向けて気合も十分。スタートからセバスチャン・オジエとヤリ‐マティ・ラトバラが秒差のバトルを展開する。3位にはシトロエンのクリス・ミークがつけるものの、フォルクスワーゲンのペースについていくことができない。

 このままふたりによるスクラッチバトルが続くかと思われたが、SS6のスタートから8km地点の右コーナーでコースオフ。コース復帰がかなわず、デイリタイアを決めた。
「フォルクスワーゲンに地元優勝をプレゼントしたかった。本当に残念だが、再スタートして少しでもポイント獲得を目指すよ」と、オジエはガックリと肩を落とす。

 これでラトバラが首位に浮上。デイ2では5つのベストを刻むなど、2位以下との差を着々と拡大し、安全圏とも言える56.6秒のアドバンテージを手にした。10分のペナルティを受けてデイ2を再出走したオジエは、SS8で2度目のコースオフを喫し、リタイアを余儀なくされている。

 首位のラトバラがスパートする一方、熾烈を極めたのがミークとヒュンダイのティエリー・ヌービルによる2番手争いだ。最終日を前にその差はわずか4.3秒。
「今日は良い走りができたよ。表彰台圏内はうれしいね。でも、クリスとの差も視野に入れているよ」とヌービルは語り、最終日での逆転を狙う。

ラトバラとミーク、まさかのリタイア

 最終日に残された距離は4SS、74.60km。このままサンデークルージングでフィニッシュを目指すと思われたラトバラに、まさかのドラマが待っていた。SS15のスタートから8km地点で、ポロR WRCの姿勢を崩してコースオフ。マシンのダメージが大きく、またもフォルクスワーゲンは地元優勝を逃すことになった。これでラトバラに代わって首位に立ったミークだが、背後にはヌービルが8.4秒差で追っている。ミークはタイム差を広げようと焦ったのか、続くSS16のスタートから2km地点でDS3 WRCの左リヤセクションをウォールにヒット。サスペンションを壊し、ラリー続行が不可能になってしまった。

 ラトバラとミークが相次いで戦列を去ったことで、トップに浮上したのはヌービル。さらにヒュンダイは2番手にダニエル・ソルドがつけており、1-2体制となった。

 チーム、母国ファン、そして家族が見守る中、ヌービルは残されたふたつのステージも完璧なペースで走り切り、首位でフィニッシュ。自身の初優勝、そしてヒュンダイのWRC初優勝を達成した。ソルドも2位に入ったことで、1-2フィニッシュだ。ヒュンダイを率いるチーム代表のミシェル・ナンダンは「まるでまだ夢を見ているようだ……」と、瞳を潤ませた。

 3位はフォルクスワーゲン勢で唯一生き残ったアンドレアス・ミケルセン。4位にはフォード(Mスポーツ)勢トップとなったエルフィン・エバンスが入った。今回、マニュファクチャラー選手権獲得の可能性があったフォルクスワーゲンだったが、ノーポイントに終わったうえに、シトロエンのマッズ・オストベルグが6位に入り、ポイントを獲得したため、次戦以降にタイトル決定は持ち越しとなっている。

【第9戦ドイツ総合順位】
1:T.ヌービル(ヒュンダイ)3:07:20.2
2:D.ソルド(ヒュンダイ)+40.7
3:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン)+58.0
4:E.エバンス(フォード)+1:03.6
5:M.ヒルボネン(フォード)+1:10.5
6:M.オストベルグ(シトロエン)+1:22.7
7:M.プロコップ(フォード)+4:52.8
8:D.カイパース(フォード)+9:18.1
9:P.ティデマンド(フォード/R5)+11:35.4
10:O.タナク(フォード/R5)+11:37.2



ワールドラリーカレンダー2018
RALLY CARS