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i-MiEVエボに息づく三菱のスピリット

 

i-MiEVエボに息づく三菱のスピリット

 3月30日、愛知県岡崎市にある三菱自動車のテストコースで、全日本ラリードライバーの三好秀昌選手が2012年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦したi-MiEVエボリューションに試乗した。




走行時は静かなモーター音と、かすかにタイヤの軋む音、そして風切り音が聞こえるのみ。通常のエンジン搭載車に比べると驚くほど静かだ。


ドアは搭載されていないため、ドライバーは窓から乗り降りする。サイドシル部分にはバッテリーが搭載されている。

 この車両は2012年のパイクスピーク用に開発されたもの。かつてWRC三菱チームでテクニカルディレクターを務めた田中泰男氏。同じくWRCで活躍した丸山晃氏が技術サポートを行なうなど、ラリー系のエンジニアが車体開発を担当。EVについては市販車の技術者が開発を主導した。

 i-MiEVエボリューションは、量産車と同じモーター、バッテリーなどの主要コンポーネンツを使ったパイクスピーク専用モデル。駆動方式はモーターはフロント1基、リヤに2基を搭載しており、電動4WDシステムを構築している。ここ最近の報道にもある、電気自動車駆動用バッテリーパックの不具合について、i-MiEV、MINICAB-MiEVについては問題のある車両について特定されていると三菱自動車ホームページで明らかにされており、この車両については何も問題もない。

 試乗は施設内の広場とワインディング路を使用。それほど長い距離ではないが、三好選手は「EVならではの加速感が非常に気持ちいいね。駆動配分がリヤ寄りで4WDという感じはあまりしなかったが、実戦を意識して設計されただけあって、かなりの速さを感じた。操縦性についてはまだまだ伸びしろがあると思う」とコメントした。


試乗を終えて田中エンジニア、増岡選手、丸山エンジニアらと談笑する三好選手。抜群の加速感にこの笑顔。


マシンの前後フェンダーは大きくくりぬかれ、ダウンフォースを発生するように設計されている。

 今年のパイクスピークはプジョーがセバスチャン・ローブ選手を擁して優勝を狙うと発表し、盛り上がる機運を見せているパイクスピーク。また、昨年はトラブルからリタイアを喫した田嶋伸博選手も雪辱を誓ってテストをこなしているという。
 昨年、三菱は練習走行日のアクシデントを乗り越えて、増岡浩選手がEVクラス2位でフィニッシュ。現時点で三菱のパイクスピークに関する発表はないが、さらに上位を目指しての参戦を期待したいところだ。



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