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WRCカナリア諸島:初開催イベントの初日にトヨタ勢がトップ5独占

©TOYOTA

WRC第4戦ラリーカナリア諸島(ターマック)は4月25日、WRCとしての初開催の競技初日に設定されたSS1〜SS6の走行が行われ、TGR-WRTはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが総合首位。2番手以降もセバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、TGR-WRT2から参戦するサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン、さらに今回はマニュファクチャラーズ選手権ノミネート外でエントリーしている勝田貴元/アーロン・ジョンストンが続き、トヨタ勢がトップ5を独占した。

(以下、発表リリース)


WRC 第4戦 ラリー・イスラス・カナリアス デイ1
ロバンペラが初日の全ステージを制し首位に立ち
TGRのドライバーがトップ5を占める

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4月25日(金)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・イスラス・カナリアスの競技初日デイ1がスペインのカナリア諸島、グラン・カナリア島で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 69号車)が首位に立ち、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合2位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合3位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合5位につけました。また、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は、総合4位につけ、TGRの選手たちがトップ5を占めました。

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2025年シーズンのWRCには新規開催イベントが3戦含まれますが、ラリー・イスラス・カナリアスもその1戦。以前、スペインではバルセロナの周辺でWRCイベントが開催されていましたが、ラリー・イスラス・カナリアスは大西洋に浮かぶ、北西アフリカ沖のスペイン領カナリア諸島のグラン・カナリア島が戦いの舞台となります。ステージは全てターマック(舗装路)であり、サービスパークは島北東部の都市ラス・パルマスに置かれます。

ラリーは24日木曜日の午前中にシェイクダウンが行なわれ、ロバンペラがベストタイムを記録。勝田は2番手タイム、エバンスは5番手タイム、オジエは6番手タイム、パヤリは8番手タイムでした。その後、ラス・パルマスの旧市街にあるカナリア諸島大聖堂(=サンタ・アナ大聖堂)前のサンタ・アナ広場で夜9時からセレモニアルスタートが行われ、大勢の観客が見守る中、ラリー・イスラス・カナリアスは華々しく開幕しました。

競技は25日金曜日の朝からスタートし、島の中心部に設けられた3本のステージを、サービスパークでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は118.84kmでした。早朝は空に雲が多く山間部では気温がかなり下がりましたが、路面は全体的にはドライコンディション。ただし、霧や雲の影響で一部路面は濡れていたり、湿り気を帯びるなど滑りやすいセクションもありました。

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今大会最長のステージである、全長26.32kmの SS1ではシェイクダウンでの好調を維持するロバンペラが、2番手タイムのエバンスに6.5秒という大差をつけベストタイムを記録。続くSS2では2番手タイムのオジエに6.7秒差のベストタイム、SS3でもベストタイムを刻み、総合2位のオジエに17.8秒差、総合3位のエバンスに20.2秒差をつけて午前中のループを首位で走り切りました。ロバンペラの勢いは午後のステージでも変わらず、午前中の再走となる3本のステージを全て制覇。デイ1の全6ステージを全て最速で駆け抜け、総合2位のオジエに26.8秒、総合3位のエバンスに36.4秒の差を築き、首位で初日を終えました。また、トップカテゴリー車両によるWRC全戦への出場は今シーズンが初となるパヤリは、総合3位のエバンスと18.9秒差の総合4位。勝田はパヤリと10.7秒差の総合5位につけ、GR YARIS Rally1のステアリングを握る5人のドライバーたちが初日のトップ5を占めました。

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ユハ・カンクネン(チーム代表代行)
今日は全てがとても順調でした。ドライバー全員が笑顔で、この素晴らしい道でのドライビングを楽しんでいました。私は常にカッレに信頼を寄せています。全てのコンディションが整っている時、彼が何をできるのか我々は知っていますし、ここではクルマがカッレに完璧に合っているようです。もちろんセブとエルフィンも非常に優れたドライバーですし、今日はカッレのレベルには及ばなかっただけです。サミにとっても良い一日になりましたが、タカについては、今晩クルマからもう少し速さを引き出せるように我々も努力します。チーム全体がテストと準備の段階から素晴らしい仕事をしてくれていましたし、シェイクダウンの時から既にドライバーたちは満足していました。今日は本当に完璧な一日になりました。もちろん最後のステージが終わるまで勝負は決まりませんが、現時点では非常に良い状況にあると思います。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
チームにとって本当に素晴らしい一日でした。このラリーに向けて、とても良い準備をしてくれたと思います。ただし、個人的には完全に満足しているわけではなく、クルマに対する信頼感をもう少し高め、今日素晴らしい仕事をしたカッレとセブと戦うための数秒を見つけたかったところです。現時点では彼らについていくことができていませんが、今夜いくつかクルマに変更を施してみるつもりです。明日のステージは少し路面がザラついていると思うので、タイヤにはより厳しい条件になるかもしれません。また、天候に関しても注視する必要があります。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
今日は本当に満足のいく一日でした。全てがうまくかみ合い、チーム全体として素晴らしい一日になりました。事前の準備がしっかりできていたため、ドライビングを楽しむことができましたし、良い仕事ができたと思います。クルマは速く、バランスも良いので自分の思い通りに操ることができています。また、ペースノートの仕上りも良好です。明日のステージの一部は今日とキャラクターがやや異なるため集中力を維持し、クルマをさらに改善できるかどうか検討して、この調子を維持できるように努めます。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)
チーム全体にとって非常にポジティブな一日でした。初日にトップ5を占めることができたのはとても印象的ですし、エンジニアとメカニックのハードワークに感謝します。また、新しいタイヤへの適応も上手くできていると思います。もちろん総合2位なので100%満足しているわけではありませんが、今日のカッレは本当に速く、彼のペースに追いつく術はありませんでした。それでも午後はフィーリングとペースの両面で改善が見られましたし、明日に向けてはまだいくつかアイディアがあります。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
チームにとって非常に良い一日でした。WRC初開催のこのラリーに向けて、皆が素晴らしい仕事をしてクルマを準備してくれました。ただし、個人的には自分自身の走りには完全には満足していません。何かが欠けているように感じますし、スピードを少し改善する必要があります。このようなラリーで求められる、非常にスムースな走りができていないようにも感じます。午後はクルマにいくつか変更を加え、より良い方向に進んだので、明日はさらに改善できることを期待しています。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
本当に良い一日でした。一日を終えた時点でのチームとしての順位は非常に良いものだと思います。個人的には、午前の走りについては完全には満足できるものではなかったのですが、ステージごとにフィーリングは良くなっていきました。午後は非常に良いリズムを見つけることができ、タイムもさらに競争力のあるものになりました。もちろん、上位のドライバーたちとの差はまだあるので、常に改善点を探しています。明日、自分たちが何をできるのか楽しみです。

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ラリー・イスラス・カナリアス デイ1の結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 1h10m31.8s
2 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +26.8s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +36.4s
4 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +55.3s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m06.0s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m13.3s
7 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m14.1s
8 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m14.8s
9 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +2m11.1s
10 ヨアン・ロッセル/アルノー・デュナン (シトロエン C3 Rally2) +2m50.7s
(現地時間4月25日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技2日目となる26日土曜日のデイ2は、島の北部が主な舞台となり、3本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、一日の終わりにはラス・パルマスのサービスパークのすぐ横で1.80kmのスーパーSSが行なわれ、バスケットボール・アリーナのコート内もステージの一部として走行します。7本のステージの合計距離は124.08kmと3日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は376.02kmとなります。



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