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今週開催されるWRC第4戦ラリーカナリア諸島(スペイン、ターマック)に参戦する勝田貴元。前戦サファリでは最終SSでのリタイアという結果に終わったが、そこから気持ちを切り替えて挑むラリーへの思いを語った。
──まずはレッキの感触から聞かせてください。
予想したとおり、すごいステージが多くて、楽しめそうだなという感じです。ペースノートの精度がとても重要になると思いますが、レッキでは道を閉鎖しているわけではないので対向車が来たり、タイミングによってうまくチェックできないようなこともあったので、よく見直して精度を上げなくては速く走れないと思います。
──あとはラリーが始まってから良いペースで走ることですね。
良いペースを見つけられるようにしたいです。良いペースというのは、もちろんある程度はプッシュするわけですが、前回のラリーがあのようなかたちで終わってしまったので、そこから良い形で戻れるようにしたいですし、夏場のマニュファクチャラー登録されるラリーに向けて自分のポジションも良いところに持っていきたいと思っています。そういう部分を意識して、連戦のはじめを良い順位で終え、クルマを持ち帰れるようにしないといけないと考えています。
──前戦からの気持ちの切り替えは難しかったのではないですか?
ケニアに関しては、パンク以外はとても順調でした。その分、あのアクシデントは残念でしたが、このカテゴリーで戦っていればリスクは常にあると思っています。運が悪かった部分もありますし、あのような形で終わってしまいましたが、次に向けて切り替えていくしかないと考えています。
それまでの走りでも、あのように挙動が乱れることがなかったので、逆に切り替えやすいところはあります。明らかにブレーキングが遅くてとか、難しいコーナーと分かっていてああなったということであれば、自分の中で納得できないところもあったでしょうが、小さな悪いことが積み重なった結果だったので、それをずっと引きずらないようにいきたいと思います。
──このラリーはインカットがほとんどないということですが、どのような印象ですか?
好きなタイプのラリーですね。走りやすいと思います。ただ特に午前中のループではステージによっては天候が不安定になる可能性がありますし、雨が降っていなくても、標高が高い部分では雲の中に入った瞬間、霧雨で路面が濡れているという状況もありそうです。そのようなコンディションではタイヤチョイスも難しくなりますし、その点については警戒しています。しかし午後は晴れれば全面的にドライになりますし、自分のターマックでの走りについては自信もあるので、それを結果に反映したいです。
──サーキットでの経験を活かせる部分はありますか?
活かせると思いますが、もちろんそれだけではなく、先程言ったようにどれだけペースノートを精度高く作れるかが鍵になってきます。サーキットでの経験があるから速く走れるわけではなく、ペースノートの高い精度と、自信があることが重要です。あとはクルマですね。アンダーステアが出てしまうとタイムが出ないので、ちゃんと良いところを見つけていきたいです。
──今回の目標を聞かせてください。
しっかりと自分のポテンシャルを発揮して、表彰台に乗りたいです。タイトな戦いになりますし、簡単ではないですが、ポディウムを目指すポテンシャルはあります。最後までクルマを持ち帰って、そのポジションにいることができるように戦いたいです。
(Keiko Ito)