【たけぶぅの取材のウラ】ラリー好きのための新レンズ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【たけぶぅの取材のウラ】ラリー好きのための新レンズ

 

【たけぶぅの取材のウラ】ラリー好きのための新レンズ

ラリー撮影からカメラ好きになった編集部たけぶぅです(笑)。

さて、本日キヤノンから新製品「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」というレンズが発表になりました。待ちに待たされました。というのも、前のモデルからなんと16年ぶりのモデルチェンジ! まさに待望の新レンズなんです。

ラリーでは小林直樹先生も愛用している70-200mmという焦点距離のレンズが人気なのですが、この100-400mmというのはそれよりもかなり望遠側に振ったレンズ。先日発売されたEOS 7D MarkIIと組み合わせると焦点距離が1.6倍になり、160-640mmという高倍率ズームになります。飛行機やレース、スポーツ、運動会などで、望遠側を好んで撮影される方にはうれしい1本かと思います。

せっかくの説明会でしたので、今回はところどころラリー撮影に絡めながら、カメラ好きたけぶぅの独断と偏見で、この久々の新レンズをご紹介していきます。



新旧レンズ比較。長さはほとんど同じですが、ズームが回転式に。

手振れ補正機能が進化して、4段分もの効果を得られるようになりました。手振れ補正モードも流し撮り用の2が追加されています。

前モデルとの最大の違いは、ズームが直進式(鏡筒を前後に動かす)から回転式(鏡筒を回す)になったこと。今ではほとんどが回転式で、微調整も回転式の方がやりやすいでしょう。

16年の歳月で機能も大きく変わりました。手振れ補正機能「IS」は3つのモードを備え、4段分相当の手振れ補正効果を得られます。これは手持ち撮影を余儀なくされるラリー撮影でも心強い部分です。400mm=実質640mmの望遠時でも手持ち撮影のヒット率がかなり高くなるはずです。

レンズ群は最新の光学設計となっており、人気の70-200mmとほぼ同等の画質とのこと。一般に望遠になるほど画質が厳しくなるものですが、写真の周辺部までしっかり描写できるとのことです。

ズームリングの手前側にある白い部分が調整リング。無段階調整ですが、基本的には硬い/柔らかいのどちらかで使うのがよさそう。

三脚座部分です。ダイヤル部分を回すと下だけ取れて、レンズと切り離せます。

使い勝手も大幅に向上しています。

鏡筒のズームリングは、調整リングによって重さを調整できます。ズーミングを軽くしたい人、重くじっくり動かしたい人に対応できます。軽くするとスコーンと動き、重くすると力を入れないと動かない感じです。

特に飛行機撮影などでは空を見上げることも多く、
上を向いてレンズが縮んでしまったりすることもあるのですが、それを防ぐこともできるわけです。

また、これまでは三脚座を外すのにカメラからレンズを取り外す必要がありましたが、三脚座部分だけを残してレンズ+ボディを外すことができるようになりました。固定撮影したい方の使い勝手も大幅に向上しています。

そして、最も大きいのは防塵防滴になったこと! レンズが繰り出すタイプのズームレンズですが、水滴などが中に入りにくいように加工がされているそうです。ホコリについても入りにくいような対策はされているとのことでした。

フードの下側に窓が追加されました。

PLフィルターなどを使用する際にフィルターを回しやすいよう、純正レンズフードに回転に便利な窓が付いています。空をより青く撮影したりする時に便利なPLフィルターですが、より使いやすくなっています。

そして、新コーティング技術ASCにより、逆光時のフレアやゴーストをかなり抑えているそうです。小林先生をはじめとして、ラリー撮影では逆光表現を好まれる方も多いと思いますので、これもうれしい進化ですね。

モータースポーツ、の文字がしっかり含まれていました。うれしい!

   ※   ※   ※
先日EOS 7D Mark IIが発表され、ラリーファンも含めてモータースポーツ撮影を楽しむ人たちの間では話題騒然、という感じですが、今回7Dのカタログには我らが小林直樹先生によるラリーカーの写真が使われた「モータースポーツ版」があります。

今回の発表会のなかでも、このレンズの撮影シーンとして、飛行機、ネイチャー、スポーツ、そしてモータースポーツという言葉がしっかり盛り込まれていました。

とかく狭い趣味の世界と思われがちなモータースポーツですが、カメラの世界では着実に市民権を得ているということを実感しています。だって、モータースポーツの撮影ってすごく難しくて、だから好きな選手やマシンをカッコよく撮れた時の喜びも大きいですよね。そういう楽しみやかっこいい写真を、メーカーもきちんと見てくれているというだけでもうれしいじゃないですか。

来年もいろいろな会場で、撮影を楽しんでいる皆さんとお会いしたり、その写真を見せていただけることを楽しみにしています。



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