WRCジャパン:首位タナックがエバンスとの差を38秒に拡大、勝田は2分25秒2差の総合5番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCジャパン:首位タナックがエバンスとの差を38秒に拡大、勝田は2分25秒2差の総合5番手

©HYUNDAI

2024年シーズンWRC第13戦ラリージャパン(ターマック)は、11月23日(土)に、3日目の7SSを走行し、ヒョンデのオィット・タナックが首位をキープ。38.0秒差の2番手にエルフィン・エバンス、2分10秒9差の3番手にセバスチャン・オジエとトヨタのふたりが続く。勝田貴元(トヨタ)は2分25秒2差の5番手で走り切った。

ラリー3日目は、岐阜県をメインに走行する。新ステージの「マウント・カサギ(16.47km)」、昨年も走った「ネノウエ・コウゲン(11.60km)」と「エナ(22.79km)」の3本を、タイヤフィッティングゾーン(TFZ)を挟んでリピート。最後に豊田スタジアムのスーパーSSで締めくくる7SS、103.87km。恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」は標高も高く、多くのクルーが2「イセガミズ・トンネル」に匹敵する要注意のステージに挙げている。

今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。ラリー1勢では前日コースオフを喫したアンドレアス・ミケルセンがマシンを修復し、リスタートを果たした。

雨の予報があったものの、天候は快晴、コンディションはドライとなった。タイヤ選択は、トヨタとヒョンデがソフト5本。Mスポーツ・フォードはアドリアン・フルモーがハード2本・ソフト5本、グレゴワール・ミュンステールがハード2本・ソフト4本を選んでサービスを後にした。

TOYOTA


この日のオープニングは、恵那市・笠置山周辺の新ルートを走行するSS10。路面は乾いているものの、落ち葉や細かいグラベルが路面に乗っており、非常に滑りやすいコンディション。
「特に中盤はかなり滑りやすくて路面を読むのが難しかった」と語るエバンスが、タナックに3.0秒差のベストタイム。ふたりの差は17.9秒に縮まった。0.1秒差で3番手を争っていたフルモーと勝田は、フルモーがベストから8.7秒差の6番手、勝田が13.8秒差の7番手タイム。その差は5.2秒と、こちらは少し離れてしまった。

SS11は、「ターゲットは、少しでもポイントを獲得できるポジションに戻ること」と語るティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が、オジエに1.2秒差、勝田に1.3秒差の一番時計。前日のエンジントラブルで、一時15番手まで順位を落としていたが、12番手とトップ10が見える位置まで戻ってきた。4番手タイムのエバンスはタナックを1.6秒上まわり、16.3秒差と、少しだけ差を詰めている。昨年、このステージを走行していないフルモーは6.9秒差の6番手タイムに留まり、勝田が総合3番手にポジションを上げた。

晴天のもと、多くのスペクテイターが集まったSS12は、この日最長の22.79kmを走行。ペースノートクルーが走行した早朝の時点からコンディションが変化しており、「想定していた路面とまったく違う」と、ベストのオジエも不満を口にする。総合3番手に順位を上げたばかりの勝田が、ステージ中盤でハーフスピンを喫して右リヤをヒット。走行には支障がないものの、ベストのオジエから16.2秒も遅れてしまう。これでオジエが総合4番手に浮上、勝田は総合5番手にドロップした。後方ではヌービルが総合9番手と、ポイント圏内に入ってきた。

フルモーまで6台が走行した段階で、コース内に安全上の問題が発生。コース内に侵入した一般車両が、エバンスのスタートを塞ぐかたちとなり、ステージ進行が止まってしまう。これを受けて、主催者は以降のクルーの走行をキャンセル。SS12のスタート地点に残ったエバンスには「16分38秒3」、タナックには「16分39秒3」のノーショナルタイムが与えられ、代替ルートを経てTFZに向かった。

M-PSORT


中津川公園に設けられた15分のTFZを経て、午後は午前と同じルートをループ。コンディションは引き続きドライとなった。気温が上がったことを受けて、ラリー1勢はほぼ全員がハード5本をチョイス。勝田のみがハード4本・ソフト2本で午後のステージへと向かう。再出走していたミケルセンは、TFZにおいてメカニカルトラブルにより戦列を去っている。

SS13、タナックがオジエに0.8秒差のベスト。スリッパリーなセクションでアンダーステアに悩まされたエバンスは、6.1秒差の6番手と出遅れ、首位タナックとの差は再び21.4秒に拡大した。セカンドベストのオジエはフルモーを捕らえ、表彰台圏内の3番手に浮上する。続くSS14はヌービルとオジエが同タイムのベスト。2.4秒差の3番手タイムで勝田が続き、4番手のフルモーとの差を0.2秒差に縮めた。ここでもタナックがエバンスを2.4秒しのぎ、ふたりの差は23.8秒と、さらに広がっている。

SS15は、午前のセクションで一般車両がステージに侵入し、6台の走行後にキャンセルとなった「エナ」。安全が確保されたことを受けて、無事にステージが実施されることになった。ここはオジエがヌービルに0.1秒差、フルモーに1.3秒差のベストを刻む。ヌービルはこのステージだけで、56.0秒差あったニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)とのビハインドを逆転。7番手にポジションを上げた。

この日の最後を締めくくるのは、木曜日以来となる豊田スタジアムのスーパーSS。土曜日ということもあり、スタンドを埋め尽くしたファンが声援を送るなか、首位のタナックがフルモーに1.1秒差をつけるベストタイムたたき出した。タナックは総合2番手のエバンスに対して、38.0秒ものアドバンテージを確保した。2分10秒9差の総合3番手にオジエ、勝田との僅差を争いを凌ぎ切ったフルモーが総合4番手。安定したペースを刻むことができなかった勝田は、前日からひとつ順位を落とした総合5番手につけている。

TOYOTA


総合7番手のヌービルは、土曜日終了時点で貴重な4ポイントを確保。日曜日に2ポイントを持ち帰ることができれば、タナックの順位に関係なく、悲願のドライバーズ選手権王座が決まる。

競技4日目はSS17〜SS21の5SS、SS走行距離は70.57km。オープニングのSS17は、11月24日の7時39分にスタートする。

WRCラリージャパン SS16後暫定結果
1. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) 2:39:48.0
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +38.0
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:10.9
4. A.フルモー(フォード・プーマ・ラリー1ハイブリッド) +2:19.1
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:25.2
6. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1ハイブリッド) +3:07.1
7. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +7:43.7
8. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +7:55.9
9. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +9:21.2
10. 新井大輝(シュコダ・ファビアR5) +10:12.6

WRCラリージャパン 土曜日終了時点暫定ポイント
1. O.タナック 18
2. E.エバンス 15
3. S.オジエ 13
4. A.フルモー 10
5. 勝田貴元 8
6. G.ミュンステール 6
7. T.ヌービル 4
8. N.グリアジン 3
9. S.パヤリ 2
10. 新井大輝 1

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