APRC/JRCラリー北海道:クロッカー、奴田原ともに今季3連勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

APRC/JRCラリー北海道:クロッカー、奴田原ともに今季3連勝

 

 7月10日〜12日にかけて、北海道帯広市を拠点に開催されたアジア・パシフィックラリー選手権第4戦/全日本ラリー第5戦、ラリー北海道。
ちょうど1年の折り返し地点にあたる今回のラリーは、両選手権にとってシーズンの流れを決める1戦だ。
 APRCでは首位コディ・クロッカー32点、2番手田口勝彦が23点。一方の全日本はトップが奴田原文雄46点、2番手勝田範彦が40点、3番手の石田正史が39点で追う展開。このうち勝田はAPRCでのエントリーとなったために今回の全日本戦の得点からは除外される。しかもSS総距離が150kmを超えるラリーであるため、全日本ラリー選手権規定に基づき通常のポイントに1.2の係数が与えられる。

 全18SS、総走行距離994.33km(うち競技区間230.54km)で争われるラリー北海道の使用ステージ構成は昨年とほぼ同様。しかしデイ1A(金曜日)のセレモニアルスタート後にSS1が行なわれたり、デイ1B(土曜日)のサービス会場を陸別オフロードサーキットに置くといった新機軸も導入されており、観戦にも配慮したスケジュールとなっている。観戦可能エリアは陸別オフロードサーキット、帯広特設ステージ、音更林道の3カ所。なかでも帯広特設ステージは昨年のリバースステージとして計4回走行される。

 7月10日金曜日、北愛国交流広場でセレモニアルスタートが行なわれ、3日間にわたるラリーの幕が開いた。続けて行なわれたSS1【オビヒロ1/1.2km】は19時30分スタートと、ほぼナイトステージ。雨〜曇りという天候にもかかわらず、約5000人が観戦に訪れた。
 APRC勢はまず新井(インプレッサ)が1分3秒8というタイムで飛び出し、2番手にはチームMRFタイヤのガウラブ・ジル(エボX)、3〜4番手にはクスコレーシングの炭山裕矢、続いて柳澤宏至(ともにエボX)というオーダー。2年連続の優勝が期待された田口勝彦(エボIX)はスタートでエンジンストール。+5.5秒の8番手タイムとなった。
 一方の全日本勢は奴田原文雄(エボX)が1分5秒3でトップ。2番手には地元北海道の若手、桑田幸典(エボIX)、続いて石田正史(エボX)、石田雅之(エボX)。アライモータースポーツから出場の牟田周平と小舘優貴が5番手と7番手につけて幸先のいいスタートを切った。

 明けて11日土曜日、デイ1Bでは天候が回復。気温も上がり、ステージが行なわれる山間部の路面はウエットからドライへと移り変わるコンディションとなった。この日は陸別/帯広のギャラリーステージと20km以上の林道ロングステージ、10本169.74kmで構成されている。

 APRCは早くも波乱の展開。SS1トップの新井敏弘はSS3【クンネイワ1/28.75km】でフロントサスペンションにトラブル、コースオフを喫しデイリタイア。チームMRFタイヤのジルもSS6【クンネイワ2/28.75km】で転倒リタイアを喫し、姿を消した。前日3番手だった炭山もSS8【クンネイワ3/28.75km】で駆動系にトラブル、戦列を去っている。
 前日のトップ3が全員消え、ラリーはクロッカーと田口の一騎打ちの様相を呈してきた。クロッカーが10本中7本でベストタイム。田口も負けずに3本のベストタイムで応戦。
 しかしSS8【クンネイワ3/28.75km】でパンクに見舞われ、デイ1B終了時点でクロッカーに1分20秒3以上の差をつけられてしまった。とは言え田口は手応えを感じており「明日は逆転目指して、気合いの走りを見せます」と、この日の最終サービスで語っている。
 デイ1B終了時のオーダーはクロッカー、田口、柳澤。
 
 同じく全日本でも波乱の展開が待っていた。前日2番手タイムの桑田はSS3【クンネイワ1/28.75km】でがっくりとペースを落とし、SS5【リクベツ2/2.73km】の最終コーナーでイン側に引っかけコースアウト。石田(雅)はミッショントラブル、小舘も同じくミッショントラブルで戦線離脱。
 代わって大嶋治夫(エボIX)がベテランの渋さを見せロングステージのSS4/7/8/9でベストタイムを並べ、2番手に浮上してきた。
 全日本のオーダーは奴田原、大嶋、石田(正)。

 前日に引き続き天候も安定した12日のデイ2、残されたステージは7本60.8kmだ。短めのステージをつなげて構成されているため、一発逆転は難しい状況と言わざるを得ない。
 APRC独特のデイポイントを獲り、クロッカーとの得点差を最小にとどめるべく田口はアタックを敢行。一方、先頭走者として砂利かき役となりながらも、クロッカーは前日に得た1分以上のマージンをうまく活用しラリーをコントロールした。
 果たして大きな波乱もなくデイ2は進行。柳澤は次戦以降のセッティングも視野に入れながら3番手をキープし、エボXのAPRC初陣で表彰台を獲得した。田口はアタックの甲斐あってデイ2トップフィニッシュ。計5点のボーナスポイントでクロッカーとの差を最小限にとどめた。

 全日本も上位陣に順位の変動はなく、奴田原がラリーをコントロール。追いすがる大嶋もSSベストはひとつにとどまり2位。石田(正)も1分近くあった大嶋との差を43.6秒にまで縮めたが、そのまま3位でフィニッシュを果たした。

 ラリー北海道終了後の時点で、APRCのポイントスタンディングはクロッカー47点、田口36点と、その差は11点。残されたマレーシア、インドネシア、チャイナの3戦で田口がどこまで盛り返せるか、注目が集まる。
 全日本は奴田原がグラベル3連勝。ポイントスタンディングでは70点でランキングトップを堅持している。2番手は石田(正)が53.4点、3番手は今回APRC高山自動車短期大学ラリーチームからの参戦となった勝田範彦が40点。今シーズンは残り4戦すべてがターマックとなるため、勝田の巻き返しも十分考えられる。

 今後も両選手権は目が離せない展開が続きそうだ。

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