WRCアルゼンチン:ヤリスWRCが2台揃って過酷なデイ2を走破、マキネン「強さを証明できた」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCアルゼンチン:ヤリスWRCが2台揃って過酷なデイ2を走破、マキネン「強さを証明できた」

©TOYOTA

4月28日(金)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリーアルゼンチンのデイ2が、アルゼンチンのカルロス・パスを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTの、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が総合6位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC #11号車)が総合9位で、ハードな1日を走り切った。

デイ2は今シーズンここまでで最もラフなステージが選手たちの前に立ちはだかった。近年WRCのグラベルラリーは全体的に路面がフラットだが、今年のラリーアルゼンチンではかつてのアクロポリスを想起させるほどラフで、大きな石が転がるハードな道が続いた。そのため多くのラリーカーがトラブルやアクシデントに見舞われ、サバイバル要素の強い1日となった。

ラトバラは、グラベルラリーでは不利となる早い出走順ながら、午前中の4本のSSが終了した時点で総合2位につけていた。しかし、午後の再走ステージでエンジン温度の上昇とパンクに見舞われタイムロス。それでも粘り強く走り続け、総合6位でこの日を走り切った。一方、ハンニネンは午前中にエンジンパワーが低下するトラブルで遅れをとったが、昼のサービスでメカニックとエンジニアが問題を解決。午後は問題なく走行し、9位でデイ2を終えた。

トミ・マキネン(チーム代表)
「今日のステージはWRCというより、同じくアルゼンチンの大地を舞台とするダカールラリーに近いラフな路面コンディションでした。しかし、ヤリスWRCは2台揃って1日を走り切り、その強さを証明しました。いくつか小さなトラブルが起こったのは事実ですが、いずれもすでに解決できており、多くのことを学びました。このようなラリーではクレバーに戦うことがとても大切ですが、両クルーはいくつかのアンラッキーな出来事にも関わらず、困難なコンディションにうまく対処し、持てる力を最大限に発揮しました。また、レッキの時とは路面の状態が大きく異なったため、難しい条件下での走行になりましたが、彼らはうまく対応したと思います」

Naoki Kobayashi

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
「今日は、最初のステージをスタートしてすぐに、道がとても荒れていることに驚きました。クルマの下まわりを保護するサンプガードが5回ほど路面に強く当たり、大変な1日になるだろうと覚悟しました。午後のリピートステージは道がさらに悪くなるだろうと予想し、下まわりを打たないように車高を高めたのですが、ハンドリングに関しては自信を持てなくなってしまいました。SS8のスタート後しばらくして、岩を避けようとラインが膨らんで右リヤがバンクに当たり、タイヤがリムから外れてしまいましたが、そのままフィニッシュまで15kmぐらいタイヤ交換をせずに走り切りました。ツキがなかったとも言えますが、それでもきちんと1日を走り切ったので、クルマにいくつか改善を施し、残る2日間の戦いに臨みたいと思います」

TOYOTA

ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
「コースは1日を通してラフだったので、ただひたすらステージを走り抜く事に集中しました。午前中にはパワーが落ちるトラブルが発生し遅れをとりましたが、幸運にも日中のサービスで問題点を見つけ解決したので、午後はトラブルなく走る事ができました。また、午前中には路面のバンプ(出っ張り)に当たって空力パーツの一部が破損し、その結果ハンドリングが少し神経質になりましたが、それほど大きな問題ではなかったのは幸いです。明日は、少しでも順位を上げられるように頑張ります」

競技3日目となる4月29日(土)のデイ3は、サービスパークが置かれるカルロス・パスの西北エリアに展開する3本のステージを各2回走行する全6SS。SS11とその再走ステージとなるSS14「ロス・ヒガンテス-カンテラ・エル・コンドル」は、雄大な景色が広がるとても美しいステージであると同時に、勝敗を分けるポイントとなることも予想される。6本のSSの合計距離は160km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は425.16kmとなっている。

WRCアルゼンチンSS9終了後暫定リザルト

順位ドライバーマシンタイム/差
1エルフィン・エバンスフォード・フィエスタWRC1:24:55.4
2マッズ・オストベルグフォード・フィエスタWRC+55.7
3ティエリー・ヌービルヒュンダイi20クーペWRC+1:00.7
4セバスチャン・オジエフォード・フィエスタWRC+1:06.7
5オット・タナクフォード・フィエスタWRC+1:11.3
6ヤリ‐マティ・ラトバラトヨタ・ヤリスWRC+1:29.9
7ヘイデン・パッドンヒュンダイi20クーペWRC+3:41.8
8ロレンツォ・ベルテッリフォード・フィエスタWRC+4:13.9
9ユホ・ハンニネントヨタ・ヤリスWRC+4:48.6
10ポンタス・ティデマンドシュコダ・ファビアR5+6:32.3

チームは、Facebookでこの日のハイライト動画を公開している。



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