WRCアルゼンチン:ヌービル「マホネンは自分が勝つ方に賭けてくれた」プレ会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCアルゼンチン:ヌービル「マホネンは自分が勝つ方に賭けてくれた」プレ会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCアルゼンチンのスタート前に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。前戦コルシカで今季4人目のウイナーとなったヌービルは、アルゼンチンに向けての自信を問われると、FIAラリーディレクターから伝えられた言葉を引き合いに出した。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ヤリ−マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
クレイグ・ブリーン=CB(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
エルフィン・エバンス=EE(MスポーツWRT)

Hyundai Motorsport GmbH

Q: ティエリー、数週間前のコルシカでは優勝を飾った。このアルゼンチンに向けて自信が高まったか。
TN: 直近のウイナーは自分なので、次もそうなりたいね! ヤルモ・マホネン(FIAラリーディレクター)にも、勝つチャンスがあると言われたばかりだ。自分にとってもありがたい話だね。彼が正しいことを願うよ。彼は、このラリーでは僕が勝つ方に賭けてくれたんだからね!

Q: データでは今季、最もステージウインを獲得しており、君が優勝の最有力候補だ。自分でもそれを感じるか。
TN: う〜ん……、そうだね。今年はいい形になっている。パフォーマンスはよく、マシンは速いし、ポディウムも2回。でも一方で、アルゼンチンはこれまで自分がいいリザルトを出していないラリーでもある。自己ベストは、記憶が正しければ5位だ。自分が思い切り楽しめるタイプのステージではないが、楽しみにしている。この新型マシンでなら自信がある。ダンパーはよくなったし、マシンへの負担が軽くなっていると感じる。これで、速く走れることにつながるのではないかと思っている。

Q: レッキ初日のステージはどうだったか。
TN: 雨が降り止まずに、最悪だった。本当にコンディションが悪かった。特にSS3は、完全にマッドだった。レッキでは滅多にやらないのに、スピンしたほどだ。でも、それが真実。今は日差しが出てきたので乾いてくると思うが、どれだけ乾くかは誰にも分からない。日曜日の午前は、トリッキーになるだろうね。

Q: ヒュンダイは今年、非常にコンペティティブだ、マシンの素晴らしい走りを目にしている。マシンの特にどんなパフォーマンスが優れていると思うか。
TN: マシンのパフォーマンスには満足している。今年自分はヒュンダイと複数年で契約を更新したので、ここ数年の経験が活かせる。最初のラリーから素晴らしいパフォーマンスが出せたし、マシンのフィーリングもよかったが、今日のシェイクダウンではご覧の通りヤリ−マティの方が速かったので、まだ作業が必要だ。トヨタはプッシュしているし、シトロエンとフォードは絶えずマシンを開発している。休んでいる暇はない。僕らは開発を続けていかなくては。

TOYOTA / @World

Q: ティエリーが言うように誰もがコンペティティブである中、ミスの許される余地はない。次のラリーで誰が勝つのか、全く分からない状態だ。ヤリ−マティ、そうした選手権を戦うのは、非常にいいことではないか。
J-ML: どのマシンもイコールだから、ドライバーがどれだけマシンのフィーリングをよく感じるか、どれだけ他よりもいいパフォーマンスが出せるかで争っているというのは、選手権にとって素晴らしいことだ。でも、ティエリーも言ったように、開発や作業の手を休めれば、その後のラリーに響く。努力を続けていかなくてはならない。

Q: このアルゼンチンでは、君が最も経験豊富で、これまでに9戦参戦している。
J-ML: そう。初めて参戦したのは、12年前。ずいぶん前のことだ。あの年は、日曜日までたどり着かなかったことを覚えている。レッキでも見たように、エルコンドールには雪やアイスもあったんだ。

Q: アルゼンチンでは優勝経験もある。何が鍵になると思うか。
J-ML: 2014年にこのイベントを勝った。本当に素晴らしかったよ。その年はいつもよりも複雑だったが、基本的に選手権で最もタフでラフなイベント。高速セクションもあって、いいイベントだ。2ループ目の走行はマシンには厳しく、石がたくさん吐き出されてくる。プッシュできるところと、抑えなくてはならないところを見極めなくてはならない。ここで鍵になるのは、全開でプッシュするところと力を抜くところのバランスをつかむことだ。アクロポリスとかなり似ている。

Q: テストはどうか。選手権で最もラフなステージの一つ、ミナクラベロのようなステージでマシンを壊さずに走らせるためのテストはどうだったか。
J-ML: 必要になるのは、ポルトガルや、自分たちがテストを行ったサルディニアのような地盤が固いサンディな道を見つけることだと思う。少し、そんな感じのコンディションでのテストを行ったが、いいテストだった。何度も走っていると石が出てくるので、サスペンションやマシンの色々なパーツがどのように衝撃を受けるか、そういったところを確認する。テスト用に荒れた道を見つけるのは、大切なことだよ。

Naoki Kobayashi

Q: クレイグ、初めてのアルゼンチン参戦、何が一番の試練になるか。チームとともにブエノスアイレスに行っていたが、ここまでの経験は。
CB: とてもよかった。ここの人々は本当に驚きだよ。先週末は、ブエノスアイレスの市街地でシトロエンをドライブした。本当に素敵な経験だったよ。

Q: レッキでの感触はどうか。
CB: 前にレッキで走った時よりも、余裕があった。本当にいいステージだし、自分は好きだ。場所によって予想がつかなかったり、レッキで思っていたよりもスピードが出せる場所もある。木曜日の天気はひどかった。何度もレッキカーのサイドミラーを確認して、ラインをキープするようにしていた。こういったコンディションでいいノートを作るためにね。これまでとは全く違う経験なので、慣れるまでには時間がかかるが、ここまでのところは全て順調だ。

Q: マシンをかなり乗りこなせているようだ。今季、ここまでの自己評価は。
CB: とてもいいよ。いい走りができていて、安定しているし、ここまでミスも少ない。夢のようだ。1秒1秒を楽しんでいる。マシンは、ラリーのたびに素晴らしく改善されている。このマシンでの初めてのグラベルラリーだが、まだ傷つけていないし、とてもいい形で全てが進んでいる。

Q: 今回の目標については。
CB: ラリーをフィニッシュすること。もちろん、それが一番重要だ。経験を積まなくてはならないし、来年はポディウムや結果を出せるようにならなくてはならない。この先のラリーでも経験を積む必要があるし、その中の一戦だ。だから、辛抱しなくてはならない。今年、ここまでのラリーでは自信を感じているし、それは結果にもつながっている。結果を出すためには、今は辛抱だ。

Naoki Kobayashi

Q: エルフィン、アルゼンチンではこれまでいいリザルトを出している。今回のラリーについて、どう考えるか。
EE: 金曜日のレッキは難しかった。正直、いくつかのステージはかなりラフのようだった。場所によっては、いつも以上にマシンを気にかけなくてはならない。でも、高速でリズムに乗れる、すごくいいセクションもある。全体としては走りがいのあるステージだが、ラフという点ではチャレンジングだ。

Q: 自分が履くタイヤでどこまで行けるかという点では、このイベントはDMACKタイヤが得意なイベントとなるのだろうか。
EE: もちろん、そうであって欲しいね。メキシコでは、ソフトタイヤがとてもいい動きをしていたことが分かっている。ここのコンディションは、ハードよりもソフトタイヤに向いているんじゃないかな。自分たちに有利な展開になってほしいと思うし、いいリザルトを出したいね。

Q: 午前と午後では、気温差が激しい。山に行くと凍るようだが、午後は本当に暑い。これは厳しい要素になるか。
EE: もちろん。気温があだになるところもあれば、自分たちのアドバンテージになるところもあるかもしれない。気温に左右されるイベントになるだろう。面白くなりそうだし、楽しんでいきたいね。

Q: シーズンの滑り出しは厳しい展開だった。いいペースは出せているが、トラブルも発生している。ここまでの自己評価は。
EE: そうだね、願っていたような滑り出しではない。序盤は、スピードやマシンに乗ったフィーリングという点では、ポジティブだった。ここ数戦はいろいろな理由で厳しい内容になっているが、ここからは自分たちの本領が発揮できるようにしていきたい。とにかく、全てが噛み合うことが自分には必要だ。



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