WRCスウェーデン:記者会見「どのドライバーも同じ待遇」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:記者会見「どのドライバーも同じ待遇」

 

WRCスウェーデン、イベント後記者会見の内容
(抜粋)

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ミーカ・アンティラ=MA(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:アンドレアス・ミケルセン=AM(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ミッコ・マルックラ=MM(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
3位:マッズ・オストベルグ=MO(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
3位:ヨナス・アンダーソン=JA(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ヨースト・カピート=JC(フォルクスワーゲン・モータースポーツ、ディレクター)

Q:
ヤリ‐マティ、通算9度目、スウェーデンでは3度目のWRC勝利おめでろう。3回制したイベントは初めてだが、特別な瞬間では。
J-ML:
そうだね、特別な瞬間だ。でも、偉大なドライバーはたくさんいる。ここで2回以上勝っているドライバーは5人目だ。スティグ・ブロンクビスト、ビヨン・ワルデガルド、トミ・マキネン、マーカス・グロンホルムと同じ記録を達成できてうれしいよ。

Q:
チームにとっても最高の週末だった。チームメイトとのバトルになったが、プレッシャーは大きかったか。
J-ML:
正直プレッシャーはあったが、初日の時点では僕が勝てる流れではなかった。オジエとの差が10秒あったしステージベストも取っていないが、ラッキーにも2日目の午前に戦況が変わり、セッティングを変えてからマシンのフィーリングをつかみ始めた。わだちでのドライビングも上達したね」

Q:
パワーステージでもポイントを取ったが、最後まで手を緩めなかったのか。
J-ML:
スタート前にミーカと相談した。基本的なプランはそれまで通りの速さで行くことだったが、ポイントは狙っていなかった。特別なことはしなかったんだ。クリーンでいい走りだった。

Q:
どこでプレッシャーが軽減されたか。
J-ML:
今日の午前、アンドレアスが雪壁にヒットし、フロントバンパーに雪が詰まりすぎてエンジンの熱が上がりすぎて、2本目でタイムをロスしていた。あの時、プレッシャーが軽くなり始めた。30秒リードできればリラックスできると思ってた。……5%くらいね。

Q:
今回はあまり真剣な表情ではなかったが、とても集中していた。今はもっとリラックスしているか。
J-ML:
そうだね。でも言う通り、いつも以上に集中しようと心がけていた。シーズンの滑り出しが厳しいことが何度もあったし、前半のポイントが少なくシーズン中盤ですでにタイトルの目がなくなる状況は本当に厳しい。とにかく集中していい形でシーズンを滑り出したかった。モンテで5位に入ったから、タイトル争いに絡むためにはここでいい順位につけることがとても重要だった。スタート前は自分にプレッシャーをかけ過ぎていたかもしれないが、それがよくなり、うまく回り始めた。メンタルトレーナーのクリストフ・トレイアーには本当に感謝している。メンタルトレーニングは、どんなスポーツでも役に立つと信じているよ。

Q:
ミーカ、スウェーデンは2008年にWRC初勝利を決めたイベントだが、今回の勝利と比較してどうか。
MA:
少し違うね。最初の時は、コンディションは似ていたが後方スタートだったのでリードに立てたし、最終的に敵はミッコ(ヒルボネン)だけだったから、状況はかなり楽だった。今回は、木曜日の初日はいい速さがあっても十分ではなかった。それからオジエがヒットしたので、かなり賢明な走りをしなくてはならなくなった。計画通りに行かなかったのは、ハグフォースだけ。ヤリマティはかなり悔しがったね。でも、雪壁に突っ込まないでラリーを続けているんだからいいじゃないかって言ったんだ。過去にもそうなりそうなことがあったから。でもすべて予定通りに進んだよ。

Q:
アンドレアス、初めてのWRCポディウムおめでとう。果敢に優勝争いに挑んだがポディウムに上がった気分は。
AM:
WRカーでスウェーデンに出るのは2008年以来だったけど、得意なイベントだからどうしてもいい走りを見せたかった。テストの内容がよかったので、完璧な走りができればポディウムを狙えると思っていた。ずっと首位とバトルをしてきたけど、今日2本目のミスしてから、2位キープになった。

Q:
最後のステージ前は緊張したか。
AM:
そう悪くはなかった。昨晩の方が緊張がひどかった。考えすぎて4,5回は起きたよ。最後のスキーエリアのセクションは最悪で、足が震えていた。

Q:
午前のステージで首位争いが終わった。何が起きたのか。
AM:
最初のステージは本当にトリッキーだったので、最初の5,6kmで賢明に行くべきだと決めた。2本目は、コーナーの進入速度が高すぎて、フロントに雪が詰まってしまった。エンジンが悲鳴を上げていたので、通常走行のモードにした。ヤリとの差が広がりすぎたので、2位キープに決めたんだ。

Q:
ミッコ、WRC初勝利おめでとう。厳しい週末を終えた気分は。
MM:
まず、ほかの2人と対等に争えると分かったのがうれしいね。それから、フォルクスワーゲンが1−2−3でないのは理想的ではないね。セバスチャンは小さなミスで陥落してしまった。でも、誰にでも起こりかねないことだった。

Q:
君も緊張したか?
MM:
年のせいかな。落ち着いてたよ。

Q:
マッズ、これで4回目のスウェーデンでのポディウム。3位に加えてパワーステージでは最高ポイントも獲得し、選手権争いでは3位につけた。週末の内容には満足か。
MO:
そうだね、満足しているよ。最初はちょっとびっくりしていた。序盤はあまりフィーリングがよくなかったし、優勝争いをするのはすぐには難しいと早い段階で分かったから。でも次の日からすぐに気持ちを切り替えた。マシンに新しいことも試し、ドライビングスタイルも対応させている。正直、この3日間でドライビングスタイルは完全に変わったよ。もうちょっと上を望んでいたけど、いい週末だった。パワーステージの3ポイントもかなりうれしいよ。

Q:
3位フィニッシュがかかっていたが、パワーステージではリスクを負ったか。
MO:
正直、かなり安全パイだった。雪壁には一切接触はなかったし、前のステージまでそれを続けていた。スプリットで+3と聞いて、これは違うと思った。だからそこから速度を上げた。あのスプリットは間違っていたと思うけど、たぶんハードにプッシュし過ぎていたのかもしれない。

Q:
ポディウムにノルウェー人ドライバーが2人上がった。
MO:
本当にいいことだね。アンドレアスはとても印象的なドライバーだよ。スタートから速さを見せて、感動的な走りだった。残念ながら、彼の方がちょっとよすぎたね!

Q:
ヨナス、今の気分は。
JA:
いい気分だ。マシンのフィーリングもどんどんよくなっている。本格グラベル戦を楽しみにしているよ。

Q:
選手権争いは接戦になっている。シリーズにとっていいことでは。
JA:
そうだね、選手権争いが接戦なのはとてもいいことだし、ポイントを目指してたくさんのドライバーが挑んでいる。今年はたくさんの接戦を展開しながら、タイトル争いが激戦になるといいね。

Q:
ヨースト、ヤリ‐マティの勝利はうれしいのでは。
JC:
フォルクスワーゲンのクルー4人がポディウムに上がったのはいいリザルトだ。チームオーダーを出さなかったことがよかった。どのドライバーも、自分の実力を見せるべき。彼らは自信を持って臨んだし、全員を同じように待遇している。だから、一人がミスをしても、他のドライバーが自信もって優勝争いができる。

Q:
去年もアンドレアスはいいタイムを出していたが、安定して上位にいたのは初めてだ。今後も期待ができそうか。
JC:
もちろんだ。アンドレアスは去年は修業の年だった。セバスチャンは2013年に向けて、2012年に1万kmのテストをこなしてきた。ヤリマティもかなり乗ってはいたが、アンドレアスは最低限のテストだった。1年でテストができる日は限られているからね。去年はきっちりと学んだから、自信があってタイムが出せれば、今年はポディウム狙いができると言った。最初のステージでベストをマークし、序盤から首位争いに食い込んだ。期待以上の内容だったし、チームの誰もが彼のパフォーマンスには感銘を受けている。



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